バリアートショールーム オーナーブログ
2013.11.13

地上25㎝からの風景

こんにちは、坂本澄子です。今日からバリ絵画展『五感を満たす食卓』@バリカフェ・モンキーフォレストが始まりました。バリ伝統絵画15点を展示していますので、東京近郊にお住まいの方、お食事がてら是非お立ち寄り下さい。くわしくはこちらを!

さて、ちょっとプライベートなテーマで失礼します。ウチには人間の長女とワンコの長男がいます。長女はたまにバリアートショールームの仕事を手伝ってくれており、皆様にお会いする機会もあると思いますので、今日は長男ケン(フレンチブルドッグ♂2歳)をご紹介します。

ケン4ヶ月の時にウチに来ました。ワンコを飼うのは初めてだったのですが、あまりのやんちゃぶりに何度も泣きそうに。ケンのご乱行でウチのフローリングはボロボロです。フレンチブルドッグという犬種の特徴みたいですが、人間が大好きで、ペットショップの店長さんに「番犬にはなりませんよ」と念を押された通り、構ってくれる人には誰彼なくすり寄っていきます。ガンコ者の一面もあり、いやな方向へ連れて行こうとすると、すぐに脚を踏ん張ってイヤイヤ。なまじ力が強いので困ったものです。

とまあ、こんなケンですが、先日このブログを読んで下さっている方から、「ケンの目線で見たお散歩日記をつけてみてはいかがですか」と勧めていただきました。地面が近いので、落ち葉が増えたとか、たんぽぽが咲いてるとか、いつも私たちが見ている風景とは違う景色や感じ方に出会えるのではないかとおっしゃったのですね。

確かに、子供の頃って今よりずっと地面が近かったんです。土の匂いがもっと間近に感じられたり、コオロギの鳴く声がすぐそこに聴こえたり。でも、いつの間にかそんなことはすっかり忘れて、自分の視点を中心とした小さな世界に一喜一憂している自分が…。

ところがですよ、バリ(ウブド)を初めて訪れた時、とても懐かしい気持ちになりました。その理由は多分、「大自然に繋がっている」「自分も宇宙の摂理の一部なんだ」という感覚だったのではないかと思います。

街中で大自然に繋がるのは難しくても、いつもと違う視点を持ってみることで毎日がもっと楽しくなるかも知れないと思い、お散歩にデジカメを持ち歩くことにしました。不定期でバリアートショールームのFacebook pageのアルバムに追加していきますので、ワンコを飼っている方もいない方も見てやってください。

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 校庭横の茂みは宝探しの場所中学校の校庭横の茂みはケンの宝探しの場所。テニスボールがうもれてたり、出てくるわ出てくるわ。かぴかぴになったネズミの死骸までくわえてきたのにはびっくり。校庭から子供たちの声が聴こえると、この通り耳がぴーん。「きゃあ、かわいい〜」と言われようものなら、「俺様、かっこいいだろ」とばかりに、しっぽのほとんどないお尻をプリプリ。人間でいうと二十歳の青年なのでしかたないですね…^o^;ちなみにバニーちゃんのしっぽみたいなのがちょこんとついてます。

ニシキギちょっと変わった木がありました。錦木(ニシキギ)という名前は、紅葉の美しさに由来してついたと言われるほど鮮やか。よく見ると枝のところどころに翼のようなものが出ています。触るとコルクみたいな手触り。物事にはすべて理由があると言われますが、この植物はどのような宿命をおっているのでしょうね。

 

雲と枝がダンスしてるふと空を見上げると、枝と空の雲がダンスしていました。刻一刻と姿を変える雲は、まるでアーティストですね。

 

 

 

メイちゃんに似た白い花今日はお散歩友達のメイちゃんに会えなかったけど、よく似た白いかわいい花が咲いていました。

2013.11.6

バリ絵画展『五感を満たす食卓』への思い

info blog_20131006

こんにちは、坂本澄子です。三連休はゆっくり過ごされましたか。私は前職時代の同僚たちとホームパーティをやりました。今回で4回目になりましたが、それぞれ得意料理を1品ずつ作りお互いを楽しませるという趣向でやっており、回を重ねるごとにお料理の内容もグレードアップしています。御陰さまで、美味しいお料理とお酒、楽しいおしゃべりを堪能することができました。

ブログ62_ライ作品さて、来週に迫ったバリカフェ・モンキーフォレストさんとのジョイント企画『五感を満たす食卓』にも同じような思いを持っています。気の置けない仲間たちとはもちろんのこと、おひとりで来ていただいても、①ジャワ人のシェフが作る本場のインドネシア料理(味覚)、②バリの一流画家の描く絵画(視覚)、③心地よいガムランの音色(聴覚)、④食欲をそそる香り(嗅覚)、⑤テラスからの秋の風(触覚)が楽しめます。

私も皆様になったつもりで五感で楽しんでみようと、ふらりと渋谷のお店に行ってきましたので、今日は私の好きなメニュをご紹介します。

ビンタンビール奥のカウンターの角っこの席に座りました。まずは、ビンタンビール、暑い日にもゴクゴク行ける軽めのピルスナーです。つきだしのエビせんはドラゴン社のもの。お店の方の説明によると、ここのが一番美味しいとのこだわりから、いつもブランド指定で仕入れているとのこと。確かに!

