バリアートショールーム オーナーブログ
2015.8.26

安野光雅展を見てソキを想う

こんにちは、坂本澄子です。

急に涼しくなりましたね。窓を開けて寝ていたら、夜中に寒くて目が覚めました。暑くて目が覚めていた少し前とは大違いです。季節の変わり目、どうぞくれぐれもご自愛ください。

さて、先日、新宿にある損保ジャパン美術館に「旅の風景 安野光雅 ヨーローパ周遊旅行」展を見に行ってきました。最終日の前日とも相まって、絵本の原画約120点の前はかなりの賑わい。

安野さんが気の向くままに旅をして描いた水彩画の数々が、イタリア、スペイン、イギリス、スイス、ドイツ…と国ごとに展示されています。それぞれに違った味わいがあり、また、作品に添えられた安野さんご自身が書かれた文章を読むと、その鋭い観察眼と共に、幅広い知識に裏付けされていることを感じます。風景の中に描かれた人々の姿や暮らしぶりの正確さは、その国の人も驚くほどです。

ブログ222_安野光雅

緻密でかつ俯瞰的な描写が持ち味の安野さんの作品ですが、バリ島で初めてソキさんのギャラリーを訪れたときに持った印象もこれとよく似たものでした。安野さんの風景画は旅人の視点で描かれていますが、ソキさんはそこに暮らす住民でありながら、同様に俯瞰的な神の視点をもって描かれています。多くの人物を描きながら、誰一人特別な存在はありません。神の前にはみな小さな存在であり、恵みによって生かされていることを意識した描き方なのです。

代表作『バリ島』は全島を斜め上空から見下ろした面白い構図。2、3000m級の山々が連なる北部、なだらかな平野が広がる南部という地形が直感的に感じられます。最も尊いもの(この作品では聖峰アグン山)が絵の一番上に来るというバリ絵画の伝統的な約束事に従い、祭礼の島の生活のさまざまな場面がびっしりと描かれています。

ZY005

『バリ島』 SOKI

島の南半分を覆いつくす赤はバリの大地をイメージしたもので、所々に点在する青は北部の山から湧き出た清水がバリ全土を潤していることを伝えています。この大地と水が作物を育み、やがて大きな実りとなってバリの人々の暮らしをささえているわけです。また、海に目を向けると、漁師が魚を獲っています。人々は自然から恵みを受け、神に感謝の気持ちを表すための祭礼を行います。この伝統的なバリ島の生活がソキさんの絵の主題です。

この壮大な作品(80cmx100cm)から、それぞれの場面を切り出して描いた小品は、ソキ作品の魅力が身近に感じられるいわば入門編。それぞれの作品画像をクリックすると、詳細ページをご覧いただけますので、モチーフ解説とあわせて細部の描写をお楽しみください。

『稲刈り風景』ソキ

『村の稲刈り』

バロン

『バロンの祭列』

レゴンダンス『レゴンダンス』

Info_20131221_バロンの祭列Ⅱ『ムラスティ』

 RY007

『ウブドの市場』

 <関連ページ>

ソキ紹介ムービー ソキの魅力を3分間で (youtube)

ソキの作品ページ ソキの作品をもっとご覧になりたい方はこちらへ

 

コメントをどうぞ

※は必須