バリアートショールーム オーナーブログ
2016.8.3

スコールにうたれて

こんにちは、坂本澄子です。
このところ大気が不安定で、あちこちで局地的な豪雨がすごいですね。気象庁のナウキャストを見ると、赤く表示された強く降っている範囲が、ごく狭い地域にピンポイントで点在しているのがよくわかります。日本列島は亜熱帯化していますね。

雨降りの朝ってちょっと憂鬱。それは同じなのか、雨降りを描いた風景画は少なく、インターネットで検索してみても、出てくるのは子供の絵日記ばかり。そんな中、雨降りも悪くないと思える風景画に出会いました。少し前に六本木のサントリー美術館で開催されていた歌川広重展でのことです。広重といえば、昔、永谷園のお茶漬けに入ってた「東海道五十三次」を一生懸命集めましたっけ。

hiroshige入ってすぐのところに展示され、大勢の人が足を止めて見入っていたのが「大橋あたけの夕立」です。滲んだようにたれ込める暗雲から降り注ぐ雨は、太さと角度を微妙に変えた2種類の線で描かれています。面刷りでシルエットだけを描いた遠景とあいまって、奥行きと共に、ザーッという音が聞こえてきそうなほどの臨場感を感じさせました。まさに今で言うゲリラ豪雨ですね。

版画ゆえの産物かも知れませんが、雨を線で表現するのは日本独特なものだそうです。浮世絵は19世紀に、輸出用の陶芸品が割れないための包み紙としてたまたま海を渡り、ヨーロッパの人々の目を引きました。特に印象派の画家に強い影響を与え、ゴッホはこの作品を模写しています。

バリ島のウィラナタは熱帯の激しい雨をモチーフに描きました。常に新しいことに挑戦するタイプの画家ですから、実に様々な題材を取り上げています。朝、昼、夕方、夜といった時間帯の違いやお天気。ひとりの静かな時間もあれば、大勢で賑やかに過ごす作品も。その幅の広さがファンを惹きつけ、1枚、また1枚とコレクションを増やしていく愉しみに繋がっているのだと思います。

今日はそんな雨の風景から3点をご紹介します。雨は白く煙った空気、風にしなる椰子の木、波立つ水田の雨紋などで表現されています。

77. 80 x 150 tak ada tempat berteduh

広重とはまた違った表現ですが、まるでその場にいるようなリアルさはさすが。部分的に明るい空は、激しく降ってカラリと晴れる熱帯特有のスコールを思わせます。

66.kehujanan 60 x 100

傘の代わりにバナナの葉で雨をしのいでいるのがバリ島らしい。

16. hujan 60 x 80 cm

何年か前にウィラナタのアトリエを訪ねたとき、急変する空の雨雲にこだわり、様々な表現上の試みをしていました。人気作家でありながら、とことん極める姿勢には心うたれるものがありました。

ウィラナタの作品は作品ページをご覧ください。ご希望のテーマで注文制作も承ります。詳しくはこちらをどうぞ。

 

2016.7.31

蓮の涼をお部屋に

こんにちは、坂本澄子です。

image1 (26)ポンビドゥーセンター傑作展の招待券をいただきました。その期限が一昨日の金曜日だったので、娘と久しぶりのデート。千代田線乃木坂駅で降りて、待ち合わせした六本木の新美術館に行くと、チケットカウンターの表示がなぜか「ルノアール展」のポスターが。あれれ??確かにルノアールもあるかも知れないけど、メインは20世紀の画家のはず。おそるおそるチケットを取り出してみると、やっぱり。会場は上野の東京都美術館でした。

スクリーンショット 2016-07-31 9.53.45やっちゃいました〜。昔からこの手の思い込みによる間違いが多く、ほんと困ったものです(汗)「ポンピドゥーセンター傑作展」の書体が、私の頭の中で新美術館のロゴと結びついてしまったようです(汗)幸い東京都美術館は金曜日は20時まで開館、「今からでも行こう」と、こんな私に慣れっこの娘が明るく言ってくれたので、もう一度千代田線へ。乗り換えて上野駅から行くよりも、一本でいける根津で降りた方が早いと判断したのですが…。

