バリアートショールーム オーナーブログ
2015.10.17

いつか見た風景

こんにちは、坂本澄子です。

以前、少しだけお話しましたバリ絵画を題材にした私の絵が完成し、明日10月18日(日)まで東京・上野の東京都美術館で開催中の第67回中美展に出品しています。

ブログ232_夢この絵のタイトルは『夢』。バリ絵画を飾ったソファの上でうたた寝しているうちに、夢と現実の世界の境界が曖昧になっていくところを描いてみました。ここに描かれている画中画は、プンゴセカンの巨匠LABA氏の花鳥画を参考にしたのですが、私にとっては、最初に出会ったバリ絵画のイメージを凝縮したいわばオマージュです。

これを見てくださった、IBM時代の大先輩のOさんから「大好きなオーストラリアの画家の絵を思い出した」とメッセージをいただきました。ジョアンナ・フックという名前までは覚えていませんでしたが、「’91年、小型システムの事業部長をやっていた時にCMに使った絵」だと言われて、確かに思い当たる作品がありました。

それは、背の高い草が、樹々の隙間を埋めつくすように生い茂る密林のジャングル、そこに、南国の鳥が色鮮やかに舞う光景でした。その数年後にオーストラリアのシドニーを出張で訪れたとき、都会でありながら、いたるところに自然を感じられる街はまさにその絵のイメージそのもの。

その頃の私はと言えば、ちょうど仕事がおもしろくなったところで、夜中まで仕事をする毎日。仕事を通じて自己実現…と言えばかっこいいですが、365日仕事のことばかり考えていたわけです。そんなときに「オーストラリアの人は休暇を楽しむために働く」と聞かされ、自分の価値観がぐらりと揺さぶられ、そんな生き方に強烈な憧れを感じたことを覚えています。でも、それから20年、その働き方を変えられなかったんですけどね^o^;

ちなみにそのCM、小型のオフコンでしたが、当時の社長からは『鳥が飛んでるCMでコンピューターが売れるか』と揶揄されたそう。それでも企画を変えず、強力なプロモーションを断行されたのは、何ともOさんらしいエピソードだと嬉しくなりましたが、結果、私のようにぐらりとなった人は少なくなかったようで、当時この分野では後発だった同社が、真剣に参入するという狼煙を上げた最初の製品だったと記憶しています。

生涯現役画家のラバ氏

生涯現役画家のラバ氏

それから月日は流れ、そんなできごとも彼方へと追いやられていましたが、今思うとあのとき潜在記憶に刷り込まれた南国ふうの絵が、バリ絵画に初めて出会ったときの不思議な懐かしさに繋がったのではないかと思います。そこからバリ独特の深い精神性に触れ、のめり込んでいったのはいつも書かせていただいている通りです。

しかし、人生って不思議ですよね。ある日何かのきっかけで大きな方向転換をしたように思えても、実は、そこに至る小さなできごとが長い時間をかけて熟成するように下地作りがなされている。私とバリ絵画の出会いもまさにそんな道のりの向こうに用意されていたものだと思わされました。

次回はそんなLABA氏とご長男ARSANA氏の新作をご紹介します。ARSANA氏は父親譲りの深い緑の密林と野鳥を題材とした作品を得意としながら、独特の視点が斬新な構図を作り出すことに成功しています。

<関連ページ>

LABA作品ページ・・・ARSANA氏の作品もこちらに掲載しています

 

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