夜の魔力に引き込まれて
こんにちは、坂本澄子です。
今週も広島の実家に戻っています。今回は意外な出迎えを受けました。湿気を含んだ夜気に乗って漂ってきたのは、甘く薫り立つクチナシの花です。実家の塀の上に浮かび上がるように、真っ白な花をたくさんつけていました。
「この木、前からここにあった?」
思わずそう尋ねると、私が子供の頃からそこにあったけれど、毎年夏が来る前に植木屋さんが短く刈り込んでしまっていたのだと母。花が咲く前にもったいないとご近所の方に勧められて、数年前からつぼみを残してもらうようにしたのだそう。
そういえば、帰省するのはいつもお盆とお正月。6月に帰ることなんてなかったから気がつかなかったのですね。灯りに照らされて白く浮かび上がる姿は、清楚な外見とは裏腹に妖艶な美魔女のようでもありましたw
夜の持つ魔力に魅せられたのか、無性に会いたくなったのが、ウィラナタの『満月の夜』です。もうすぐ夏がやってくるという今の季節にぴったりの作品です。
湿った草の匂い
椰子の葉がサラサラとそよぐ音
蛙や虫たちが啼く声
ランプの暖かな光
これから始まる厳かな祈り
それらが美しく調和した世界が、額縁に切り取られた窓の向こうに広がっています。
60cmx80cm、オーク材のアンティーク調額縁に入れてお届けします。横に立つとこのくらい、しっかりとした存在感のある作品です。詳細はこちらをどうぞ。
ちょっと手を加えるだけで
こんにちは、坂本澄子です。
ご注文制作でソキさんに描いてもらった『バリ島』が完成し、先日お客様に発送しました。梅雨のモヤモヤ気分を吹き飛ばしてくれる、あかるーい、エネルギーいっぱいの作品に仕上がりました。
ソキさんの人気作品『バリ島』、これまで幾度も見てきましたが、本当に一点一点違うのです。今回の作品は海と空の青さがとてもシャープで、陸地が海から浮き上がるような勢いがありました。さすが肉筆ならではの迫力、元気をたっぷりいただきました!
さて、このところ傘の出番が増えてきました。やはり、梅雨ですものね。ところが…、何をかくそう、私は忘れ物の大名人。傘なんて、いったいどれだけなくしたことか^o^; だから、いつも傘はビニール傘と決めているのです。電車で扉の上にあるモニターを見ていたら、そんな私にぴったりのCMをやっていました。
取っ手にマスキングテープを巻いてニスでコーティングするだけで、傘立てでひとめで自分の傘だとわかるし、ビニール部分に油性のカラーペンでお絵描きすれば、雨の日もお出かけも気分は明るくなります♬ ちょっと手を加えるだけで、モノに対する思い入れはぐっと強くなりますよね。忘れん坊さんのあなたもぜひ試してみては。私もさっそくやってみます。
自分ならではの何かによって、思い入れがぐっと深くなる。これは絵にも同じことが言えます。思い出の場所や大切な物を描いてもらったり、自分自身や大切な人を描いてもらえば、それはもう間違いなく「ただの絵以上の存在」になります。
冒頭ご紹介したソキさんの「バリ島」も、あなただけのカストマイズが可能なんですよ。例えば、『バリ島』に一番好きな場所を描き込んでもらう。自分自身を描き加えてもらうなんてリクエストも、ソキさんなら喜んで叶えてくれます。
そんな特別な一枚をオーダーしてみませんか。詳しくはこちらをどうぞ。
生活に息づく模様たち②
こんにちは、坂本澄子です。
生活に息づく模様たち②は、バリで見つけた模様をご紹介します。
棚田の景観で有名なジャティルイから戻る途中、ウブド郊外のとある民家で見つけた模様です。
日本のブロック塀にもところどころにこういった透かし模様がありますが、バリ島で見つけたそれは、青銅色をしたタイルで、花びらのような模様がレンガの壁によく似合っていました。
お次はウブドのジャラン・カジェンで見かけた民家の門です。民家の門の上部には、必ずと言っていいほど、目をクリッと見開き、口をガッと開けた像が彫り込まれています。これはボマという魔除けの神様。よく見ると、上の写真の塀の上にも、ボマがちゃんといるのですよ。どこかわかりますか?