ここでも私の弱みが発揮されてしまいました。Google Mapですから目的地も自分が今いる場所もスマホの地図上に表示されているのですが、それでも迷うのが私のダメなところ。動物園の横に出る道を見逃してしまい、気がつくと不忍池。IMG_7796蓮がちょうど見頃を迎えており、ついつい写真なんかとったりして。あの広〜い上野公園の外周をぐるーっと回ってしまい、時計を見るともう19時近くになっているではないですか。結局絵はあきらめて(ポンピドゥセンター傑作展は9月22日まで開催)、今しか見れない蓮を楽しんで帰りました。

蓮って、ぽってりとしたピンクの花もいいですが、私は葉っぱも好きです。風にしなやかにしなる茎や連なる葉。同じように見えて、ひとつひとつ皆かたちが異なり、緑のなかに様々な色が溶け込んでいます。空の色、花の色、水の色。絵の場合は、そこに画家の心の色が溶け込んでいます。どこまでも続く蓮池の向こうにビル街、東京らしい風景です。

バリ島にも蓮の花がたくさん咲いており、睡蓮とあわせて、絵の題材としても人気のモチーフとなっています。今日はそんなバリ島から蓮、睡蓮の作品をご紹介します。画像をクリックするとサイズ、額装写真等の詳細情報をご覧いただけます。

まずはTIRTAさんの作品。蓮の花は早朝に開きます。そんな朝の清々しさを感じる、青みがかった葉とピンクの花弁が美しく響きあっています。

TIRTA

こちらは人気の横長サイズ。80cmx40cmの画面にどこまでも続く蓮池を表現しました。

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続いて、欧米にもファンが多い花鳥画の鬼才RAJIGさんの作品。日本では睡蓮はピンクか白ですが、熱帯のバリ島には様々な色の睡蓮が咲きます。中でも青い睡蓮はとてもエキゾチック。鮮やかな色使いが、モダンなお部屋をさらに洗練させてくれますよ。RAJIG

こちらもRAJIGさんの作品ですが、孤高の日本画家、田中一村の影響を受けていた頃のもの。和室にも合いそうです。

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夏本番、あなたのお部屋に涼やかな蓮の花をいかがですか?

2016.7.27

ニューヨークでアートな休日 グッゲンハイム美術館編

こんにちは、坂本澄子です。

NYのアートシーン、最終回は前衛アートを得意とするグッゲンハイム美術館です。

DSCF1881セントラールパークの向かい、メトロポリタン美術館から北に10分ほど歩いたところにあります。外見からしてとてもユニーク。上にいくほど広がる建築は珍しい。

展示室は真ん中の吹き抜けを取り巻くように螺旋状に設けられ、ゆるやかなスロープをのぼりながら作品を鑑賞します。高さによって視界の変化が楽しめるところも魅力。最上階(6F)の天井ぎりぎりの高さまで上ると、そこで展示は終わり。下を見下ろすとくらくらしそうな高さ、ついでにぐるぐる目も回りそうです^o^;

 

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企画展は戦前に活躍したドイツ人作家MOHOLY-NAGY展(1895-1946)をやっていました。抽象画を中心とした当時の前衛アートで、80〜90年経った今見ても、十分新しい感じがします。

キャンバスだけでなく、金属、アクリルなど様々な素材を支持体として用い、切り抜いたり、実体と影とを交錯させたり。私が一番気に入った作品はこちらです。日常と非日常が隣り合わせに存在しているみたいな、どこか不思議な感じがしませんか? 

 

 
 
美術館だけでなく、NYは街全体がどこを切り取っても絵になります。
古い建物も多く、ところどころにモダンな新しいビルが紛れている感じ。第一回のMoMAでご紹介したように、新しいものと古いものが隣り合っていても、不思議と統一感があるところは、さすがアメリカ。
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マンハッタンのミッドタウン、古き良さと新しさが同居する街

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緯度が高いため、夜の9時を回っても明るさが残る空に月がぽっかりと浮かんでいました

ギャラリーの街、チェルシーでは、廃線した鉄道の跡が遊歩道になっていました。電車は建物の中を突き抜けるように走ったいたそう。

元倉庫街のチェルシーでは、廃線した鉄道跡が遊歩道に。電車が直接建物の中を通る構造は、物資の積み下ろしによる渋滞防止にも役立ったそう。

 
この数年、ブティックホテルと呼ばれるホテルが増えています。これは古い建物をリニューアルして、ユニークなインテリアで生まれ変わらせたもの。私が今回泊まったACE HOTEL, NEW YORKも、ミッドタウンにあるそんなホテルのひとつでした。一部屋ごとに内装が異なり、次に来た時はどの部屋があたるかなと楽しみになりそうです。
 