お料理一品目はガドガド。ゆで野菜(キャベツ、もやし)とゆでタマゴのスライスにピーナツソースがかかっています。ここまではよくあガドガドる普通のガドガドですが、このお店では先程出て来たエビせんを砕いたものと混ぜ合わせていただきます。違った食感がお口の中で出会い、ピリ辛ソースが絡まると、もうビールが進むこと。いい気分になってきました。目の前にある壁にアリミニさんの細密画を飾ったら、見てるうちにイマジネーションをかきたてられて、空想旅行ができちゃうかもと思いました^_^

イカのスパイス炒め二品目はイカのスパイス炒め(チュミ・チュミ・チャー)。ポップな色使いの野菜たちがまるでソキさんの絵に似て、何だか元気がでてきます。たっぷりのイカにふわっと薫るニンニク醤油味が食欲をそそりますw

おなかも結構いい感じになってきたので、〆にヌードルを。インドネシアで麺といえば、バミゴレン(焼きそば)が最もポピュラーですが、ここはあえて外してバミゴドック(インドネシアインドネシアラーメン版ラーメン)を選びました。おそらく醤油系なのですが、どこか南国風のスープがこれまたうまい!大満足の夕食でした。

坂本一押しの珍味はテンペ。大豆を発酵させチーズのように固めた健康食品なのですが、これを黄金色にカリっと揚げたテンペゴレンはあと引く美味しさ。ビールやアラック(ココナツが原料のインドネシアのお酒)のおつまみにぜひお試しを。

ということで、今回の絵画展は仲間との楽しい食事を盛り上げる元気の出るヤングアーティスト・スタイルの作品と、ひとりの時間をゆっくり愉しめる細密画を展示します。気に入った作品がありましたらご購入いただけますので、お店のスタッフにお声掛け下さいね。私も期間中何度かお邪魔しますので、見かけたらお声かけて下さいませ!

 バリ絵画展『五感を満たす食卓』

  場所:Bali Cafe モンキーフォレスト 地図

  期間:11月12日(火)〜20日(水) 

  展示内容:

   ★アリミニ…バリの伝統絵画を女性ならではの色彩感覚と流れるような構図で描いた作品

    ★ライ  …クリキ村に伝わる細密画。小品ながら1ヶ月以上かけて丁寧に仕上げた芸術作品

    ★ソキ  …極彩色でポップな作風に思わず元気が出るヤングアーティスト・スタイル。

         その第一人者ソキ氏の小品と若手作家ヌアダ氏の作品

 

2013.11.2

注文制作であなたのこだわりの一枚を

こんにちは、坂本澄子です。今日から3連休。どこかに行こうと計画されてる方、お仕事される方、おうちでのんびりされる方…、それぞれあると思いますが、私はとりあえず、ケン(フレンチブルドッグ♂2歳)と朝の散歩に出かけてきました。いつも行く公園の隣に大きなタワーマンションが建築中で、だんだん高くなっていきます。今32階まで来ました。その横を真っ赤な太陽が昇ってくるのを見ていると、なんだか厳かな気持ちになりました。

さて、「お部屋に絵を飾りたいけど、なかなかこれと思うものに出会えなくて…」と思っていませんか?そんなあなたにおすすめしたいのが注文制作です。「バリアートショールーム」でご紹介している画家はいずれも注文制作をお受けします。GALUH, WIRANATAなどの人気作家は多少お時間をいただきますが、それ以外は1〜2ヶ月でお届けが可能です。通常こんな流れで進めています。

注文制作の流れ

でも、目に見えないものを注文するのって勇気がいりますよね。そこで、ちょうど今まさに進行中の制作例をご紹介します。

「バリ島の不思議な力が湧いてきて元気になりそう」横須賀市 tomu様のケース

SOKI 過去作品『バリ島』以前からSOKIさんの作品が大好き。「見ているとバリ島の不思議な力が涌いてきて元気になりそう。そんな作品を自宅に飾りたい」と秋のバリ絵画展に初めてお越しいただきました。残念ながら、展示作品は今ひとつご希望にフィットしなかったのですが、「バリアートショールーム」の画家のページに掲載しているSOKIさんの過去作品をご覧になられて一目惚れされたのがこれです(写真)。バリ島を形取り、神々の島での生活や祭りを鮮やかに描いた壮大なスケールの作品。

