バリアートショールーム オーナーブログ
2013.5.22

バリ旅日記最終回 永遠の夏休み

こんにちは、坂本澄子です。ウブド滞在もいよいよ最終日となりました。昨日は市街中心部にあるプリルキサン美術館を訪れた後、石畳が続くジャラン・カジェンを北に抜け、田園地帯を散策してきました。ジャラン・カジェンにはそこを訪れた人々から寄贈されたメモリアル・プレートがぎっしりと埋め込まれ、それぞれ名前やユニークなメッセージが書き込まれています。左右には素朴な土産物屋や並び、昔懐かしい金魚売りの姿も。なんだかタイムトリップをしたみたいです。20分ほど歩き石畳が途切れたあたりから、急に視界が開け、そこには緑の田園風景が。椰子の木がなければ、子供の頃に行ったおばあちゃんの田舎の雰囲気そのままです。さっきまでの市街地のうだるような暑さがうそのように、気持ちのよい風が通りぬけていきました。

ジャラン・カジェンの風情ある街並みと石畳に刻まれたメッセージ

ジャラン・カジェンの風情ある街並みと石畳に刻まれたメッセージ

ブログ28田園風景畦道を進むと、ガーガーと賑やかに鳴く声が。見れば、稲刈りを済ませたばかりの田んぼに百羽近い家鴨の群れがいます。今年孵ったばかりの雛鳥も混じって、落ち穂や虫をついばんでいました。草を踏むやわらかな感触を楽しみながら、椰子の木の小径を道なりに進むと、曲がりくねった道はいつの間にかぐるっと回って元の市街地の雑踏に戻っていました。その間わずか数十分、夢から覚めたような不思議な気分でした。

絵もある意味これと同じという気がしています。知らず知らずのうちに描かれた風景の中に引き込まれ、そこから広がるイマジネーションの世界に時間旅行、それによって心と身体を緩めることができるのです。7月のバリ絵画展「緑に抱かれる午後」も皆様に心の夏休みを見つけていただけるよう準備を進めていきたいと思います。

ウィラナタ「夕暮れのうなぎ穫り」 プリルキサン美術館所蔵

ウィラナタ「夕暮れのうなぎ穫り」
プリルキサン美術館所蔵

バリ旅日記は今日が最終回です。10日間おつきあいいただき、ありがとうございました。

そうそう、旅日記①で今回の旅の目的として2つあげたのを覚えておられるでしょうか。ひとつがシュピース画家のウィラナタさんの作品を扱うこと、もう一つは彫刻額縁の制作です。ウィラナタさんには40センチ×60センチの作品を注文していますが、8割がた出来上がっていました。彼の作品の特徴である斜光を描いて完成させ、2〜3週間のうちにはご紹介できると思います。プリルキサン美術館には彼の作品は2点展示されていました。このようにバリ絵画を代表する画家の作品を次々とご紹介できることを大変嬉しく思います。

ブログ28額縁額縁の方は耐久性と風合いが劣化しないことを考慮して、額縁用のニャント材を使用し、職人さんにお願いして一点ずつ木彫りを施してもらうことになりました。色は焦げ茶とナチュラルブラウンの二種類を制作します。モダンな作品にはスタイリッシュなボックス額縁を使用するなど絵の雰囲気にあった組合せを提案していきますが、標準サイズの作品については、できるだけお部屋に合わせて選択できるようにしていきたいと思います。

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