幻想的な満月の夜
こんにちは、坂本澄子です。
桜の開花がカウントダウンに入ってきましたが、
春の暖かさと思えば、冬の寒さに逆戻りの繰り返し。
冬物のコートがなかなか片付けられませんね。
今日は幻想的な風景画が持ち味の、ワルディタ(WARDITA)さんの新作をご紹介します。
’76年バリ島パヤンガン村生まれ。
まだ40過ぎの比較的若い画家さんですが、技術的な腕前はもちろん、心を映し出すような表現に長け、いつまでも見ていたくなる作品です。
シュピース・スタイルの画家として、自然と共存するバリ島の暮らしを描き続けています。
では、早速ご紹介します!
満月の夜に寺院の境内の大きなガジュマルの下に村人たちが集まり、奉納舞踊が行われているところです。
水に映る月光が幻想的な静寂さを感じさせ、青白い光と松明の温かみのある光の対比が、おもしろい効果を出していると思います。
鹿やうさぎ、猿たちなど野生の動物たちも静かに見守っている姿が、何とも微笑ましいですね。
そしてもう一点、こちらはアトリエで現在制作中の作品です。
水田に映る空の光の移り変わりがとても美しく、
朝靄のかかる遠景へと視線が運ばれていくように感じました。
制作途中ですが、素晴らしい作品になると予感させます。
詳しくはお気軽にこちらからお問い合わせください。
お待ちしています!
ヤングアーティストスタイルの新星
こんにちは、坂本澄子です。
今日はヤングアーティストスタイルの画家、SUJAさんをご紹介します。
今まで気がつかなかったことが正直悔やまれます。
それくらい、すごい画家、いい作品です。
さっそくまいりましょう。
1点目は、『チャロナラン』を題材にしたバリ島らしい作品です。
神社の境内でチャロナラン劇を行う近景から、遥か遠くのアグン山まで、視界が爽やかに広がっていきます。
アグン山の麓にはカルデラ湖があり、湖面を航行する船も。
デザイン的なシンメトリーな構図とポップな色使いが、ヤングアーティストスタイルの特徴ですが、SUJAさんの作品の魅力は、風景画としても十分楽しめるところ。
そして、人物の表情がひとりひとり丁寧に描きわけられているため、人々の活気が伝わってくるとともに、品のよさも感じます。
バロンとランダの金の装飾やふわふわした毛の質感にも、画家の力量がしっかりと表れています。
2点目は、『羽衣伝説』の物語を題材にした作品です。
ある日、水浴びをしていた7人の天女たち。その様子を隠れ見ていた男に、体に纏う布を隠されてしまい、天に帰れなくなった末娘の天女。仕方なく天女はその男の妻になり…
バリ絵画ではよく取り上げられるモチーフ。
バリ島できっとご覧になったことがあるでしょう。
しかし、SUJAさんの絵は一味も二味も違いました。
深い熱帯の森にいるような風景の臨場感。
そして、水の描写が素晴らしいと思いました。
木々の緑を映し込んだ色使いと天女の肌が見えるような透明感。
画家がきっと最もこだわった箇所ではないでしょうか。
3作目まいりましょう。
アグン山を背景に、プサキ寺院を臨む壮大な作品です。
低くココカン(白鷺)が舞い、さまざまなお祭りの場面が俯瞰するように描かれています。
SUJAさん、サインがまた素敵なんです。
絵の一部としてサインを描くセンスはさすがです。
作品の中、探してみてくださいね。
お問い合わせはこちらから、お気軽にどうぞ!
さて、先週ご紹介したソキさんの『バリ島』、その後の写真を送っていただきました。
先週はまだざっくりとした彩色の段階でしたが、左下の島の部分から、徐々に細かな描きこみが進行中しています。
3月半ば過ぎには完成した姿をお目にかけられると思います。
どうぞお楽しみに!
アトリエ訪問④ ソキ
こんにちは、坂本澄子です。
バリ島のアトリエ訪問、いよいよ最終回となりました。
トリはやはりこの方、ソキさんです。
バリ絵画に新風を吹き込む鮮やかな作風で、「ヤングアーティスト」と呼ばれる、新進アーティストの第一人者として一世を風靡したのが’60年。
以来ずっとバリ絵画の第一線を走り続け、日本にも多くのファンが。73歳になられる現在も、絵に対する情熱は健在です。
さっそくアトリエを見せていただくと、完成した作品に混じって、『バリ島』の下絵を発見!
