バリアートショールーム オーナーブログ
2018.8.8

水の惑星

 

こんにちは、坂本澄子です。

「バリアートショールーム」のブログをお借りして、たまに私の絵のお話をさせていただいています。

今日もおつきあいいただければ、嬉しいです。

 

いきなりですが、、、

宇宙船って、ゴーっという爆音で登場のイメージがありますよね。

映画『スターウォーズ』の第一作のオープニングで、画面の上からのしかかるように巨大なスター・デストロイヤーが現れる、あの感じです。

実際には、空気がないため、宇宙では音は聴こえないそうです。

その宇宙の無音状態を、『美しく青きドナウ』の旋律で表現したのが、映画『2001年宇宙の旅』でした。

宇宙船が向かう先は、地球と月を繋ぐ宇宙ステーション。輪を2つ繋げたような独特の形がゆっくりと回転する姿は、『美しく青き…』の効果か、優美にさえ感じられました。

リバイバルを観に行った私は、当時まだ高校生でした、不思議とそのシーンは今も鮮明に覚えています。

2001年もすっかり過去となりましたが、意識の底に沈んだ記憶が目を覚ましたのか、最近こんな絵を描きました。

 

『水の惑星〜月の世界へ』

 

この作品は、東京とバリを行ったり来たりしている、私の脳内を描いたものです。蓮と東京タワーを同じ大きさで描いているのは、この2つの場所は、私の中で50:50だからでしょう。

 

あるお客様から

「これは、坂本さんだからこそ、描ける絵ですね」とのお言葉をいただきました。

「先日お伺いした、ラウンジの熱帯魚と
 
活気づく湾岸都心の様子を、絵の中に思い出し、
 
そこで暮らしがある坂本さんだからこそ描ける
 
土地に溶け込んだ作品と 関心しました」
 
(注)ラウンジとは東京・有明のバリアートサロンを開催しているスペースです。
 
 
 
絵を描くこと、特に最初の構想段階は、おそらくすべての画家にとって、つらい時間です。
漠然とした想いは、おいそれとは像を結んでくれず、長いトンネルの向こうにようやくかすかに光が見え始める…
 
私の場合、複数のモチーフが繋がることが、きっかけとなることが多いようです。
この作品も、東京湾→水→さかな→蓮→バリ→都会→東京タワー→月→宇宙ステーション(この矢印は分岐したり、戻ってきたりもします)とたゆたうようような一連の思考の中で、形となっていったものです。
 
遠く離れた東京とバリ。

バリの人たちにとって月が特別なものであるように、東京湾の上にぽっかりと浮かんだ月も特別な存在です。

広大な宇宙を感じながら、それぞれの場所から同じ月を眺める。

そんなふうに考えていたら、耳の奥にあの旋律がよみがえってきたというわけです。
 
 
自分の中に蓄積されていたものが、熟成を経て、再び現れる。
お客様の言葉から、そんな気づきをいただきました。
次の作品では、何が現れるのかしら。
そう考えると、楽しみでもあり、ちょっと怖くもあります。笑
 
 
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