バリアートショールーム オーナーブログ
2013.6.19

画家紹介⑦ あなたをオンにする一枚〜ウィラナタ

アトリエ前にて。右は弟のケパキサン氏

アトリエ前にて。右は弟のケパキサン氏
美男二人に囲まれて緊張しました

こんにちは、坂本澄子です。今日は新しい画家をご紹介します。ウィラナタ(WIRANATA)、シュピース・スタイルの繊細かつ大胆な風景画を描き、姉のガルー(GALUH)と並んで、バリ絵画で今最も注目されている画家のひとりです。首都ジャカルタ、シンガポールなどから注文が引きも切らない状態。でも、日本びいきの彼は「日本人とバリ人は似てると思うよ」と快く注文を受けてくれました。

出会いはプリ・ルキサン美術館で見た一枚の絵でした(写真左)。ランタンの光に映し出された親子の様子が何とも温かくて、不思議な印象だったのを今でも覚えています。それがガルーさんの上の弟のウィラナタさんの作品だったとわかったのはそれから随分経ってからのことでした。プリ・ルキサン美術館にはもう一枚作品があります。ちなみに、ネカ美術館が所蔵している作品「村の風景」(写真右)はアリー・スミット氏の寄贈です。彼は画家であると同時に、バリ絵画に魅せられた熱心なコレクターでもあったのですね。Wiranata作品3連

さて、そんなウィラナタさんに色々とお話を伺ってきました。

高名な画家だった父は子供の頃に亡くなった。大切な形見の作品

高名な画家だった父は子供の頃に亡くなった。大切な形見の作品

<画家になったきっかけ>

父が画家だったため子供の頃から身近に画材があり、7歳頃から本格的に描き始めたそうです。17歳の時に描いた作品が叔父のグラカカ(ヤング・アーティスト・スタイルの画家)を通じて初めて売れたのが、プロの画家として活動する最初のきっかけとなりました。とにかく風景画が好きで、シュピース・スタイルという枠にはまることなく、自分の作品を描いていきたいと抱負を語ってくれました。

<制作にあたってのインスピレーション>

ブログ35_ウィラナタ少年時代棚田やチャンプアン(2つの川が合流する地点、バリでは精霊が宿ると信じられている特別な場所)など、作品の題材となる風景を見に行くこともありますが、子供の頃の情景を思い出して想像力をかき立てられることも多いそうです。特に、子供の頃に住んでいたウブドでの思い出は宝物。魚釣りをしたり、泳いだり、壁に落書きをしたり…、そう語る彼の目はまるで夢見る少年のようでした。

<画家として努力していること>

一覧写真注文とは別に、新しい試みにチャレンジするための作品作りをしているそう。とは言え、超売れっ子画家のウィラナタさんは私が訪れた時も2点を同時進行で制作中。ここにもう一枚というのは正直かなりツライはずです。しかし、それを敢えてやることで、画家として自ら成長する機会を作りだしているのはスゴイと思いました。制作の新しい試み、写真がまさにその作品で、雨雲を新たに題材として取り上げました。納得が行くまで筆を入れて、素晴らしい作品に仕上がることでしょう。

プロの画家というのは好きなことをしているようで、実はそうでもありません。注文主から色々とリクエストされるとそれに応えるため、必ずしも自分の描きたいように描いているばかりではないとよく耳にします。しかも、売れっ子になると出来上がる端から出て行くため、ウィラナタさんの場合も手元に残っている作品はわずか2点。将来の夢は、この雨雲の作品のように自分の好きな絵を描きためて、いつか自分だけのギャラリーを作ることだそうです。

ウィラナタ作品の特徴は光と影のコントラスト。それが作品全体に心地よい緊張感を生み出し、特に朝の風景は気持ちがしゃんとするといいますか、とにかく「今日も頑張るぞ」モードになれるのです。まさにあなたの一日をオンにする一枚。今回できあがった作品はバリ絵画展「緑に抱かれる午後」に出品しますので、ぜひ原画を見に来て下さいね。

【関連リンク】

あなたをオンにする一枚はこちらへ 注文制作もご相談下さい

 

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