#SS0006
世界に繋がる窓
独立して1年経った頃、行き詰まりを感じ始めました。何かしなくてはいられないような焦燥感からか、毎朝夜明け前に目が覚めるのです。孤独な気持ちを抱えて窓の外を見ると、まだ薄暗い空の下で既に1日の営みを始めた人たちがいました。高速を走るトラック、犬の散歩をする人。私の小さな事業も幾人もの人たちに支えられており、いつの日か自分に返ってくる。そう考えると随分慰められ、そして勇気をもらいました。この絵はその頃の自分を思い出しながら描いた作品です。
- 技法:Mixed Media
- 絵サイズ H×W:F80(112x145cm)
- 額サイズ H×W:別途
- 販売価格:500,000円
#SS0027
水の惑星〜月の世界へ
2018年は宇宙の中の地球をイメージして描いています。大きな作品をいくつか仕上げた後で、同じテーマをこれまでとは違った色使いで描いてみようと思い、グレーをかけた夜の風景に、月と東京タワーの存在を際立たせました。
左上の宙に浮かんでいるのは、宇宙ステーション。映画『2001年宇宙の旅』に登場した、回転するステーションを覚えておらえる方も多いのでは。音のない宇宙を象徴するかのように、『美しく青きドナウ』が流れる宇宙飛行のシーンがとても印象的でした。
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:53x45cm
- 額サイズ H×W:60x52cm
- 販売価格:200,000円
#SS0034
揺れる水面
蓮はどこを見ても飽きない、おもしろい植物だと思います。
最初は大輪の花に惹かれましたが、あるとき、風に揺らいだ葉っぱの重みで茎が大きくしなり、そのしなやかな動きに目を奪われました。それ以来、葉っぱをなんとかうまく描けるようになりたくて、上野にスケッチに通いました。
最近は水面に映る葉影に興味が移っています。蓮の茎は長いので、一見しただけでは、どれがどの葉っぱの影なのかわかりません。ひとつひとつ辿っていくと、意外に離れた場所に影ができることがわかりました。
この作品は、水面に映った月が風に揺らいで、踊るように見えたところを描いたものです。
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:F0 (18x14cm)
- 額サイズ H×W:32x22cm
- 販売価格:30,000円
#SS0035
彩 - いろどり
これは海辺の公園で出会った、葉っぱの実際の色です。冬枯れの景色の中にあって、思わず目を奪われました。よく観察すると、葉の裏側は白く、表からは白く縁取られているように見えます。
その時の記憶を、日本の古典色を使用して再現してみました。
キャンバスのサイドも着色していますので、そのまま飾ることもできます。
These are the real colors of leaves, which attracted me in the winter colorless landscape. Carefully looking, I found the leaves looked like being edged with white because of white back side. I imitated the snappy coloring in this painting with Japanese traditional colors.
Can be shipped abroad with the extra charge. Please contact us at contact@balikaiga.com about the details.