 
2016.7.24

ニューヨークでアートな休日 MET編

こんにちは、坂本澄子です。

前回のMoMA編にコメントをいただきました。展示していない作品(Not on view)も、事前に言っておけば見せてもらえることがあるそう。そういうところ、アメリカっぽいというか、素敵だなと思いました。さて、今回は所蔵点数300万点を超える世界最大級の美術館、メトロポリタン美術館です。

あまりに広く、見どころありすぎ、結局何をみたのかわからなくなってしまった前回。確か20代後半で、アートよりもショッピングに興味があった頃。ニューヨーク出張の際に同僚たちと来て、「じゃあ、◯時にここで待ち合わせ」とロビーで別れた後は、広い館内をただあてもなく歩いてました。そんな反省を踏まえ、今回は見たいコーナーを絞りじっくり鑑賞しました。

DSCF147410時の開館前、正面出入り口には既に長い列。チケットを買って、展示室に入るまで30分近くかかりましたが、巨大な建物を2Fへ直行する途中、他の人たちは次々と展示室に吸い込まれ、フェルメールの展示室に着いた時には、他に人影もなく独り占め状態。世界に30数点しかないフェルメールの作品が5点も展示されており、30㎝の至近距離から、こころゆくまで鑑賞することができました。特別フェルメールのファンというわけではないですが、やっぱりすごい、鳥肌ものでした。

 

展示室の中にはお部屋のように内装されているところもあり、個人宅に招かれたような感覚で名画を鑑賞できました。

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シャンデリアに暖炉のゴージャスなお部屋。ソファに座ってゆったりと鑑賞できます。右の2点はエルグレコ。教会で見上げるようにして鑑賞されることを想定し、顔を細めに描いているのが特徴です

建物の中はところどころ吹き抜けになっています。天窓から燦々と差し込む自然光の下には彫刻作品が展示されていました。

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まるごと持ってきた建物のファサードや柱が至るところにあります。

展示室は500室以上ありますが、よく見ると、各部屋の上部には◯◯ギャラリーと表示があります。実は、膨大な所蔵作品の多くはコレクターから寄贈されたもの。アメリカでは美術品を寄贈すると税金から控除されるため、作品が集めやすいのです。中にはコレクターの蒐集意図が感じられるコレクションもありました。

例えば、印象派の画家ドガの作品はバレエの踊り子たちを描いた作品で有名です。一見、華やかな場面を描いているようで、実は、社会の底辺であえぐ人々を描いているんです。

踊り子のほとんどは恵まれない家庭環境に育ち、家族を助けるために、舞台で脚を上げ、エトワールをめざして稽古に励んでいます。エトワールになれれば給金も上がり、病気のお父さんを助けられ、苦労しずくめのお母さんを楽にしてあげられる、そんな一心。

踊り子の作品には、可憐な少女とはおよそ不釣り合いなオジサンがちょくちょく登場していますが、それは彼女たちを愛人に品定めしているパトロンというわけです。(注:上の絵のオジさんは舞台監督)

モデルを前に制作を行うドガは、そんな踊り子たちのひとり、14歳の少女に様々なポーズをとってもらいスケッチを行いました。それをもとに蝋のフィギュアを何体も作ったほど、しなやかな身体の動きを精緻に再現しようとしました。のちにブロンズに鋳造された10数㎝ほどの小さな彫刻が展示室にもずらりと並んでいました。また、半ば娼婦に身を落とし客待ちをする姿をパステルで描いた連作も多く展示されています。

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ブロンズですが、後ろに束ねた髪の毛にはリボンが。また、シフォンのバレエスカートを履いています。制作当時はまつ毛まであったそう。

伝統的な絵画技法を重んじる官展の前で印象派は異端だった時代。芸術の世界で懸命に闘っていたドガは、恵まれないながらも懸命に生きる少女の姿に、魂に共振する何かを感じたのでしょう。よく絵画は時代を映すといいますが、コレクターもそんな背景を捉え、作品を集めていったのかも知れません。

ところで、MoMAもそうでしたが、エアコン寒すぎ。これって何とかならないものでしょうかね^o^;