バリアートショールームでも、制作のご依頼が多い作品です。
今回の滞在では、かなりの数のギャラリーを見て回りましたが、どこに行ってもソキさんの絵がありました。
でも、この『バリ島』だけは、ついぞ目にすることはなく、いわば幻の人気作品。
そんなこともあり、思わず、「もう売約済みですか?」と身を乗り出すと、ラッキーなことにまだフリーとのこと。
もう少し進んだらお声かけてくださいと、お願いしておきました。
そして、1ヶ月。
大作のため、まだ五合目あたりですが、お早めにご紹介したくて、写真を送っていただきました。
90x125cmの大迫力サイズです。
これなら、ぎっしりとつまったバリ島のエネルギーを毎日たっぷり浴びれますね。
これから細かい描きこみを行い、完成は3月中旬の予定です。
そして、もう一点。
『バリ島』と同じく、青い海を描いた作品が完成しました。
こちらは祭礼の様子と海を水平分割した、ソキ作品では珍しい構図です。
1:2の横長サイズは、ソファの上などにすっきり飾れて、お部屋を華やかにしてくれますよ。
価格等の詳細につきましては、こちらからお気軽にお問い合わせください。
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アトリエ訪問③ ウィラナタ-後編
こんにちは、坂本澄子です。
今日はバリ島アトリエ訪問記、ウィラナタの後編をお届けします。
その小さめの絵は、ウィラナタさんの描くいつもの作風とは違っていました。
新しい題材、技法に挑戦するとき、小さめの習作からスタートすると話してくれたことを、まさに実践中というわけです。
昨年は10点の絵を描いたそうです。
大きな作品が多く、しかも緻密な描き方を思うと、その集中力には驚くばかり。
でも、それよりすごいと思ったのは、よくこれだけ新しい絵のイメージが次々と湧いてくることです。
「そのインスピーレーションは、一体どこから?」
「風景を見て回ることと、あともうひとつは、インターネットで西洋の風景画を見ること」
それを聞いて、ようやくいつもと違うと感じた理由がわかりました。
光と人物の関係がいつもと逆になっていたのです。
西洋絵画は人物に光を当てて描かれることが多いのに対して、ウィラナタさんの作品の多くは逆光で描かれています。
すると、カメラを向けた時と同じで、人物は暗くなり、周囲を包む風景へと、見る人の意識は広がります。
それが幻想的とも言える独特の雰囲気を作り出し、作品の魅力ともなってきたのですが、ウィラナタさんはそれで満足することなく、新しいことにチャレンジされていたわけです。
現在の洗練された作品は、このような人知れぬ努力の積み重ねがあったからこそだったのですね。
もう一点、描き始めたばかりの作品がありました。
そのときは、まだざっくりとした明暗と配色程度だったのですが、それが先日ほぼ完成し、写真を見せてもらいました。
ペネノン(Penenon)とは、ウィラナタさんの村に伝わる、伝統的な陶磁器を作る場所のことで、日本の窯とは違い、このように屋外にあるのが一般的だとか。
このように特徴的な形をしており、飲み物や硬貨を入れて使われるそうです。
陶磁器を焼く女性、天日干しされた壺を確認する男性、沐浴する女性…
光の中で滲んで見えるような、あの逆光の世界です。
残念ながら、この作品は注文を受けて描いたものだそうで、みなさまにご提供することはできませんが、ウィラナタさんの作品に関心を持たれた方には、過去作品の小冊子を差し上げています。(残数わずか)
今回の訪問で、ウィラナタさんの絵に向き合う真摯な姿を目にし、ますます応援したいと思うようになりました。
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アトリエ訪問③ ウィラナタ-前編
こんにちは、坂本澄子です。
寒いですね〜。
インフルエンザが猛威をふるっています。
どうかくれぐれも、うがい、手洗いをお忘れなく。
さて、今日もバリ島のアトリエ訪問をお届けします。
第3回は予定を変更してウィラナタさんの近況をお伝えします。
バリの民家の特徴で、ウィラナタさんのご自宅も広い敷地に、いくつもの建物が点在しています。
門を入って行くと、8匹のワンちゃんが「ワン ワン ワン」とお出迎え。