- 技法:アクリル/キャンバス Acrylics on canvas
- 絵サイズ H×W:F0 (18x14cm)
- 額サイズ H×W:別途 - Not framed
- 販売価格:30,000円
#SS0036
扉の向こうに
バリ島の伝統的な建物では、外と内側をつなぐ扉に観音開きの扉が使われていることが多く、美しい彫刻や豊かな色彩で装飾をほどこされているものをよく見かけました。
こんなふうに半分だけ開かれていることが多く、その思わせぶりな風情に、思わず「この奥はどうなっているのだろう」と様子を窺ってしまう、魔力のようなものがあります。
実際、賑やかな通りから一歩奥へ入ると、別世界のような風景が広がっていることもしばしば。
そんなちょっと不思議な気持ちを描いてみました。
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:F3 (27x22cm)
- 額サイズ H×W:なし
- 販売価格:50,000円
#SS022
星降る夜に
ご注文制作で同じモチーフでもう一度描きました。大切な方を失くされたお客様の思いに少しでも寄り添いたくて、詩を描いて制作に着手しました。
詳しくはブログ記事をあわせてご覧ください。
- 技法:Oil
- 絵サイズ H×W:F10 (53x45cm)
- 額サイズ H×W:別途(実費にてご希望の額縁で額装)
- 販売価格:100,000円
#SS027
雨上がりの朝
久し振りにパステルで描いてみました。5、6年前まで、よくこんな感じの心象風景画を描いていましたが、夢の中のように淡く優しい色の変化を描くのに、パステルほど向いた画材はないと思います。
雨上がりの草原にできた水たまり。朝陽に照らされて、やわらかく輝いています。空の色は自宅マンションから見える、東京湾の薄曇りの空を思い出しながら再現してみました。地平線近くはピンクに淡いグレーを溶かし込んだ色。そして上空に目をやると、夜の暗さがまだ半分残っています。
そんな空を見ては、今日もまた頑張ろうと元気をもらっています。
- 技法:パステル/紙
- 絵サイズ H×W:30x40cm
- 額サイズ H×W:別途
- 販売価格:30,000円
#SS031
同じ月を
秋の初めに、昭和初期のアンティーク着物を買いました。桔梗、萩、小菊など、古典調の柄かと最初は思ったのですが、実際に袖を通してみると大きな市松模様になっていて、なかなか粋な柄です。当時これを着ていた女性も、控えめながら凛とした人だったのではと想像しました。
『同じ月を』
初めて買ったお出かけ着物
昭和の初めの匂いがした
桔梗、小菊、萩、女郎花
秋の野の花、今が盛り
繊細で優雅な絽の手触り
袖を通すと現る市松模様
そんな意匠を気に入って
何度も着ていたあなたの痕
控えめだけど芯は強い
凛とした姿が目に浮かぶ
今宵と同じまんまる月
きっとあなたも見ていたでしょう
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:F8 (45x38cm)
- 額サイズ H×W:55x48cm
- 販売価格:100,000円
#SS032
冬の華
私の好きな画家の作品に、雪景色に立つ一本の落葉樹を描いた絵があります。色のない無彩色の世界は、静謐な心のさまのように思えました。
あれから10年以上も経って、初めて雪景色を描いてみたいと思いました。
寒さの中にあって、どこか暖かみを感じる風景。雪の後の澄み渡った空には、細い三日月が掛かり、一本のケヤキにうっすらと降り積もった雪が淡い光を放っている。そんな風景をイメージしています。
雪の淡い光を表現したくて、日本画で使う雲母を絵の具に混ぜて、ふわりと載せてみました。
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:F0 (18x14cm)
- 額サイズ H×W:32x22cm
- 販売価格:38,000円
#SS036
夢見るキリンたち
私の住んでいる湾岸エリアには、キリンのような形をしたクレーンが並ぶ埠頭がいくつもあります。そんなキリンたちの姿を追いかけてはシャッターを切るのが、私のお散歩の愉しみ。ある時、撮りためた写真を見ていると、まるで世間話でもしているようなキリンたちの姿が目に飛び込んできました。一頭が晴れた空を見上げて「あ、」と小さく声を上げると、ほかのキリンたちも一斉に顔を上げた、まるでそんな光景なのです。見上げた視線の先には一体何が...。そんな想像をしてみると、こんな絵ができあがりました。