2016.7.20

ニューヨークでアートな休日 MoMA編

こんにちは、坂本澄子です。

先日、4日間ほどニューヨークに行ってきました。The Dreamきっかけは1枚の絵。以前このブログでもご紹介した原田マハさんの「楽園のキャンバス」に登場するアンリ・ルソーの『夢』。どうしても本物が見たくて、いてもたってもいられなくなりました。ルソーは南のジャングルをモチーフにした作品を20点以上手がけていますが、私をバリ絵画へと導いてくれたのは、これらの作品だったのです。

思い立ったが吉日でニューヨーク行きを決めたものの、なんと、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に『夢』はなかったのです。どこかに貸し出し中だったのか、隅から隅まで見て歩きましたが、ついにご対面はならず。とても残念でしたが、MoMAには他にもすばらしい作品がたくさんあり、アドレナリン出っ放し。建物全体がアートな空間になっており、どこを切り取っても絵になるのはさすがです。

6階のカフェのテラスから。彫刻作品が展示された中庭越しに、ワークショープなどが行われる向かいの棟を臨む。モダンな建物のすぐ横には、古い建物が同居するNYらしい光景

今度は中庭に出てMoMAの建物を見上げてみました。ガラス張りの壁に街並みが映り、バラのオブジェが咲き誇っていました。

中庭から。ガラス越しに見るロビー、映った空と街並み、手前に咲くバラのオブジェ。3つの層が溶け合った不思議な光景が楽しめます。

ルソー作品は『眠るジプシー女』を見ることができました。シンプルな構図ですが、引き込まれます。フラッシュなしなら、写真もOK

ルソー作品は『眠るジプシー女』がありました。シンプルな構図ですが、引き込まれます。フラッシュなしなら、写真もOK

建物は中心が最上階まで吹き抜けになっています。ところどころに切り取られた隙間から見える風景は、異次元を覗いている感じ

建物は中心が最上階まで吹き抜けになっています。ところどころに切り取られた窓から見える風景は、異次元を覗いている感じ

フラッシュを使わなければ写真もOK。展示室の外れにこんな名画が。アンドリュー・ワイエスの『クリスティーナの世界』

展示室を出た外れにもこんな名画が。アンドリュー・ワイエスの『クリスティーナの世界』。

1997年以来、20年ぶりの再訪。クイーンズに一時移転しての全面建て直しを経て、前回とはまた違った顔を見せてもらいました。今度こそ『夢』を見に、また来よっとw

次回はメトロポリタン美術館から。

<関連ページ>

緑にいだかれるバリ絵画の作品

2016.7.13

家族の肖像

こんにちは、坂本澄子です。

毎日暑いですね。先日、陽炎が立ち上る猛暑の中、横浜美術館で開催中の、印象派の女流画家、メアリー・カサットの30年ぶりとなる回顧展を見に行ってきました。

1844年、ペンシルベニア生まれのアメリカ人。裕福な家庭に生まれ育った彼女は、反対する両親を説得し、21歳のときに画家を目指して渡仏。エコール・デ・ボザール(パリの芸術大学)がまだ女性の入学を認めていなかった時代にあって、外国人かつ女性という二重のハンデを乗り越え、職業画家としての道を切り拓いた女性です。

今回初来日した『桟敷席にて』は、そんな凛とした画家の性格が窺える作品です。

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『母の愛撫』

一方、メアリーは母子像を描いた、優しい作品をたくさん残しているんです。母と子の一瞬の表情を実によく捉えており、そうそう、子供ってよくこういうことするよねと、私も昔娘にほっぺたを引っ張られたことを思い出しました。子供を抱く母の腕は、弾けるような生命力を受け止める優しさと強さに溢れていました。そんな画家を見込んで、家族の肖像画を依頼する人も多かったそう。こんなふうに描いてもらえたらステキですよね〜。

 

同じように温かな眼差しを母と子に向ける画家がバリ島にいます。イ・ワヤン・バワ・アンタラ、二児の父親でもある彼は、妻と子供をモデルに多くの作品を描いてきました。砂を下地に混ぜることで、光を吸収してふんわりとした立体感を出す独特の手法が生きています。

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見ているだけでやさしい気持ちになれる、まさにそんな作品。お子様とのいまの思い出を絵に残し、将来独立されるときや嫁がれるときにプレゼント、なんて、絶対ステキです。スナップ写真をお送りいただければ、サイズや構図などもご相談に応じます。お問い合わせはこちらからどうぞ。