ウィラナタさんは相変わらずカッコよく、ちょっとドキドキしながら、アトリエへ。
実は、伺ったのには大きな目的がありました。
作品小冊子『光の風景』をご覧になったお客様から、この絵を描いてほしいとご相談を受けたのです。
それがこちら、嵐を題材にした作品です。
「荒れ狂う嵐の中、無力で小さな人間の存在。
椰子の木からビュンビュンという風の音が聴こえてきそうなほど。
現実が過酷であるほど、遠くの空のかすかな明るさ、その光を映し出す水田が美しさが、希望を感じさせてくれる気がします」
お客様はこの絵を気に入られた理由を、そう話してくださいました。
東京にお住まいということもあり、ショールームにもお越しいただき、何度もお会いしていますが、
「ただ美しいだけでなく、その時々の気持ちに寄り添ってくれる絵を持ちたい」
と、確かな審美眼をお持ちです。
「お客様の思いをしっかりとお伝えせねば」
パワポで説明資料まで用意していました。
汗をかきかき説明する私に静かに耳を傾けながら、
ウィラナタさんは作品アルバム(なつかしのフエルアルバム)を取り出し、
「嵐の絵はこれまで4点描いていて、これは3点目なんだ」
習作として小さめの絵を仕上げて、それから大きな作品にチャレンジしていったそうです。
「椰子の木は大地に根をしっかりと張り、強風にあおられても、倒れない強さを持っているんだよ」
と教えてくださいました。
お客様の思いは何とか伝わったようでした。
ほっとしている私に、1枚の絵を持ってこられました。
(次回に続きます)
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アトリエ訪問② ラジック
こんにちは、坂本澄子です。
今日もバリのアトリエ訪問記をお届けします。
今週はラジックさん。
正確なデッサンと美しい構図で、熱帯の植物と鳥たちを描いた作品で、「バリアートショールーム」でも人気の画家です。
ラジックさんの最近のトピックスは、バリ絵画の技法を次の世代に「伝える」こと。
バリ絵画の伝統的な技法である、墨で陰影をつけた上に色を重ね、竹筆で描くシャープな輪郭線とぼかしのテクニック。
ラジックさんの素晴らしい作品も、これらの高い技術力がベースにあります。
バリ絵画は中世ヨーロッパのマイスター制度に似たところがあり、親方(多くは父親だったり叔父さん)から息子や甥に口伝され、受け継がれてきました。
ラジックさんもバリの若い画家さんたちはもちろんのこと、求められれば、外国人アーティストにも、惜しみなくその技法を伝授しています。
昨年、あるお客様から「ラジックさんに絵を習いたい」とお問合せをいただき、ご紹介して8月に1週間弟子入りされたのですが、「とても熱心に教えていただきました」と、喜んでおられました。
日本に帰国されてからも、メールでのやりとりが続いているそうで、私も嬉しいです。
そんなラジックさん、ご自身の制作活動にも意欲的に取り組んでおられますよ!
アトリエ兼ギャラリーに飾られた作品を見せていただきました。
その中にとりわけ目を引いた一枚の絵がありました。
バリ島の田んぼでよく見かける白鷺が、水辺に茂る植物や花を背景に描かれ、足元には水紋が装飾的に広がる作品です。
ただ、サイズをお聞きしたら横幅120cmと、かなり大きめでした。
同じモチーフで、日本のお部屋にも飾りやすいサイズでお願いしてみようと思っていますので、どうぞお楽しみに!
そうそう!ラジックさんの絵に触発されて(笑)、私もこんな絵を描いてみました。
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今年もよろしくお願い致します
12月下旬からバリ島に行っていました。
210日サイクルで1年が巡るバリ島では年末年始もごく普通の日。
そのおかげで、気兼ねなく画家さんたちのアトリエを回ることができました。
出発前にスマトラ島沖の海底地震による津波のニュースが飛び込んできて、
バリ島は大丈夫だろうかと心配していましたが、東北と九州くらいの距離があり、
みなさん、変わりなく、制作に励んでおられましたよ。
と言うわけで、2019年最初のブログは、画家さんたちの近況をお知らせします!