バリ島の門は狭く、入ると悪霊よけについたてのような壁があります。通りから見ると、ちょうど目隠しになっていて、石を掘って作った模様が幾重にも重なった美しい門の向こうにどんな風景が広がっているのだろうと、想像をするのも楽しい。
間違って入ってくる観光客がいるのでしょうね。柱に「PRIVATE」と注意書きがしてありました。
最後にご紹介するのは、バリの先住民と言われるトゥンガナン村に伝わる伝統的な織物、グリンシンです。「かすり」模様の一種ですが、縦糸だけでなく横糸もあらかじめ染めてから、2つの糸の位置を合わせながら模様に織り上げていく珍しいもの。複雑な作業を繰り返し、何年もかけてようやく完成する貴重な織物です。
グリン(病気),シン(なし)、無病息災を意味する魔除けとして、舞踊の衣装などに使われており、その幾何学的な模様には意味があるのだそうです。
真ん中の菱形のような文様は,村の四方にある門を表し,その四方位には村を守るサソリが描かれています。他にも、花,果実,馬,犬、寺院,家,星,影絵人形などが見られ,四角形でグラフ用紙のマス目を埋めたような形で構成されています。
こんな伝統的な模様を絵画の中に忠実に再現しているのが、画家のアンタラ氏。背景には彫刻などにもよく用いられるバリ島の草や花の模様が描かれています
下地に砂を混ぜて作る絵肌が光の効果を作り出し、人物がふんわりと浮かび上がって見えますよ。
絵を通じて、バリの伝統や自然と共存する生活を伝えていきたいと、画家としてのチャレンジを続けるアンタラ氏の特集ページはこちらをどうぞ。
生活に息づく模様たち①
こんにちは、坂本澄子です。
今年はどうも空梅雨になりそうですね。どんよりと垂れ込めた雲を見ると、
最近、日々の生活の中で見かける模様が気になってます。
一方、2階、3階(サンルームがあります)の家族のためのスペースは、宮内庁内匠寮の職人たちが担当しました。
窓枠やラジエーター(暖房器具)カバーなど、部屋ごとに異なる模様が施され、妃殿下みずからデザインされたラジエーターカバー、金平糖みたいなかわいい形のランプシェード、さらには排水溝の蓋金具に至るまで、「あら、こんなところにも」なんて、新鮮な発見が次々とあります。
個人のお宅に招かれたような感じで、アート鑑賞できるのもこの美術館ならでは。7月5日まで「メディチ家の至宝展」をやっています。メディチ家の栄枯盛衰の歴史を紐解きながら、肖像画や宝飾品を間近に鑑賞できます。ランチは新館の緑いっぱいのテラスで、そしてアートを楽しんだ後はすぐお隣の自然教育園の散策がオススメ。梅雨の合間をまいっぱい楽しめますよ!
次回はバリ島で見つけた素敵な模様をご紹介します。
アンモナイトの夢
こんにちは、坂本澄子です。
バリ絵画を扱いながら、私自身も絵を描いていることについて、お客様から励ましのメッセージをいただいたり、展覧会を見に来ていただけることもあり、いつも嬉しく思っています。そこで、今日から開催の二科東京支部展のご案内をさせていただきます。
秋の二科展に先立ち、東京支部所属の作家たちの展覧会ですが、会員・会友の作品から公募で選ばれた若い作家さんの作品まで、毎年100点を超える展示で賑わいます。詳しくはこちらをご覧ください。
今回、私が描いたのはこちら、『アンモナイトの夢』という50号の作品。
ある日、インターネットで調べ物をしていたら、ちょっとしたキーの打ち間違いから、とても美しい石の結晶や化石の写真に出会うことができました。人間が生まれるずっと前、数億年という気が遠くなるような時間を経て掘り出されたアンモナイトの化石に、なぜか釘付けになってしまったのです。
