バリアートショールーム オーナーブログ
2015.12.9

バリの神様⑥ 猿王ハヌマン

こんにちは、坂本澄子です。今年3月以来、久々の「バリの神様」シリーズ第6弾をお届けします。今日ご紹介する「猿王ハヌマン」は神様ではありませんが、神話の登場人物として神様の化身である主人公に付き従う存在、映画で言うと頼もしい脇役といったところでしょうか。

COLLECTIE_TROPENMUSEUM_Houten_beeld_van_Hanuman_TMnr_15-182bハヌマンは風神ヴァーユの子とされ、正義のために戦う強い精神と肉体の持ち主。『ラーマーヤナ』では主人公ラーマ王子(ウィシュヌ神の化身)を助け、魔王にさらわれたシータ妃を救い出すために大活躍します。魔王一味との激しい戦いの場面はこの物語の一番のハイライトでもあります。実は、猿の様相と聞き、孫悟空に扮した香取慎吾さんをイメージしていました。すると、まんざらハズレではなく、ハヌマンが中国に伝わって孫悟空のモデルになったとの説もあるのだそうです。

やんちゃな時代もありました。赤い太陽を熟した果実だと思い込み、空を飛べるハヌマンは、こともあろうか太陽をとりに空へ昇っていったのです。ところが、インドラ神の逆鱗に触れ、金剛杵で顎の骨を砕かれて転落死してしまうのです。

悲しんだ風神ヴァーユはハヌマンを生き返らせてほしいと神々に懇願しますが、聞き入れられないと今度は激怒し、風を吹かせるのを止めてしまったため、人間界は大変なことに。仕方なく、神々はヴァーユの願いを聞き入れ、ハヌマンは不死、不屈、かつ叡智を持つ強者として蘇ったというわけです。顎が変形して描かれることがあるのは、インドラ神に砕かれたなごり。

このハヌマンが太陽へと昇っていく場面を女性らしい色使いで描いた作品がこちら、『ハヌマンの誕生』です。太陽に向かって飛翔するハヌマンがおわかりでしょうか。

ブログ212_ハヌマンの誕生

『ハヌマンの誕生』 ARIMINI (35x25cm) アクリル/紙

描いたのはアリミニ。バリ島屈指の人気アーティストで、バリの伝統絵画技法を継承しつつ、独自のスタイルを打ち出すのに成功しています。神話の世界とバリ島の伝統的な生活をひとつの絵として表現する作風はアリミニならでは。

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(左)天へ飛翔するハヌマン、手前には農作業をする村人が描かれています
(中)祈りを捧げる母アンジャニー
(右)シヴァ神をハヌマンの父とする説もあり、近しい存在として描かれています

さくらももこさんが日本に紹介して、デビュー20周年記念の合作リトフラフは話題を呼びました。今でもアリミニさんご指定で作品を見に来られるお客様が後を絶たないのはさすがです。バリ島のアルマ美術館でも所蔵される著名作家の作品を、今年一年の感謝をこめてセール価格でお届け。ぜひこの機会をお見逃しなく!

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アリミニ作品ページ

2015歳末感謝セール実施中 12月28日まで

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