まずはガルーさんから。
昨年夏に国内の著名アーティストたちが首都ジャカルタに集結し、1作家1展示室の企画展が開催されました。
ガルーさんは1年がかりで、40x60cmの小さめの絵10点を仕上げて展示に臨み、作品は完売。
今年も8月に夏までに大作3、4点を仕上げて、再びジャカルタでの企画展に参加するそうです。
とても忙しそうですが、しなやかでタフなのは相変わらず。
「大きい絵の方が好きだわ。絵の風景の中に自分がいるように感じながら描けるもの」
と、チャーミングな笑顔で話してくれました。
しばらくは日本でガルーさんの新作は難しいかもしれませんが、「大作の合間に何か描いたら連絡してくださいね!」とお願いしておきました。
そうそう、ご自宅の敷地内に建設中だったヴィラがついに完成したみたいですよ。
次回はラジックさんとソキさんの近況をお知らせします。
挑戦し続ける画家 アンタラ
こんにちは、坂本澄子です。
画家には2つのタイプがあるのではないかと思います。
ひとつは作風が確立されており、得意とするモチーフで、安定した制作を行うタイプ。
もうひとつは、新しいものを取り込み、作風がどんどん変化(進化)するタイプです。
後者と言えば…真っ先に思い浮かぶのは、ピカソでしょうか。。
スペインからパリに出て、社会の底辺で生きる人々を悲哀を込めた色調で描いた「青の時代」、恋人を得て幸せな気持ちが作品にも表れた「ばら色の時代」。そしてその2年後には、ピカソは狂ったかとまで言われるほどに、一大センセーションを巻き起こした『アヴィニョンの娘たち』に始まり『ゲルニカ』で大成された、あの形を大きく崩した生き物たち。
生涯にわたってその作品は変わり続けました。
この2つ画家のタイプは、バリ島の画家さんにも当てはまりそうです。
注文する側からすると、前者の画家さんはある意味とてもラクです。
予想した通りの完成品を届けてくれます。
同じ題材が続くと、別ものも描いてみませんかと、お願いしたくなることも ありますけどね。
後者のタイプは、どんな作品になるか、期待半分、ハラハラドキドキ。
ただ、バリの画家さんたちはさすがプロ。ちゃんと注文主の期待値を汲み取って描いてくれますので、「ヒョエ〜!」なんてことは、今の所ありません。
そんな中にあっても、画家として常に新しい表現への挑戦を恐れない姿勢を垣間見るとき、熱いものが迫ってくるように感じることがあります。
そんな画家のひとり、アンタラさんのアトリエに久しぶりに伺いました。
9月に首都ジャカルタで行われる、ダンスをテーマにした企画展に向け、制作の真っ最中でした。
広いアトリエには、完成した作品、制作途中の作品がところ狭しと。
得意の人物を中心にすえた作風は同じですが、色使いにある変化がありました。
ビビッドな色。
それは、人物の動きのダイナミズムに呼応し、内面の明るさ強さを表現しているように感じました。
一方、そこには「アンタラさんの絵」という懐かしさも。
バリの伝統的な生活、文化を何よりも愛し、人を愛し、バリ島に暮らす自身を誇りに思う、
画家の思いが変わらずそこにあったからです。
イーゼルにかかった絵には、今まさにカーテンを開き、姿を現した女性が描かれていました。
まだ描き始めて間もないのに、ひょっこりとキャンバスから出てきそうなほどの存在感。
そして、カーテンの向こうの空間には何があるのだろう…と
想いを馳せて、しばし、見つめました。
今回ご紹介した作品に関する詳細は、お問い合わせからどうぞ。
5周年記念セールにもアンタラさんの作品がありますので、ぜひご覧ください。
今なら、額縁が2種類から選べます!