さっそくSOKIさんに問い合わせてみると、「では、あれに似たイメージで描きましょう」と即OK。当初は60cmx80cmの日本間サイズで考えていたのですが、画家からの提案もあり、壮大な作品の魅力を存分に引き出すため最終的に80cmx100cmの迫力サイズで制作中です。

下絵が終わったところ中間報告にtomu様にお送りした写真がこれで、今下絵が終わったところです。10月はガルンガン(バリ島で最も大きなお祭り)や村の祭事があり、長老格のSOKIさんはかなりお忙しかったよう。「ちょっと遅れ気味」と申し訳なさそうでした。

tomu様からはすぐに返信をいただきました。

「おはようございます。制作途中の進捗をご連絡いただけるんですね!!益々。。。感動!!かゆいところ!!あっ!そこ!そこ!とても気持ちの良い朝を向かえられました!バリ島のお祭りは大切な文化と理解してます!家宝は寝て待て。。とも言いますし、何よりもソキさんが気持ち良く制作できる環境の中で私にとって特別な、この作品を仕上げていただければ幸いです。。。ソキさんにそのことをお伝え下さい。大丈夫です」

これを見て、じーんと来ました。私にとっても特別な朝になりました。tomu様の温かいメッセージはもちろんSOKIさんにお伝えして、この後の制作も元気100倍で頑張ってもらっています。最終納品までブログの中で実況中継していきますので、ぜひご一緒に見守って下さいね!

お気に入りの作家がありましたら、ぜひ過去作品をご覧になってみて下さい。あなただけの特別な作品を制作するヒントがそこにあるかも知れません。

この記事には続きがあります。(’14/2/15追記) あわせてお読み下さいね。

<参考サイト>

SOKI作品 … 極彩色でバリの風物を描くヤングアーティストスタイルの第一人者。その作品はバリ島の主要美術館に所蔵されています。

バリ絵画の主要スタイル … どんな作品が好み? まずはスタイル一覧から。

 

2013.10.30

バリのお祭りガルンガン

こんにちは、坂本澄子です。

この時期、バリの人たちは大忙し。画家さんにお願いしている作品も「11月に入ったら着手するね。ごめんね」という感じです。それもそのはず、210日に一度巡ってくるバリで最も大きなお祭り「ガルンガン」の季節だからです。「ガルンガン」は世の中の善が悪に勝利したことを記念する祝日。この日、各家庭の家寺や村の寺院に神々や自然霊、祖先の霊が降り立ち、バリの人々は様々な供物でもてなし、祈りを捧げます。10日後の「クンニガン」に再び天上界に戻るまで、様々な儀礼が毎日のように続きます。もちろんその準備も大変なもの。

皆さんもバロンやペンジョールは色々なところで目にされると思いますが、この様子はバリ絵画の題材としてもよく取り上げられています。

各家の門口に立てられた竹飾りペンジョール

「ペンジョール」は大きな竹をしならせるように作った竹飾り。各家庭の玄関の右側に立てられます。祖先の霊はこのペンジョールを目印に自分の家に降り立ちます。祖先の霊をお迎えするのは、日本のお盆と同じですね。ペンジョールの独特のしなりは聖山アグン山を表すと言われ、よく見ると先端には、ヤシの葉(シュロの葉が使われることも)を神様の形に切り抜いたラマックと呼ばれる切り紙細工のような人形が取り付けられています。ガルンガンが終わっても35日間はそのままなので、皆さんも写真のような光景をご覧になったことがあるのでは?

ブログ78_バロンの行列「バロン」は善を象徴する聖獣で、日本の獅子舞のように中に人が入って、写真(ソキ「バロンの行列」)のように村中を練り歩きます。子供たちがやっている子供バロンに遭遇することも。ちなみに、バロンに対して悪の象徴は「ランダ」と呼ばれる未亡人の魔女。時に子供を食いちぎるとんでもない魔物です。厄介なのは、死んだと思ってもすぐにまた生き返るゾンビのような性質。つまり、バロンとランダとの戦いは永遠に繰り返されるというわけです。なんだか、良心とちょっと悪い心の間で葛藤が繰り返されるのに似ていますね。「あ、またやっちゃった。成長してない」と自己嫌悪に陥るのもこんな時(^^;;