ちなみに、私も以前、自分自身のポートレートを木炭画で描いてもらったことがあるのですが、実物より若く描いてもらえて大満足でしたw

2016.7.6

那須で緑の休日

こんにちは、坂本澄子です。

先週のブログでLABA氏の絵をご紹介したら、無性に夏の里山が見たくなり、ドライブがてら那須に行ってきました。数年前、大好きな写真家の澤野新一朗さんが月の写真展を開催された石の美術館に行って以来、那須は私のお気に入りリストにランクイン。御用邸もある関東の伝統的な避暑地、洗練された軽井沢とはまた違った魅力に溢れています。

朝家を出てから車を走らせること2時間半。

IMG_7579まずは、いつも立ち寄るダイニング・カフェ「ボリジ」でひとやすみ。窓際のテーブルは雑木林に面しており、溶け込んでしまいそうなほど、一面の緑に溢れています。丁寧に入れられたハーブティと自家製スイーツをいただくと、もう至福の時間。

このお店のこだわりはアンティークの家具。使いこんで飴色になった皮や木製の椅子は、テーブルごとに違うものが置かれています。異なる個性を組み合わせて統一感を生み出すセンスはさすが。異国で集めたオブジェとも美しく響きあっていました。

休日を楽しむ心の準備ができたら、次は昭和天皇もよく訪れられたという沼ツ原湿原へ。湿原までの山道を含めて、往復一時間の遊歩道がちょうどいいお散歩コース。ニッコウキスゲや湿原ならではの珍しい季節の花を楽しみながら、たっぷり自然と対話できます。

forest of karamatsu遊歩道の中程を過ぎると、戦後の木材不足を補うために植樹されたカラマツ林に。雰囲気の違う2つの風景が楽しめるので、何だか得した気分です。私が行ったときには、湿地帯を覆うように靄がかかっており、ご覧の通り、ちょっぴり幻想的な雰囲気を醸していました。

林の中には独特の緑の薫りが漂っています。これはフィトンチットと言って、有害な微生物を寄せ付けないために木々が分泌している化学物質。健康促進やストレス解消にも効果があるそうですよ。

湿原を出たところで、かわいい赤ちゃんを連れた野生のサルに出会いました。クマも出るそうなので、そちらは要注意^o^;

こうして那須で自然を満喫した後、悩ましいのが帰りの高速渋滞。回避しようとあるとき下道に降りたら、偶然、日帰り温泉を見つけました。杉戸温泉・雅楽の湯(うたのゆ)です。

コンコンと湧き出る46℃のお湯をそのまま使った正真正銘の源泉掛け流し。内湯から出ると広いお庭。そこに、2つの岩風呂、ひとりでゆっくり寛げるつぼ湯、木々がそよぐ空を見上げる寝湯、そして、汗がじわ〜っと出てデトックス効果の炭酸風呂が配置されています。岩盤浴も温度の異なる3つのスペースがあり、女性専用コーナーもあるのでひとりで行っても大丈夫。

さらに嬉しいのは、地元のお野菜をたっぷりいただけるビュッフェ。フリードリンクも充実しており、今回のお気に入りはきゅうりとマンゴのスムージー。宮崎の郷土料理「ひや汁」もあり、汗をかいたあとの水分補給もバッチリ。

これから本格的な暑さを迎え、最近ちょっと夏バテぎみ…と思ったら、こんな休日の過ごし方はいかがですか?

2016.7.2

夏の風物詩

こんにちは、坂本澄子です。

雨も上がり、おひさまが顔を見せてくれました。梅雨明けもそろそろでしょうか。昼間は蒸しましたが、夕方からいい風が吹いてきたので、ケンを連れてお散歩に行ってきました。

うちの近所はオリンピック施設の建設予定地で空き地になっているところが多く、草刈りをしても追いつかないほど、たくましい夏の雑草たちにしっかりと覆われています。そこは虫たちの住処。夜になると、澄んだ鳴き声がサラウンドで聴こえてきます。

先日、ラジオを聴いていたら、井上陽水さんの『少年時代』が流れて、今年も夏が来たんだなと感じました。遠い夏の日を懐かしんで綴られた言葉の数々。美しいメロディとともに染み渡っていきました。

日本の夏の風物詩と言えば、

簾の向こうの朝顔

蝉の鳴く声と麦わら帽子

おひさまと向日葵

稲の青い匂いと温んだ水の音

スイカと蚊取り線香 …

言葉が共鳴し合って、情景が次々と呼び起こされていきます。

LABA氏の『少年たちの情景』を見たときにも、同じような懐かしい風が心の中を吹いていきました。遠く離れた島どうしなのに、根っこの部分ではどこか共通することが多いと感じるバリ島です。