バリ絵画の歴史③ 光を取り込む風景画
こんにちは、坂本澄子です。
風景画というジャンルを作ったのは印象派の画家たちだったそうです。それまで絵の具は保存が効かず、画家や助手が絵の具を手練りしながら描いていました。ところが、チューブ式の絵の具が開発されると一気に制作の自由度があがり、絵の具とキャンバスを持って、戸外へ出て描けるようになったというわけです。
モネは、パロトンだった実業家・オシュデの次女ブランシュに手伝ってもらい、手押し車に画材一式を積み込んで、制作に出かけたそうです。最初の妻カミーユが亡くなった後、オシュデの妻だったアリスと結婚したので、ブランシュはその後もずっとモネの助手を務めることとなりました。
「自分のアトリエは空の下だ」と言ったように、素早いタッチで一瞬の光と影を捉えたモネの絵。光が移ろうまでのわずかな時間をうまく使うために、ある工夫をしていました。毎日セーヌ川の支流沿いを移動しながら、この時間帯はこの場所でこの絵、次の時間帯は別の場所で別の絵というふうに、複数の作品を同時進行で描いていたのだそうです。こんなふうに描かれた風景画は、パリの密集した住宅の薄暗い部屋にも光を運び込んでくれました。
バリ島で風景画が描かれるようになったのは、ヨーロッパから来た画家たちの影響によるもの。特に、ドイツ人画家シュピースの幻想的なタッチは、いまでもシュピース・スタイルとして人気を博しています。
シュピースがバリ島に滞在した’20〜30年代、彼の弟子だった2人の青年ソプラットとメレゲックは、バリの芸能の徒弟制度にならい、師の描く通りを真似て技術を習得する方法で、絵を学んでいました。模倣から脱せない弟子たちを見たシュピースは、あるとき「僕の絵を真似るのではなく、君たち自身のやり方で描いてごらん」とアドバイスしたそうです。彼らは困惑しながらも自身の表現を模索し、その精神は80年の歳月を超えて受け継がれ、同じアグン・ファミリーにガルー、ウィラナタといった人気作家を輩出しました。
ガルーの作品は空気感のあるふんわりとした柔らかい風景が特徴で、バリ島の風景の雰囲気をよく表していると思います。人物が描かれているので、その人になったつもりで見ると、絵の中に入っていきやすく、より臨場感を持って感じることができます。ひんやりとした朝の空気だったり、風が椰子の葉をそよがせる音だったり。実際、画中の人物は画家自身をなぞらえたものであることが多いそうです。
熱帯の島バリで、屋外にイーゼルを立てて絵を描く画家の姿をみたことはありませんが、バリの民家は建物自体が非常にオープンな作りなので、自然と一体になって生活していると言っても過言ではありません。
生まれてこのかた脳内にインプットされたバリの様々な風景の蓄積が、夢の中の風景のようでいて、リアルに五感に働きかけてくる独特の作品を生み出すインスピレーションの源になっています。
その昔、ヨーロッパのブルジョアたちが愉しんだように、ガルーの作品でお部屋に光を取り込んでみませんか。
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ガルー作品ページ・・・5点在庫があります。実物をご覧いただくこともできます。
ウィラナタ作品ページ・・・ガルーの実弟。違う光の表現がこれまた魅力
家族の肖像
こんにちは、坂本澄子です。
毎日暑いですね。先日、陽炎が立ち上る猛暑の中、横浜美術館で開催中の、印象派の女流画家、メアリー・カサットの30年ぶりとなる回顧展を見に行ってきました。
今回初来日した『桟敷席にて』は、そんな凛とした画家の性格が窺える作品です。
一方、メアリーは母子像を描いた、優しい作品をたくさん残しているんです。母と子の一瞬の表情を実によく捉えており、そうそう、子供ってよくこういうことするよねと、私も昔娘にほっぺたを引っ張られたことを思い出しました。子供を抱く母の腕は、弾けるような生命力を受け止める優しさと強さに溢れていました。そんな画家を見込んで、家族の肖像画を依頼する人も多かったそう。こんなふうに描いてもらえたらステキですよね〜。
同じように温かな眼差しを母と子に向ける画家がバリ島にいます。イ・ワヤン・バワ・アンタラ、二児の父親でもある彼は、妻と子供をモデルに多くの作品を描いてきました。砂を下地に混ぜることで、光を吸収してふんわりとした立体感を出す独特の手法が生きています。
見ているだけでやさしい気持ちになれる、まさにそんな作品。お子様とのいまの思い出を絵に残し、将来独立されるときや嫁がれるときにプレゼント、なんて、絶対ステキです。スナップ写真をお送りいただければ、サイズや構図などもご相談に応じます。お問い合わせはこちらからどうぞ。
ちなみに、私も以前、自分自身のポートレートを木炭画で描いてもらったことがあるのですが、実物より若く描いてもらえて大満足でしたw