いつも大地に心惹かれます。東京に住んでいると土を見ること自体が珍しいですが、硬いアスファルトの隙間から押し出されるように生えている雑草を見ると、覆い尽くされた地面の下に確かに存在する大きな力を感じます。
アンモナイトが棲んでいた海の底が隆起して地表に押し上げられ、様々な地殻変動を経験した長い時間、彼女はいったいどんな光景をみてきたのだろうかと想像してみました。海の底から見上げた明るい海面、大地、そして満点の星空。そんなものが頭の中に浮かんでは消え、いつしかアンモナイトに同化していました。
ところで、私がバリ島を好きな理由もちょっと似ています。自然と人が共存している…というよりも、大きな自然の中に人間が紛れて生活している、そんな感じです。以前、ガムラン奏者の櫻田素子さんも同じようなことを言われたことがありました。大編成のガムラン楽隊はゴーっと地面を揺るがす風の音、竹のリンディックはピチピチと地面が弾むような音。そんなふうに地面に近く生活し、互いに呼応するのだそうです。
地面に手をあててその息遣いを感じてみたくなる、そんな作品に仕上がっていたらいいなあと思います。
最近読んだ本から
こんにちは、坂本澄子です。
ごめんなさい、10日もご無沙汰してしまいました。
実は広島の実家に帰っておりました。滅多に電話をかけてくることのない母から、突然弱った声で、「ふたりとも具合が悪くて…」と連絡があり、さすがに慌てました。その日は朝から出かけていたのですが、着替えも仕事の道具も持たず、そのまま東京駅へ直行、新幹線に飛び乗りました。
おかげさまでそれほど深刻な状態ではなかったのですが、両親とも結構な高齢、父が骨折をして自分では何もできなくなったことに端を発し、負担のかかった母もついにダウン。ほんの数ヶ月前の元気な姿は見る影もなく、親が年をとるということはこういうことなのかと、じわじわ来た次第です。
大学から親元を離れたので、一緒に暮らしていた時間は短く、「便りがないのはよい知らせ」といやみを言われるくらい、淡々とした親子関係だったと思います。これからはもう少し一緒にいる時間を増やすようにという、神様からのメッセージなのかも知れませんね。皆様もどうかご両親を大切になさってください。
いろいろ大変でしたが、いいこともありました。病院の待ち時間、行き帰りの新幹線で、かなり本が読めました。
特に面白かったのが、原田マハさんの『#9 ナンバーナイン』、上海を舞台にした大人の恋愛小説です。かつてMoMA(ニューヨーク近代美術館)に勤務し、キュレーターでもある原田さん。モダンアートの取引に関わる舞台裏が丁寧に描かれています。中国奥地の寒村に生まれた画家が描いた、心に染み渡る風景は、ウィラナタの棚田の風景を思わせました。「#9」というタイトルの意味は何か、急展開していくストーリーは、終わりに近づくほど、2行一緒に読んでももどかしいくらい。アート好きなあなたにオススメですよ〜。
帰りの新幹線に乗る前に、駅の本屋さんの新刊コーナーでパッと手に取ったのが、村上春樹さんの『村上ラジオ3』。随分昔にイラストレーターの安西水丸さんとコラボされた、『ランゲルハンス島の午後』という絵本がありましたが、この『村上ラジオ』も洗練された文章と素朴なイラストがいい感じで絡み合っています。2000年3月からアンアンで連載されたエッセイが単行本化されたシリーズ第三弾。アンアンの読者=若い女性と村上春樹さんって、なんだかあまり結びつきませんが、余計な雑念がない分、自由に書きたいことが書けたとご本人談。何気ない日常(といっても、多くは海外が舞台なのでオシャレなのは羨ましい限り)の光景が独自の視点で描かれています。
あなたは最近どんな本を読まれましたか?