ブログ167_少年たちの情景

『少年たちの情景』LABA 75cmx55cm アクリル/キャンバス 160,000円

今年も夏がきた。そんなちょっぴりワクワクした気持ちを、この絵とともに感じてみませんか?ご注文後、3日でお届けします。作品詳細はこちらをどうぞ。

2016.6.26

擬人化された動物たち

こんにちは、坂本澄子です。

もう随分前ですがが、大島弓子さんの漫画作品で、『綿の国星』という猫を擬人化したお話がありました。『LaLa』(白泉社)1978年5月号から1987年3月号に不定期連載

watan4_l雨の日に諏訪野家に拾われたチビ猫(雌の白い子猫)が主人公で、いつか人間になれると信じているので、右の画像のような、人間の姿をして登場します。チビ猫の目を通して見た諏訪野家の人々、それを取り巻く人間社会、猫社会は、ユニークな視点で描かれ、時折顔を出す非日常は幻想的ですらあります。

私はこのお話と絵が大好きで、高校から大学にかけて繰り返し読み、今でもたまに思い出しては本棚から取り出しています。調べてみたら、今もちゃんと本屋さんで売っているのですね。

 

バリ島では擬人化された動物たちを多く見かけます。ウブドの観光スポットとして、きっと一度は行かれたことがあるモンキーフォレスト、ここには石を削って作られた様々な動物たちが園内に配置されています。苔むして、今にも動き出すのではないかと思うほどリアルなものも、その顔を覗き込んでみるとなんとも愛らしい。

バリ絵画では真っ先に思い浮かぶのがLABA氏。豹やリス、インコ、フクロウなどを題材に描き続け、68歳の今なお現役の画家です。同じ動物でも、それぞれ表情が違うのが毎回楽しみ。どれも好奇心いっぱいの目が特徴ですが、時にシャイであり、時には甘えん坊であったり、それぞれの性格があらわれているのをぜひご覧になってみてください。LABA作品はこちらです。

私のイチオシはこちら。一張羅の衣装に身を包み、ちょっぴり得意げなインコがなんともかわいい。緑のしっとりとした空気感があり、お部屋に飾ると、いながらにしてバリを感じることができます。こちらの作品、写真の2つの額縁からお好きな方をお選びいただけます。詳しくは作品ページをどうぞ。

RP010-02 RP010-01

 

2016.6.22

新作情報:ウィラナタ

こんにちは、坂本澄子です。

飯田橋にある東京メトロの忘れ物センターへ行ってきました。またまた、忘れ物大王です。東京メトロでの忘れ物はすべてここに集まるとあって10人待ちでしたが、3人の係員の方がテキパキと応対されてました。見ているといろんな忘れ物があります。私の前のお兄さんなんて、三味線。

私がホームのベンチに忘れたのはスケッチブックでした。あまり白紙ページは残っていなかったし、作品の構想をまとめるための下書きが大半ですから、いつもなら諦めるところですが、最後の方に家族の似顔絵を描いていたのです。小さくても私にとっては大切なもの驚いたのは、東京メトロ区間の往復の切符代を出してくれること。こちらの不注意でご迷惑をかけたのに。大事に預かってもらえて本当に感謝感謝です。

 

さて、もうすぐ夏。夏といえば夜。ということで、前回は幻想的な風景画に定評がある人気作家ウィラナタの「満月の夜に」をご紹介しました。満月の夜の祭礼という、同じテーマでありながら、雰囲気の異なる新作ができました。

20160619_80x60

「Fullmoon Galungan」Wiranata 90x60cm 油彩画

この絵のおもしろさは何といっても、見上げるほどのガジュマルの大樹です。バリ島の寺院には必ず大きな木があり、精霊を宿すと言われ大切にされていますが、このガジュマルは空中に垂れ下がった気根が独特な形を作り出し、ランプの光がそれを幻想的に浮かび上がらせています。

世界中のコレクターが新作を待つ、人気作家ウィラナタ。この作品も既に売約済みですが、ご注文制作を承ります。また、「バリアートショールーム」にはウィラナタ作品の在庫が2点ありますので、繊細で幻想的なタッチをぜひ実物でお確かめになってください。

お問い合わせはこちらからどうぞ。

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