太古の昔からさまざまな生命を育んできた青い地球。その美しい星に守られて、キリンたち(私たち)のいまがあります。彼らが夢見た未来が明るく希望に満ちたものでありますようにと、願いを込めました。
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:P20 (73x53cm)
- 額サイズ H×W:83x63cm
- 販売価格:350,000円
#SS037
遥かな大地
前職時代にお世話になった元上司からのご依頼で描いた作品です。
日本有数の企業の役員に迎えられ、この大きな転機に臨む決意を絵にしてほしいとの、お題をいただきました。
広大な大地を見据え、輝く太陽を目指して頑張る決意。まずは小サイズの試作品を描き、イメージ合わせを行ってから本制作に着手しました。ご注文制作はある意味、注文者と画家の共同作業。ご注文者の気持ちに寄り添うために、お聞きした言葉を綴って文章を作り、それを何度も読み返しながら描きました。
10年後もっと輝いておられる姿を想い、太陽の光を下向きだけでなく上向きにも描き、青みがかった遠景→主人公の足元をゴールド→手前には温かみのある色と変化させ、時とともに変わっていく状況を表現しました。8割完成した段階で一度実物を確認いただきましたが、気に入ってもらうことができホッ。勢いに乗って、細部を仕上げました。
新天地でご苦労もあると思いますが、この絵をご覧になり、最初の決意に立ち返って頑張っていただければと願っています。
- 技法:油彩/キャンバス
- 絵サイズ H×W:P10 (41x53cm)
- 額サイズ H×W:48x60cm
- 販売価格:0円
#SS046
アーティチョーク
アーティチョークの若い蕾は食用としてサラダなどにも使われますが、成長すると赤ちゃんの頭ほどもある大きさになり、フシギバナのような風格を漂わせます。
今年の夏、紫陽花を見に行った公園で偶然見かけて、そのうち絵にしてみようと思っているうちに、冬になってしまいました。それならばと、冬空を思わせるグレイッシュな配色で仕上げてみました。いつもはあまりしない色使いですが、いまの心境にはしっくりとくる気がします。ところどころに意識して温かみのある色を加えたのは、「大丈夫!」というエールです。
- 技法:アクリル/紙
- 絵サイズ H×W:18x26cm
- 額サイズ H×W:別途
- 販売価格:20,000円
#SS047
未来へ
一つの絵の中に異なる時空間を描くことはよくありますが、この作品は東京の過去、現在、そして想像の未来を描きました。セピア色は昭和30年代の茶の間を再現。何しろ私の生まれる前ですから、一生懸命想像しながら、テレビは東京タワーの建設の様子を放映していたかもとか、食卓のおかずはこんな感じかなとか。そして、食卓はそのまま現在のティールームへとつながっています。
月への旅行が現実のものとなりつつある今、物理的な距離は同じでも、感覚的にはここ数年の間に随分近くなってくるのではないかと、大きな月を描きました。
レインボーブリッジは宇宙都市への滑走路となっているかも知れません。
- 技法:アクリル/キャンバス
- 絵サイズ H×W:F8 (46x38cm)
- 額サイズ H×W:別途
- 販売価格:100,000円
過去の作品で気に入ったものがありましたら注文制作に応じます。お気軽にお問い合わせ下さい
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待宵の月
待宵の月とは十五夜前夜の月。翌日の満月を楽しみに待つことから、来るべき人を待つという意味もあるそうです。
そんな切なさを表現したくて、月をあえて描かず、光にその存在を感じていただきたいと思いました。技法:Pastel
絵サイズ H×W:38x54cm
額サイズ H×W: -
星降る夜
群馬の館林美術館は私の好きな場所のひとつです。その日も同時代を生きる現代作家の作品を堪能して外に出ると、暮れなずむ初冬の空を背景に、ケヤキが幻想的なシルエットを描きだしていました。
新しい世界に飛び込む決心をしたのはちょうどその頃でした。不安と希望が入り混じる中、背筋をピンと伸ばして歩いていきなさいと、ポンと背中を押された気がしました。技法:Pastel
絵サイズ H×W:54x38cm
額サイズ H×W:
-
春のあしおと