2つの川が合流するチャンプアンところで、バリ島には古くから精霊信仰があり、ウブドの市街地にはいくつかの場所に「精霊の通り道」があります。わずか1〜2m程度の細い道なのですが、村の共同体や地方自治体がお金を出して作っているそうです。また、大きな木やチャンプアン(2つの川が合流する場所)には精霊が宿ると言われており、尊いものを表す黄色い幕が張られています。先祖の霊や自然に宿る霊を大切にしていることが随所に感じられますね。

こんなバリの風習と人々の生活を描いた作品を本場インドネシア料理を楽しみながら鑑賞いただけるミニ絵画展を企画しました。

 バリ絵画展『五感を満たす食卓』

  場所:Bali Cafe モンキーフォレスト 地図

  期間:11月12日(火)〜20日(水) 

  展示内容:

   アリミニ…バリの伝統絵画を女性ならではの色彩感覚と流れるような構図で描いた作品

    ★ライ  …クリキ村に伝わる細密画。小品ながら1ヶ月以上かけて丁寧に仕上げた芸術作品

    ★ソキ  …極彩色でポップな作風に思わず元気が出るヤングアーティスト・スタイル。

         その第一人者ソキ氏の小品と若手作家ヌアダ氏の作品

2013.10.26

ウブドのいまむかし

こんにちは、坂本澄子です。バリとお隣のロンボク島で撮った写真を送っていただきました。向こうの写真を見ていつも思うことは、色彩の豊かさです。原色のパレットのような色のフルラインナップ。その色彩感覚の豊かさが、絵画の世界でもあの美しい色使いを生み出すのだなあと感じています。

さて、前回に続き今日も歴史のお話を。今日のバリの文化の原型はお隣のジャワから伝わったものです。14世紀、ジャワではマジャパヒト王国が全盛時代で、その傀儡政権であるゲルゲル王国がバリ全土を支配していました。その後、イスラム勢力の侵攻により、マジャパヒト王国が滅ぼされ、バリに逃れた王宮の廷臣、僧侶、工芸師など知識階級の人々によって古典文学、影絵芝居、音楽、彫刻など多くの文化がもたらされたのです。バリが古代ジャワ文化の継承者とも言われる所以です。

しかし、11世紀頃には既にバリ独自の王国や文化が存在していたのですよ。これがバリ最古のペジェン王国です。ゴア・ガジャ遺跡やイエ・プル遺跡など、ウブド近郊にその史跡を見ることができます。ウブドは古代バリの中心地だったということですね。

ゴア・ガジャ遺跡ブログ77_ゴア・ガジャ遺跡2

写真はゴア・カジェン遺跡。左写真の入り口を入ると、中は右写真のように洞窟になっていて、ここにはヒンドゥの三大神プラフマ(宇宙の創造を司る)、ウィシュヌ(宇宙の秩序を司る)、シワ(宇宙の終わりの日に破壊と再生を司る)を表すという三体のリンガ(男性のシンボル)が祀られています。

ハヌマンの誕生バリ、とりわけウブドでは、現在もバリ暦に従って祭礼中心の生活が営まれています。私が常宿にしているコテージのご主人テギさんも週に1〜2回はサルン(腰巻き)を巻いてお寺に行き、祭礼やその準備に携わっていました。仕事を度々休まなければならないので、ホテルやレストラン、タクシーなどバリの観光産業に従事しているのは地元の人ではなく、ジャワからの出稼ぎ労働者が多いのはこのためです。ウブドの人たちは農業に携わる人が多く、パンジャールと呼ばれる隣組の単位で、田植え、稲刈りなどを共同作業で行っています。バリの気候は温暖でお米は年に2〜3回とれるので、共同体での生活はまさに生活の基盤。絵画に描かれている農作業の風景や神様に恵みを感謝し供物を捧げる祭礼の様子は、現在進行形の姿なのです。

ブログ28田園風景しかし…、そんなウブドにもここ数年で観光開発の波が押し寄せてきました。ウブドの中心部近くに住む画家ガルーさんのお宅も周囲の田んぼが次々に埋め立てされ、新しいヴィラが建っているとのこと。ちなみにガルーさんも隣に貸家を一軒立てたところ、マッサージ店がテナントとして入ったそうです。安くて質がいいと地元でも評判のお店の2号店で、1時間のオイルマッサージがなんと600円。ガルーさんもさっそく利用されたのかと思いきや、ご主人のしてくれるマッサージの方がいいんですって。あら〜、仲のよろしいこと。失礼しました〜。しかし、あの繊細な作風は目を酷使します。きっと首筋から肩にかけてコリコリでしょう。ご主人も画家です。ガルーさんがプロの画家になったのもご主人の勧めで女流作家ばかりの絵画展に出展したことがきっかけだと伺いましたが、今をときめく人気作家、色んなところにご主人のやさしいサポートがあるのですね^o^

とまあ、便利になるのはよいことですが、初めてバリを訪れた際に思い出させてもらった大切なこと、特に、自らを大自然の一部として素直に受け入れ、そこに宿る神々に感謝の祈りを欠かさないバリの人々の素朴な思いが失われないようにと切に願う今日この頃です。

「プライベート展示会」の11月の開催日が決まりました。バリアートショールームの作品を実際に見ていただくチャンス。一点でもお気軽にお越し下さい。開催日前日のお昼12時までに、時間枠とご覧になりたい作品をご予約いただくだけ。詳しくはこちらを!