作品にこめられた物語
こんにちは、坂本澄子です。
注文制作の愉しみ、第二回は芸術家らしい画家のご紹介です。ウィラナタ。次々と注文が入り、手元に作品が残らないと嘆いている、なんとも羨ましい売れっ子作家です。
独特な世界を持ち、そのいさぎよさは時に気難しい印象を与えることもあります。それでも、彼の作品に対する考えや思いの深さを知ると思わず納得してしまう、それがウィラナタの魅力なのです。
あるお客様からのご注文制作でこんなことがありました。満月をテーマにした作品です。
お客様は真夜中に近い暗い風景をイメージされており、完成間近にお送りした写真をご覧になって、月の明るさが少し気になられたようでした。
「ウィラナタさんの考えを訊いてみてもらえませんか」
すぐに連絡を取りました。そしてわかったのが、ウィラナタは満月の風景を誰よりもよく知っているということでした。
日没とともに湖に出かけては夜通し釣りをするのが何よりも好きな風流人。放っておけば何日も続けて出かけ、そのうち家族から苦情が出るほど。だから、時間とともに移ろう空はもちろん、水に映った月や茂みに潜む虫たちの気配など、どれも実際の風景から五感を通じて感じ取ったものなのです。
さらに、心象風景画として、物語と情景描写が一致しているのも彼の作品の特徴です。この作品は、日没間もない8時頃、仕事を終えた父と子が空に明るさが残る畦道を帰る場面だと説明してくれました。改めて作品を見てみると、神々しいばかりの月の青い光に対して、手前のランプの光に親子の関係になんとも言えない温かさを感じました。
「だから、この空の色は自分としてはパーフェクトだと思っている。逆にそれを変えてしまうと、作品全体のコンセプトが壊れてしまうんだ」
こんなやりとりを通じて画家の思いを知り、完成した作品にさらに愛着を感じていただいたできごとでした。こんな経験も注文制作ならではの醍醐味、次はぜひ真夜中の満月をテーマにいかがでしょうか。
「第9回バリアートサロン」5月29日(日)11−12時@東京・有明はこういったご注文制作の実例をいくつもご紹介しながら、世界でただ一つの作品ができあがっていく愉しみをお伝えしたいと思います。詳しくはこちらをどうぞ。
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画家と作りあげた至福の時間 - アンタラ
こんにちは、坂本澄子です。
画家にはいろんなタイプがいます。自分の作風を守り、深みを増していく画家、新しいものにチャレンジし続ける画家。画家としての持ち味はもちろん、人となりに触れられるのは、依頼して描いてもらうときなんです。そこで、3回にわたって、注文制作を通じて感じた、3人の画家のそれぞれの魅力をお伝えしたいと思います。
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一昨年の秋のバリ絵画展で展示した「黄色い絵」を覚えておられるでしょうか。あの作品を描いてもらうまで、アンタラさん=人物画という印象がありました。人物を描くことを通じて、バリの伝統のすばらしさを伝えたいというのが、彼の制作に対する思いでしたから。ところが、その少し前、アトリエをウブド郊外に移した頃から、絵が変わってきました。こんなに風景画もうまい人だったんだと、正直驚いたくらいなのです。
海を描いても、田園風景を描いても、細かい描写にも決して手を抜くことがなく、ひとつの絵にとことん向き合う、忍耐強く静かな情熱は、アンタラさんの人柄そのものでした。そして、絵が完成に近づいたある日、私はひとつの相談をしたのです。
「背景に川や木立を加えてみてはどうでしょうか」
空に溶け込んでいくようにまっすぐに続く田園風景は幻想的ですらあり、素晴らしいと感じました。しかし、その一方で、日本人のお客様を考えたとき、背景に変化がある方が好まれると思ったのです。
私の提案をアンタラさんは快く受け止めてくれました。買い手に求められてこそ、仕事として成り立つ。自分のスタイルを持ちながらも決してひとりよがりにならない、プロとしての意識の高さを感じた瞬間でした。
そして出来上がったのが、絵画展で見ていただいたこちらの作品だったというわけです。
絵画展では堂々の看板作品になってくれましたが、会期中に販売することは叶いませんでした。アジアのコレクターたちが新作を待つ人気画家ですから、すぐにこの作品にも引き合いがきて、バリアートショールームで買い取るか、お返しするかの選択を迫られることとなりました。
結局、大きさを必要とするこの作品は、お客様のお部屋に合わせてご注文制作を受ける方がよいと考え、作品を手放しました。しかし、アンタラさんと率直な意見を交わしながら、ひとつの作品を一緒に作り上げたという充実感と画家への信頼は、今日に至るまで色褪せていません。今度はその時間をお客様とご一緒に味わいたいと、恋い焦がれる毎日です。
