バリアートショールーム オーナーブログ
2014.10.1

大きな絵の持つ魅力・魔力② 大人の絵の愉しみ方

こんにちは、坂本澄子です。今日から10月ですね。私が秋の生まれだからなのか、それとも気候のよさがそうさせるのか、色んなことをモリモリやってみたくなっています^_^ あなたはいかがですか?

前回、大きな絵には全体の構図や絵を構成する要素に、画家としたの色んな工夫や苦労があるというお話をしましたが、今日はその続編として、大人の絵の愉しみ方をご提案したいと思います。

美術館やギャラリーで絵を見るときって、どんなふうに見ておられますか?「わあ、きれい」「おもしろい」といった第一印象だけで終わっていたり、はたまた、キャプションをじっくり読んで、「そうか〜」と妙に納得してたりすること、あったりしませんか? 最後にショップで図録を買うと、何だか「見ました」って気持ちになりますよね。そう言えば、小学生の頃、プリントを提出すると、「みました」スタンプが押されて返ってきましたが、ちょっと似てるかも..です(^o^; 実は、私もかつてはそんな一人で、特に誰もが知っている名画と呼ばれる作品だと「この作品はこう見るもの」という先入観に捕われていました。

ブログ170_絵のはじめそんな私の絵の見方が変わってきたのは、バリ島で画家のアトリエを訪問し、絵の描かれるプロセスを見せてもらうようになってからなんです。ほとんどの画家は新たな作品に着手するとき、イメージした構図に従って、キャンバス上に大まかに色をおいていきます。右の写真はその第一段階が終わったところです。旧約聖書の創世記に、神様はまず天と地を創造された。そして「光よあれ」と言われると光が現れた。そして、光と闇を区別されたというくだりがありますが、まさに天地創造をキャンバス上で実行している感じです。

7割完成

7割完成したところ。この後に人物が描かれ、物語性が付加されました

で、構図を作った上に構成要素を描いていくのですが、この時、あたかもその風景の中に自分自身もいるかのような感覚で、見えるものを描いていくのだそう。そこには、風があり、花の香りがただよい、川のせせらぎが聴こえているかもしれません。五感を働かせて感じるものを描いていきます。そして、人物を描くときには、その人と自分の関係。自分自身を描いているとすれば、その時の心情など、細部に渡って描き込んでいきます。

描き手のそのようなプロセスを経て絵が完成しているのであれば、見る方もその絵の中に自らを置いて、五感を働かせてみるのはいかがでしょうか。例えば、小説を読んでいるとき、自然に感情移入し、その物語の中に自分もいるかのようにハラハラしたり、喜んだり、時に涙したりしてますよね〜? それと同じことを絵でもやってみませんかということなんです。 すると、また別の見方ができ、ひとつの作品に奥行きができると言いますか、立体的な愉しみ方ができますよ。

そんなこともあって、最近どうも大きな絵に惹かれてしまう私です^o^ アンタラさんの最新作『豊穣の女神』もそんなプロセスを踏んで描かれています。次回、そんなお話も織り交ぜながら、続きをお話しま〜す。

季節の変り目、お身体に気をつけてお過ごしくださいね。

 

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