バリアートショールーム オーナーブログ
2013.9.4

バリアートのある暮らし③見るたびに新しい発見

こんにちは、坂本澄子です。今週は生まれ故郷の広島に帰ってきています。残念ながらずっとお天気が悪く、今日は朝からずっと雨で肌寒いくらい。週末には高校時代に所属したブラスバンド部の友人たちに◯◯年ぶりに会います。昔の友人に会っていつも思うことは、不思議とすっと時間が戻るんですよね。人は環境によって変わる部分もあるけれど、本質的にはやはり変わっていないような気がします。どう思われますか:)

「バリアートのある暮らし」、今日はバリの細密画をご自宅に購入された東京都町田市Y様からのメッセージです。Y様はそれがきっかけでバリに興味を持ち、その後初めてバリ島を訪れたそうです。

絵を持つ生活ってどんな感じなんだろう

絵を持つ生活というのがどんなものかそろそろ味わってもいいかなと思いました。美術館にはよく行くけど、家で見るのはせいぜいポスター。バリ絵画は手の届く価格でいい作品が多いので、プロの画家さんの肉筆に日々触れ合う生活を試してみたくなりました。

ほんのりピンクと青みがかったグレー

ライさんの絵「牛飼いのレース」を見たのは4月の絵画展の時でした。美少女や、存在感ある豹や蛙、熱帯花鳥の中で、細密画はちょっと地味なので、最初はあまり注目していなかったのです。

「牛飼いのレース」

確かに旗に数字が書かれ、牛は二頭ずつ繋がれている

ところが、あらためて近づいて見て、最初に気がついたのは旗に数字が書いてあることです。「081」とか「916」とか。ということは、これは昔話の絵ではなくて、わりと最近の風俗なんだと気が付きました。そう思って見てみると、二頭ずつ組んだ牛が牽いている車に御者が乗り、綱を引きながら鞭を揮う、それが何組も何組もひしめき合う、というとてもダイナミックな構図だと気づきました。「犇めく、とはまさにこのことだ!」と愉快になりました。

登場している人物が皆んな楽しそうに見えてきて、まだ行ったことがない(その時点で)バリ島の、威勢良い楽しげな生活が想像出来ました。そして、遠くからぼんやり見ていた時には、あまりぱっとしない中間色の絵のように感じていたのですが、興奮した牛や観客たちのほんのりピンクがかった肌の色と、遠景の淡く青みがかったグレー、という色彩の対象がとても鮮やかに感じられることに気が付きました。

大きな題材を描いた印象的な絵は、玄関とかリビングとかお客様を招く場所に向いているでしょうけど、寝室にはこういうよくよく見ると味がある絵の方が、毎日毎日見ても飽きないです。

 違う刺激が気持ちいい

バリ島に行く前は、どんなところだろうかと色々と想像するきっかけを与えてくれました。そして、バリに行った後は、現地の風景や現地でみた絵画を懐かしく思い出しています。あと、普段目にするもののほとんどが、文字(文書)か動画(テレビとか)なので、目に対して違う刺激を与えてくれて、気持ちよいです。

Y様、分析的な感想をありがとうございました。バリの伝統モチーフをびっしりと描き込んだ細密画は見れば見るほど味があります。Y様のように小さな作品の向こうにある”まだ見ぬ土地”に思いを馳せるのも、絵画の楽しみ方のひとつですよね。それがきっかけでバリに旅したり、また逆に、その時の光景を思い出したり。

秋のバリ絵画展「秋の夜長を愉しむ」では、そんなバリの伝統絵画の小品を集めます。10月6日(日)限りの開催ですので、今からスケジュール入れておいて下さいね。併設コーナーでは、「バリアートショールーム」掲載作品のほとんどをご覧になれますよ。(バリ直送作品を除きます)

<関連サイト>

ライさんの細密画・・・クリキ村で培われた精緻な細密画の世界

アリミニさんの細密画・・・バリ絵画を代表する女流画家です。漫画家さくらももこさんも絶賛。

秋のバリ絵画展の開催要領

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