少女からおとなへと成長していく希望と戸惑いを、明け行く空と影の対比で描きました。
少し傾いた電柱のシルエットは不安を表していますが、湧き出る水に込められた若さがそれを上回っています。
右下の犬は少女を未来へと導く役割を果たしています。技法:Acrylics
絵サイズ H×W:F50 (116x91cm)
額サイズ H×W: -
日曜の午後に
アンスリウムは形に面白さがある、個性的な花です。ひとつひとつが違う顔をして違う性格を持つ、まるで人間のようです。そこでちょっとイタズラをして、花に模様を描いてみました。おしゃべりな花たちの、のどかな日曜の午後です。
技法:Acrylics
絵サイズ H×W:54x38cm
額サイズ H×W:
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心の花束
技法:Acrylics
絵サイズ H×W:18x24cm
額サイズ H×W: -
My town, My planet
正方形の紙を螺旋状に切って、真ん中をつまんで持ち上げてできたのがこの形です。その上に、ケン(フレンチブルドッグ)の散歩で目にする場所や建物を描いてみました。見慣れた風景を違った形で配置してみると、意外にも新鮮な輝きを放ち始めました。そこで今度は、地面の中にもう一つの街を描いたり、宙を泳ぐ魚を描いたり。絵の中ではなんでもできてしまいます。
不思議な光景になりましたが、見慣れた風景も宇宙に繋がっていると思うと、悩んでいることがちっぽけなことに思えてきます。技法:Acrylics
絵サイズ H×W:F50 (116x91cm)
額サイズ H×W:別途
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小さな手
前職時代に直接の上司としてお世話になったK.I.さん(女性)が、看護士専門の派遣会社の社長に就任され、その記念に描かせていただいた作品です。
K.I.さんは重要なお仕事の傍ら、ジャズシンガーとしても活躍。東京、大阪などでライブ公演をされるお忙しい毎日。小柄な身体のどこから、あのエネルギーが湧いてくるのかと思うほどです。
人を支え、元気を与える手を、ご本人をモデルに描きました。
小さくて、可愛らしい手。そしてとても表情豊かです。
この詩と共にお贈りしました。
『小さな手』
小さな手、かわいい手
強く握ると壊れそう
だけど、その手は暖かで
いつもいっぱい元気をくれる
落ち込んでる時もきっとある
悲しい時もきっとある
だけど、その瞳は輝いて
いつも「平気!」と笑ってくれる
あなたみたいな元気なナース
ひとり、ふたり、またひとり
あなたのもとに集まったら
すごいことが起こりそう
小さな手、やさしい手
支える手、頼もしい手
みんなみんな元気になって
笑顔でいっぱいになるといいね技法:アクリル/キャンバス
絵サイズ H×W:F3 (22x27cm)
額サイズ H×W: -
月明かりの夜
100年を超える岐阜の古民家にお住まいのお客様から、玄関ホールの吹き抜けの壁いっぱいに飾れる大きな絵をと、ご注文を受けました。1階部分はバリ島の画家LABA氏の『緑にいだかれる午後』があり、その作品と対になるようにとのご希望です。
LABA氏の作品が肥沃な大地と清らかな水に育まれる森と生き物たちを描いたのに対して、私の作品は、天に想いを馳せ、月に憧れる蓮の物語を描きました。ところで、この玄関ホールには天窓があります。その磨りガラスを通して、昼間は陽だまり、夜は月の光が厳かな空気で空間を満たすのです。
この作品については、ブログ記事もあわせてどうぞ。
「月明かりの夜」
空に向かい、ぽっかりと開いた蒼白い 光の窓。
その四角い空間を見上げて、じっと私は待っている
金色に包まれた月が、ゆっくりと姿を現し、
しなやかに揺れる葉が一斉に虹色の光を纏う。
夢見るような情景に、ふんわり包み込まれ、
私はぽっと色づいた大輪の花をひとつ咲かせる。
蕾がふっくら、またひとつ。
月は静かに対角線をすべり、
私は瞬きもせずその姿を追う。
すっかり光の輪が見えなくなると、
ぐっと渾身の力を込め、空へと私は舞う。
それは蝶の羽ばたきとなり、月明かりの大空へ
力の限り飛翔する。技法:アクリル/キャンバス
絵サイズ H×W:173x150cm
額サイズ H×W:191x168cm
-
蓮と月
