バリアートショールーム オーナーブログ
2015.11.21

光と戯れる風景

Bこんにちは、坂本澄子です。

前回、写実絵画専門の美術館として定評のあるホキ美術館と画家・島村信之さんの作品をご紹介しました。島村さんの婦人像は、光という名脇役が、主役である女性の清らかな美しさをより強く印象づけているように感じましたこのような光を用いた室内画は、北窓の部屋で描くのが常識だそう。時間の経過によって光が変わるのを抑えるためなのでしょうね。

一方、光の変化によって絵の印象が変わるのを楽しめる作品もあります。その代表格が、こちら、ウィラナタの『光の風景』です。

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『光の風景』 WIRANATA (油彩画 / 70cmx100cm)

ウィラナタは、光との戯れをテーマにした風景画を得意とする画家です。山の向こうに夕日が沈む最後の瞬間を描いたこの作品も、そんな画家の魅力が存分に感じられます。

光の変化による見え方を検証するために、作品にスポットライトをあててみました。(写真下、iPhone 5で撮影)かなり印象が変わりますね。逆光となった左右の木の端がキラキラと光り、水をたたえた棚田はまるで鏡のようです。

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実際にこの絵を飾っていると、部屋の明るさや窓から入る光の変化によって、見え方が変わってくるのがわかります。以前、鑑賞会を行った際には、「絵の中でも実際に夕暮れが進行しているみたい」とおっしゃったお客様もありました。

そこで、次回のバリアートサロン(11月29日)では、クリップ式ライトを使って、その変化を実際にご覧いただきたいと考えています。ぜひご一緒に体感してみてください。

ところで、冒頭の写実絵画は、先月亡くなった巨匠・森本草介さんをはじめ、日本では高値のつく著名作家を多く輩出していますが、その緻密さゆえに年に4、5点と言われています。描かれたものが実際と同等の物質感を持つまで制作が続くという、気の遠くなるような仕事に、世界的にみると決してメジャーな分野ではなく、むしろ描き手がどんどん減っていると聞き、とても残念に思いました。

時間と手間を惜しまず作品に向き合う点では、バリ絵画にも共通するものがあります。以前、ウィラナタに聞いたときも、年間に描ける作品はやはり数点だと言っていました。そんな貴重な作品、写真ではなかなか伝わらない本物の絵の持つ美しさを、ぜひ見に来てください。2015歳末感謝セールも好評開催中です。

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第6回バリアートサロン  11月29日(日) 11:00-12:00

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