 

<参考サイト>

ガルー  繊細な筆遣いと色合いの幻想風景画

バリの暮らしがわかる絵画たち

アリミニ 女性画家らしいちょっとかわいい作風

ライ   この細密さはスゴイ、細密画の代名詞クリキスタイルの作品

ヌアダ    ウブドの農村風景をポップな極彩色で

プライベート展示会の開催概要

2013.10.23

なぜウブドには画家が多いのか?

こんにちは、坂本澄子です。朝晩、ちょっと肌寒くなってきました。これから冬に向かうわずかな間、日本の素晴らしい秋を楽しんで下さいね。

庶民の足バイク。雨が降ろうがたくましいこと南緯8°に位置するバリ島には季節がほとんどありません。あるのは雨期と乾期です。先日、ブログをお読みいただいたtomu様から「バリに住む友人が、雨期に入って洗濯物が乾かないと嘆いてます」とお便りをいただきました。雨期と言ってもずっと雨が降り続くのではなく、昼過ぎ頃からスコールが1〜2時間降るという感じなのですが、湿度が90%を超えることも多く(ちなみに梅雨時の東京で平均75%)、晴れ間に洗濯物を干しても大人のTシャツだと2日くらいかかりますし、その辺にパンでも置いておこうものなら翌日にはカビちゃってます(^^;;これでも山側のウブドは海側に比べるとまだしのぎやすい方なのですけどね。

さて、私が初めてバリ(ウブド)を訪れるきっかけとなったのは、「画家が集まっている芸術村」があると聞いたことから。興味津々出かけてみてビックリ、本当に画家が多いんです。「バリアートショールーム」がおつきあいしている画家さんたちも、お父さん、兄弟、ついでに隣の家のオジサンまで画家という環境に生まれ育ち、「物心ついた頃にはもう絵筆を握ってました」という人がほとんど。最近は美術学校に行く画家も増えましたが、身内から手ほどきを受け、見よう見まねで描き始め、次第に自身のスタイルを確立していくのがウブド流です。

カマサン・スタイル

『ラーマーヤナ』の場面を絵巻物風に描いた古典絵画

それにしても、どうしてここまで画家が多いんでしょう?その理由は歴史の中にありました。バリ州の現在の8つの県の原型は17世紀、8つの王国が群雄割拠していた時代に遡ります。特に、イスラム勢力から逃れたジャワの知識階級が住み着いたクルンクン王国には様々な古代ジャワ文化がもたらされ、絵画の分野では、物語の場面を描いた古典絵画(現在のカマサン・スタイル)が発展しました。

ところで、バリのヒンドゥ教の神様というのは普段はお寺にはいません。ガルンガンなど特別な時に降臨する神様を楽しませるためのいわば捧げものとして、舞踊や音楽、絵画・彫刻などの芸術が育まれたのです。そのため、他の7王国にもそれぞれに腕のいい職人がいました。

ウブド王宮

ウブド中心部にある王宮は観光スポットのひとつ

ところが…、東インド株式会社を設立したオランダはその勢力をインドネシアにも広げ、19世紀末になるとその支配はバリ島にも及びました。他の王国がオランダに徹底して抵抗する中で、ギャニャール王国(ウブド)だけはオランダと同盟し他王国を滅ぼすことに加担したため、王族中心の旧体制を維持することに成功したのです。芸術のスポンサーは主に王族ですから、弱体化した他王国から多くの職人がギャニャール王国に移り住み、シュピースボネなどの外国人画家を招聘し積極的に絵画を保護したウブドに画家の多くが集まったというわけです。こう言うと、仲間を裏切り、芸術の中心となったウブドに対して複雑な気持ちを抱かれるかも知れませんね。でも、ウブドにも古代培われた素晴らしい文化がありました。この話は是非別の機会にさせて下さい。

今でもデンパサールからウブドに続く地域は『芸術街道』と呼ばれ、様々な文化が集まっています。木彫りのマス村、銀細工のチュルク村などは、お土産を探しに行かれたことがあるのではないでしょうか? それから舞踊はプリアタンが有名ですね。ウブド市街地にはたくさんのギャラリーがあり、これらを回ってみるのはバリ観光の楽しみのひとつです。ただし、画家が多いということは作品の質も玉石混淆。中には、お土産用に同じパターンで大量製作された作品もありますから、気をつけて下さいね^_^