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「第9回バリアートサロン」ではこんな実例を交えながら、ご注文制作の楽しみをお伝えします。5月29日(日)11:00〜12:00@有明サロン、申込みしてくださった方に詳細のご案内をお送りします。お申込みはこちらからどうぞ。
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アンタラ氏のアトリエ youtubeで公開中
ご注文制作の流れ ご注文から完成まで
第9回バリアートサロン 「注文制作を成功させるコツ」
こんにちは、坂本澄子です。
一般の住宅に対して、注文制作を手がけるようになったのは印象派の画家がはじまりと言われています。それまで、絵画のパトロンは教会や貴族だったのですが、市民革命と
住宅が密集したパリ市街は薄暗い住居が多く、シャンデリアや鏡を使って、部屋に光を取り込む工夫がなされていましたが、イーゼルを戸外に持ち出し、目に映る感じるままの風景をキャンバスに写し取った印象派の作品は、明るい陽だまりのような空間を作り出したというわけなんです。
「バリアートショールーム」もご注文制作によって、世界でただひとつ、あなただけの絵作りのお手伝いをしています。制作段階から関わることで、作品に対する思いが何倍にもふくらむ一方で、実際の絵を見て購入するのと違い、どのようなものができあがってくるのか…、ご不安もありますよね。
そこで、「第9回バリアートサロン」は、これまでお客様からご依頼いただいた注文制作の中から、よくある7つの実例をご紹介したいと思います。
画家は、ソキ、ウィラナタ、ラジック、ラバ、ガマ、アンタラ。バリの伝統的なモチーフから、花鳥画、風景画、そして、過去の作品を参考にしたものから、お客様のイメージを形にした全く新しい作品までさまざまな事例ができました。
そういったお手伝いをすることができたのは、「バリアートショールーム」自身、既にある作品を仕入れるだけでなく、画家と直接やりとりをしながら制作を依頼し、できあがった作品を日本で紹介するという経験を、少しづつ重ねてきたからではないかと思っています。私の勉強不足で画家に迷惑をかけてしまったこともありました。そんな中で学んできたものをお伝えできればと考えています。
バリ絵画のいいところは、資産家でなくても手が届くところです。いつかは注文制作をとお考えの方は、ぜひこの機会に参加してみませんか。少人数の気軽な集まりです。
「第9回バリアートサロン 注文制作の実例とイメージを形にするコツ」
場 所:バリアートショールーム 有明サロン
東京都江東区有明1丁目2−11
ゆりかもめ「有明テニスの森」駅 徒歩7分
りんかい線「国際展示場」駅 徒歩16分
日 時:5月29日(日)11:00〜12:00
展 示:風景画, 花鳥画, 風俗画から、注文制作をお受けした画家の作品を中心に
事前登録制につき、お申込みはこちらから。お待ちしています!
ご注文制作についての詳細はこちらのページもどうぞ。
バリ島の昔話から
こんにちは、坂本澄子です。
ある方から、こんなバリ島の昔話を教えていただきました。
昔、バリのジャングルに、ゲッコー(トッケイヤモリ)
ある晩、ゲッコーは、
そこで翌日、王さまがホタルに訳を聞きに行くと、ホタルは、
そこで、王さまは今度はキツツキに訳を聞きに行きました。
キツツキは、
その後、王さまは、ふんころがし、水牛、と訳を聞きに行き、
雨と話をするために、バトゥール山に登った王さまは、
山を降りた王さまは、文句を言っていた動物たちを集め、
こうして、今のバリがあるのです。
*****
最後のくだりを読んで、いかにもバリらしいいいお話だと思いました。
バトゥール山はバリ島の北東部にある標高1,717mの活火山です。キンタマーニ高原と言った方が聞き覚えがあるかも知れませんね^o^; 噴火でできたカルデラ湖のバトゥール湖を眼下に眺める景色は、ご存知バリ島の観光名所のひとつとなっています。
バリ島では北部の山岳地帯に降った雨が地下水となり、南部の平野部に湧き出ています。その水を公平に各田んぼに分配する仕組みをスバックと言い、もう1000年以上前から続く水利組合です。これがあるおかげで、バリ島では古来水をめぐる争いはほとんどなく、豊かな水と肥沃な大地は多くの恵みをもたらしてきました。
このお話はそんなバリの素朴な暮らしを表現しているように思いました。
ところで、バリの暮らしを題材に絵を描く画家は多くいますが、バリ絵画の伝統技法を踏襲しながら、独自の作風を確立し、多くのファンをひきつけているといえば、やはりアリミニでしょう。
こちら、『ハヌマンの誕生』もヒンドゥ神話の場面とバリの暮らしが融合され描かれています。青く清らかな水が、山々に降り注ぐ恵みの雨を思い出せてくれますね。
アリミニの原画のご購入はこちらからどうぞ。