バリアートショールーム オーナーブログ
2013.8.14

新作情報 – これぞバリの伝統絵画

こんにちは、坂本澄子です。毎日暑いですね。このところ、「バリアートショールーム」では風景画、花鳥画の話題で賑わっていましたが、久々にバリ伝統絵画らしい新作をご紹介します。

クリキ・スタイルの細密画の名手ライさん、久々の登場です。バリの細密画、実は男性にファンが多く、バリ絵画展でも足を止めて熱心に細部に見入っておられる姿が見られました。秋の絵画展に向け、新作を2点お願いしていたところ、一点が完成したとの連絡がありました!

新作を手にしたライさんこれがその作品と正装で写真に収まってくれたライさんです。バリの農村の生活を描いた作品で、クリキ・スタイルに特徴的な細かな描き込みがなされています。遠景を見ると棚田が奥へと続いていますが、バリ島ではお米が年に2〜3回収穫できるため、田植えの時期は水利組合の水の供給時期によって決まり、同じ水系の田んぼでは田植えの時期をずらして、水を各田んぼに平等に供給できるようにしています。そのため、この作品でも、刈り取りを迎えた田んぼのすぐ横で田植えをしている姿が描かれています。ウブドでも機械化が進み、数は少なくなりましたが、今でも農作業に牛が現役で活躍しています。木に登って椰子の実を取る農夫の姿も見られますね。

余談ですが、あれだけ椰子の実がたくさんなっているので、頭の上に落ちて来て怪我をすることはないのかと地元のガイドさんに聞いたことがあります。道沿いに植えられていても、不思議とそういったことはないのだそう。ただし、子供の頃、椰子の林には入らない様にと親から厳しく言われたそうです。ちなみに、ホテルの庭などでは、念のため実が全部取ってありますね。

子供のケチャダンス下絵もう一点は子供のケチャダンス。こちらはまだ制作中で、下絵が終わったところです。バリ伝統絵画はこのように綿密に下絵を描きます。この後、墨で輪郭を取り陰影をつけて、その上からアクリル絵の具で着色していきます。完成までまだ先は長いですが、よい作品ができることを楽しみに待っていて下さいね。

 ライさんの作品は「王家の火葬」を展示販売中です。王家の火葬の壮大さについては、以前ブログにも書いたのであわせてお読みいただければと思いますが、大勢の村の男たちがバデやランブーを担いで、火葬場に向かう様子が躍動感たっぷりに描かれていますよ。

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