* * * * *

今週から、一点から見れる『プライベート絵画展』をやっています。前日のお昼12時までにご覧になりたい作品と時間枠を予約いただくだけ。10月の開催日は23, 25, 26, 30日です。詳しくは開催案内をどうぞ。

<関連サイト>

スタイル別に絵を探す … バリ絵画を代表する主要スタイルとおすすめ作品

10万円以下で絵を探す … おウチに帰るのが楽しくなる!気軽に飾れるバリ絵画

2013.10.19

バリではこんな風に過ごしています

こんにちは、坂本澄子です。先日の絵画展で、何人かの方から「バリにはよく行くのですか?」と聞かれました。よくでもありませんが、今年は2回ほど行きましたので、今日はそのお話を。

ブログ75_ヴィラ

このテラスでブログを書いていました

バリに行く度に常宿にしているのは写真のコテージ。2週間滞在して朝食付き3万円みたいなところですが、それでも満足できるくらいに清潔で、時々ヤモリが入ってくることを除けば快適な暮らしです。一度20センチ以上もあるオオヤモリ(トッケイ)と一夜を共にしたことがありました。天井近くにはり付いたままほとんど動かないのですが、さすがにその夜は眠った気がしませんでした。翌朝、宿のご主人(テギさん)を呼んで捕獲してもらいました。目がクリクリとした愛嬌のある顔をしているわりに、捕まった瞬間は口を180度以上も開けて何やら声も上げて威嚇。獰猛ぶり(?)を発揮していました。

ブログ74_テギさん夫妻

仲のよいテギさん夫妻

ここに泊まる一番の楽しみはテギさんの奥さんが作ってくれる家庭料理がおいしいこと。大抵はご飯に何種類かのおかずを添えたナシチャンプル、ご飯をおかゆ風にすることも、それから日本でも有名なナシゴレンなどがコピ(バリコーヒー)と一緒に出されます。ニンニクの香ばしい薫りがふわっと漂い、朝から食欲をそそります。このせいかバリに行くと大抵太って帰りますw バリ島にはリタイア後、長期滞在する外国人も多いため、このクラスのコテージやヴィラがたくさんあるんですね。よく見かけるのはオーストラリア人。きっと近いからなのでしょうね。いつか私もこんな滞在の仕方をしてみたいと思います。

挿絵74初めて来た時はまだ前の仕事をしていた頃で、何もしないことが最高の贅沢とばかりに、コテージのテラスから見える風景をぼーっと眺めては過ごしていました。この時からです、空を見上げるようになったのは。雲の形がとてもおもしろく、また刻一刻とその形を変えていく雲はまるでアーティスト。雨期の天気は変わりやすく、午後過ぎから大抵スコールになります。朝は晴れていた空が見る見るうちにかき曇り、やがてざぁという音と共に雨がやってくる様は、見ていて(聞いていて)スカッとしますよ。

現在は仕入れを兼ねて行くため、現地のビジネスパートナーと画家さんを回ります。インターネットなどのインフラが整い始めたのはここ1〜2年。特にウブドはメールで用事を済ませる習慣はまだありません。アトリエを訪問して、顔を見てお話して。当たり前のことですが、こうすることによって、今どんな作品を描いているのか、どんな仕事場(アトリエ)なのか、画家の人となりが伝わってきますので、こういったコミュニケーションを大切にしています。急に訪ねても温かく迎えてもらえるので、それがバリのいい所です。

ブログ75_バリの民家

バリの民家のイメージ写真です。これは敷地内。

バリの民家は通常いくつかの棟で構成されています。男の兄弟は結婚した後も家に留まるため、家長の住む棟、家族の住む棟、台所など煮炊きをする棟、儀礼を行う場所、さらにはファミリーテンプルまで、広い敷地にずらっと建屋が並んでいることがよくあります。シュピース・スタイルの画家ウィラナタさんもご自身の家族、お母様、弟のケパキサンさんご家族と同じ敷地内に住んでおられますが、最近ひとつ棟を新築されたそうです。前にも一度ご紹介した、ご自分の絵を飾るギャラリーです。今はひっきりなしの注文をこなすのに精一杯で、中に飾る絵はまだないそうですが、確実に夢の実現に向かって一歩一歩進んでおられるところがすごいなあと思いました。そうそう、アトリエから灰皿が消えていました。禁煙が続いているようですw

 