IBM時代にお世話になり、現在はウェルビーイングの会社の代表として活躍されている、元上司のオフィス移転に贈った作品です。『水の惑星〜月の世界へ』を気に入っていただいたので、同じ色使いで小さなサイズ(0号)にして描きました。夜空を思わせる黒い幅広の額縁に合わせました。
技法:アクリル/キャンバス
絵サイズ H×W:SM号(22.7x15.8cm)
額サイズ H×W: -
ウブドの思い出
スコールの後、雨雲が去り美しい青空が顔を出しました。どこまでも続く田園、空を映し出す水面。悩んでモヤモヤしていた気持ちがすっと晴れるように感じたひととき。6年前にバリ島ウブドで出会った風景です。
空と雲、水田に映る描写は自分でも意外なほどすっと描けたのですが、作品の中心をどこに置くかに苦心しました。夜明けと共に田に出て働く農夫の姿を思い出し、描き加えたことで、その効果が出せたのではないかと思います。技法:アクリル/キャンバス
絵サイズ H×W:F4 (24x33cm)
額サイズ H×W:40x50cm
-
つながる未来
以前絵のご注文をいただいたお客様から、2作目のご依頼をうけました。
1作目の時は、大切な方を亡くされた深い悲しみの中におられ、何とかお元気を取り戻していただきたい一心で描かせていただきました。
翌年、税理士事務所開設のご案内をいただき、新たな一歩を踏み出されたことを知りました。
直接お会いする機会があり、すっかりお元気になられたお姿を前に、新しいお仕事への思いを伺っていると、ある情景が浮かんできました。
湧き出る泉が淡いピンクの花びらになって広がり、蝶や金魚などお客様や仕事仲間たちを引き寄せる... そんなイメージです。新たな未来へと繋がっていく様子を想像しながら、心を込めて描かせていただきました。
制作にあたっては、実はかなり苦労しました。イメージが浮かんだところまではよかったのですが、水が花びらに変わるなんて現実にはありあえない現象。お手本にするものもなく、ただただ想像逞しくするのみ(笑)また、ボンヤリとした絵にならないよう、ところどころに、キレイな効き色を使いました。
オフィスに飾っていただいているそうです。お仕事をしながらふと目をあげると、絵が目に入ると言っていただき大感激です。
今回も詩と一緒にお届けしました。
『つながる未来』
この人のためにいい仕事がしたい
そんなふうに思える出会いを
大切に積み重ねたい
子供たちにお金の大切さを伝え
これまでとは違う働き方を
仲間と一緒に模索したい
不安は色々あるけれど
今ならきっと乗り越えられる
日常のありがたさに気づいた時、
ようやく踏み出せた小さな一歩
湧き出る泉は花となり
新たな未来へとつながっていく技法:アクリル/キャンバス
絵サイズ H×W:F4 (33x24cm)
額サイズ H×W:40x50cm -
扉の向こう
バリ島でよく目にする、細長い観音開きで、繊細な彫刻と鮮やかな彩色がほどこされた扉。
公と私を区切る場所に置かれているようです。公道と私邸を隔てる扉だったり、一族が住む敷地内で、家族のスペースと個室を隔てる扉といった具合にです。(バリの伝統的な住居は敷地内に複数の棟があります)
バリ島に行くたびに、細く開かれた扉の向こうにちらりと垣間見える景色に心ときめかせ、いつか絵にしてみたいと思っていました。小さな習作を描いてみたのが、今年の1月。その後、大きな絵を3点続けて描いたうちの一点です。
扉にほどこされた彫刻は、現地で取材してきた写真を見ながら、できるだけ忠実に再現しましたが
植物の茎の流れるような曲線がとても優美で、描きながらうっとりとしたものです。バリの画家さんたちの描く線も、とてもなめらかで繊細。これはもう技としかいいようがありません。そのまま描いてはバリの画家さんにかないっこありませんから、自分にしかできない絵を描きたいと思い、扉の向こうに対する心のときめきを、別の場所の風景(日本の風景)で表現してみました。
バリ島も好きだけど、日本も大好き。そんな「どっちも!」を描いています。
例えば、手前の後ろ姿のネコはバリ島にいる自分とします。そうすると、扉の向こうに見える一本の木は、日本にいる「もうひとりの自分」になります。毎日の生活の中でも、対象的な2つの何かの間を揺れるような気持ちで行ったり来たりすることって、ありますよね。仕事と家庭だったり。
いまはもうどちらかひとつを選ぶ時代ではなく、どっちもほしい。しかも2つではなく、より多くの顔を持っているほうがよいとされる時代へと移り変わりつつある気がします。技法:アクリル/キャンバス
絵サイズ H×W:F100 (162x130cm)
額サイズ H×W:別途