2013.10.16

一枚から気軽に見れる!プライベート展示会

こんにちは、坂本澄子です。

嬉しいお便りをいただきました。秋のバリ絵画展でガルーさんの作品を見て一目惚れされた東京都町田市のY様からです。

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残照の家路(お客様投稿写真)とうとう買ってしまいました、憧れのガルーさん『残照の家路』。ガルーさんの絵は、田んぼの水面の優しい透明感と、手前から遠景へ次第に淡くなる木々の緑が凄いのです。『早暁の静謐』ブルーの水面も素晴らしいのですが、残照を写した水面の色合いが絶妙です。色を表す語彙が乏しい私にはどう説明していいのか分かりませんし、写真でも簡単には再現できないものなので、実物を見ない限りこの色合いは想像もできないのではと思います。そんな絵を独り占めしていいんだろうか、と、いっぱしのアートコレクターになった気分も味わっています。「今日もたくさん働いたなぁ、満足満足」と登場人物がつぶやいているのが聞こえるような穏やかさが、我が家の玄関にぴったりです。毎晩、家に帰り着いて扉を開けるとそこに「残照の家路」が待っています。おかえりなさ〜いと言ってくれるような気がして、帰宅の足も自然にウキウキしてきます。

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Y様は「バリアートショールーム」のサイトをご覧になって、以前からずっとガルーさんの作品が気になっておられたそうです。そして、10月6日のバリ絵画展で実物を見て、色使いのすばらしさ、繊細さに圧倒され、4日後の朝、ネットで購入いただきました。

「実物」を見る。まさに私も同じことを考えていたところでした。

できるだけ多くの方々にバリ絵画の実物に触れていただきたいと、前回のブログで、モンキーフォレストさんとのジョイント企画、バリ絵画展『五感を満たす食卓』の開催についてお知らせしたところ、多くの方から反響をいただきました。嬉しいのと同時に、身が引き締まる思いです。

有明ショールームそして、今日もうひとつお知らせです。「サイトに掲載されているこの作品が見たい」といった個別のご要望にお応えする企画を考えました。「プライベート展示会」をスタートします。毎月開催日をInformationに掲載しますので、来場の時間枠とご覧になりたい作品を事前予約の上、お越し下さい。1時間枠に1組様のご案内で、東京・有明のビルの最上階にあるラウンジの開放的なスペースで、ゆっくりと作品を鑑賞いただけます。レインボーブリッジや東京湾の抜けるような景観がもれなくついてきますよ。一点からお気軽に。

プライベート展示会の詳しい開催要領はこちらをご覧下さい。

 

2013.10.12

Bali Cafe とタイアップ!ミニ絵画展「五感を満たす食卓」

こんにちは、坂本澄子です。昨日は観測史上最も遅い真夏日を98年ぶりに後進したとのニュースが流れ、東京は季節が逆戻りした感じでした。この連休もいいお天気が続くようです。皆様の街ではいかがでしょうか。

ブログ73_モンキーフォレスト2作品を実際に見ていただくことの大切さを改めて感じたこの度のバリ絵画展。さっそく実行に移したいと思います。東京・渋谷のBali Cafe モンキーフォレストさんとのタイアップでミニ絵画展を行います。題して、「五感を満たす食卓」。その第一弾を11月12日(火)〜20日(水)に開催。モンキーフォレストと言えば、インドネシア料理で常に食べログ上位に上がり、最近は東急沿線の情報誌「SALUS」でも紹介された人気店。バリが恋しくなると、私も時々出掛けていました。バリ島ウブドにあるモンキーフォレスト通りを思わせるオープンテラスのある作りや、ジャワ出身のコックさんの作る本場インドネシア料理ももちろんなのですが、私が気になっていたのは、実は店長のユディさんなのです。あ、変な意味ではなく^o^;

モンキーフォレスト_店内初めてお会いした時、「日本人?それともハーフなのかな」と思いました。それくらい日本語が上手で、ホールをひとりで切り盛りする姿がなんともキビキビしておられる。食後のデザートや飲み物も実にタイミングよく出て、来店されたお客様にいい時間を過ごしてもらいたいとの思いが伝わってきました。私がそれまでインドネシアの人に抱いていた穏やかでややのんびりとしたイメージ(そこに惹かれたというのもあるのですけどね^o^)とは違った感じがとても印象的だったのです。

モンキーフォレスト_テラス席絵画展を行う度に、私はいつも「五感を満たすアートスペース」を意識しています。「このお店なら、私のこだわりに共感してもらえるかも」、そう思ったら、俄然一緒にやりたくなりました。ユディさんはそんな私の思いをくんで、オーナーの長濱さんに取り次いで下さいました。幸い、長濱さんは毎週のようにお店で様々なジャンルの音楽ライブを開いたり、展示をしたりと、お客様の食卓を盛り上げることに対して、いい意味でどん欲な人。「ぜひやりましょう」ということに。そして、その打合せの中でも、ユディさんがいかに信頼されているかが言葉の端々から伝わってきました。これから一緒に仕事をするのが楽しみです。

唯一気がかりだったのは、ギャラリーではないので、起こりうる様々な事象に対して作品をどう保護するかでした。これについては、議論を重ねた結果、前面にアクリル板をつけること、混雑時を除いて分煙とすることで対応することになりました。展示詳細については、これから企画を練りますが、皆様からご支持が得られれば、アーティストの個展スタイルなど毎回違ったテーマで、11月以降も継続的に開催していきたいと考えています。下記コメント欄からぜひご意見をお寄せ下さいね。では、よい週末を!

 

2013.10.9

秋のバリ絵画展、ありがとうございました

こんにちは、坂本澄子です。街を歩けば、金木犀がほのかに香り、何だか笑顔になってしまう今日この頃です。

御陰さまで無事に秋のバリ絵画展を終えることができました。このブログを読んで下さっている皆様も何人も会場に足を運んで下さり、大変嬉しく思いました。ありがとうございました。

バリ絵画展@表参道

この左側に花鳥画コーナーがありました。
全50点一挙公開。

今回感じたことが2つありました。ひとつは、やはり絵は実際に見ていただくに限るということ。バリ絵画は精緻で繊細な作品が多いため、実際にご覧になって、「やっぱり現物を見てよかった」とおっしゃるお客様の多かったこと。今回も高いご評価をいただいた、熱帯風景画家のガルー、ウィラナタ氏の姉弟の作品は特にそうでした。

もうひとつは、お客様と直接お会いしてお話をお聞きすることの大切さです。来場された方には大きく2つのパターンがありました。ひとつは、バリに何らかの思い入れや、こんな感じの絵がほしいというイメージがあって来場される方です。ご自身の心の中にあるバリの思い出を絵画という媒体で具現化することのお手伝いで、このケースは結果的に注文制作になることも多いです。「バリアートショールーム」は今ある作品の展示・販売だけでなく、注文制作が可能なのです。例えば、昔の作品のお写真などをお持ちいただければ、現地パートナーとの連携により、いつ頃のどんなスタイルの作品かを調べて、似たイメージで新たに制作することも可能です。幸いバリ島は村社会が現在も生きており、人が動くことがあまりないため、この様式の画家さんはどの村というように比較的容易に探すことができるのです。

バリ絵画展@表参道のオープンテラス

前日の雨もやみ、念願のオープンテラスに。

2つめは、新築やリフォームがきっかけとなって、お部屋に飾る絵を探しておられるケース。この場合、花鳥画に人気が集中しました。花鳥画コーナーを見て、「まるでアンリ・ルソーの世界ですね」とおっしゃったお客様も。確かに、深い緑は癒されます。ここで気になるのが、回りのインテリアとの調和。お部屋別のコーディネイト例を見て、イメージが湧いた方もいらっしゃったようです。この写真は11月中旬にインテリア特集として掲載しますので、ご参考になさって下さい。

どのお客様もバリ絵画を購入される行為の中に、それぞれの経緯や思いがあり、それを共有していただいた上でお手伝いすることは何よりの歓びです。そんなおつきあいが今後もできればいいなと願っています。今回の写真はFacebook pageのアルバムにも掲載しますので、FBをお使いの方は合わせてご覧下さいね。

さて、ギャラリーでの絵画展形式のイベントは次回は来年3月を予定しています。その間もできるだけバリ絵画に触れていただく場を設けます。詳細はまた改めてお伝えしますが、あるインドネシア料理のレストランとの共同イベントでミニ絵画展を予定しています。お好きな時に来店、インドネシアのコックさんが作る本場のお料理を楽しみながら、作品を見ていただけます。そして、有明ショールーム。事前にご覧になりたい作品をお知らせいただければ、ご用意してお待ちします。普段箱の中で眠っている作品たち。皆様に見て楽しんでいただけて、私も初めて「バリから持ってきた甲斐」があります。どうぞお気軽にお越し下さいませ。いずれも来週、当サイトのInformation及びブログ記事で開催要領をお知らせします。

絵画展図録プレゼント今回も図録を作りました。サイト掲載の作品が冊子形式でご覧いただけるのと、巻末に「バリ島ってこんなところ」をおつけしました。バリの歴史と人々の世界観など、トークイベントでもお話したバリ絵画を楽しむ豆知識を掲載したオリジナル版です。この図録を先着10名様にプレゼントします。「秋のバリ絵画展の図録希望」とタイトルに記載いただき、お名前、住所、電話番号、メールアドレス、当サイトへのご意見・ご感想を添えて、contact@balikaiga.comにお送り下さい。

 

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