静かな午後のアトリエから
こんにちは、坂本澄子です。
立春とは名ばかりと思っていましたが、一昨日関東では早くも春一番が吹いたそうです。
逆戻りのお天気もあるでしょうけど、これから少しずつ春に近づいていきますね。
さて、今日はウィラナタさんのアトリエから、新作情報をお届けします。
コロナ禍はバリ島も例外ではなく、観光客は姿を消し、クルマとバイクがひしめいていた表通りの喧騒も見られなくなりました。
画家さんたちは、作品を発表する機会がめっきり減ってしまったと肩を落とします。
そんな中、自身に向き合うかのように、静かなアトリエで、黙々と制作を続けるウィラナタさんの姿がありました。
ここ母屋のアトリエは、小さな作品を描くときに使っている場所。
対で描き始めたという、2つの風景が並んでいました。
午後の眩い日差しと、幻想的な月の光。
空と水への光の映り込みにたっぷりと時間をかけ、これから細部の描きこみを行っていく段階です。
「あと半月で完成」と伺うと、居ても立ってもいられなくなり、
「ぜひ日本のお客様に紹介させてください」とお願いし、
2点セットで譲っていただくことができました。
春を迎える頃、日本に届く予定です。
サイズはどちらも50x70cm。
完成をどうぞお楽しみに。
クリキ村の細密画の魅力
こんにちは、坂本澄子です。
長かったステイホームが一段落し、コロナと共存する新しい暮らしのスタイルができつつありますね。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
バリ島も自粛生活が続いていますが、画家さんたちは地道に制作に取り組んでいます。
今日はバリ島クリキ村から届いたばかりの細密画をご紹介します。
ライさんらしい丁寧な手仕事が光る作品、どうぞお楽しみください。
『バリの農夫たち』 20x35cm 50,000円(税込)
共同で稲刈りを行う人々。豊かな収穫に誰の顔も穏やか、犬たちや野良仕事を手伝う牛たちも生き生きと描かれています。
丸いお供え物はわずか1cm、そこに竹の編み目を描いているこの細かさ、おわかりでしょうか。
高い椰子の木の間に目を移すと、視界が遠景の山並みへと抜けて行きます。
小さな作品ですが、その中に大きな広がりを感じますよね。
その秘密はていねいに描かれた下絵にあるんです。
この画像は下絵を描いた後、墨で輪郭を取り、陰影をつけているところです。
手前は明暗のコントラスを強くはっきりと、遠景は逆に弱くすることで、霞むような効果を生み出しています。
この上から色付けを行い、手間と時間と愛情とをたっぷりと注ぎ込んで仕上げています。
額縁はバリの木製額縁。木のすべすべした温もりに金泥がアクセントを添える、抜群のマリアージュ。
39x55cmの飾りやすいサイズです。
2−3日でお届けします。
詳しくはこちらをどうぞ!
ガルーさんの秘蔵作品
昨年に続き、今年も夏にジャカルタで開催される展示会の準備に大忙しのガルーさん。
大作を3点出品されるとのことで、毎日その制作にかかりきり。
これは当分日本でご紹介できる新作は望めないなあと思っていたら、にっこり微笑んで奥から持ってきてくださった作品が!
しかも、40x60cmの飾りやすいサイズです。
この作品を見た時、数年前にバリアートショールームで扱わせていただいた、夕焼けの小品を思い出しました。
棚田の水面に映る夕映えの空の美しいこと。
3本の高い椰子の木が、奥へと続く風景をより神秘的に見せています。
こちらの作品の入荷につきましては、こちらからお問合せ下さい。
額縁は変更可能です。
『水辺のココカン』制作エピソード
こんにちは、坂本澄子です。
桜の季節がやってきました。
日本中にある何百万本というソメイヨシノは、ただ一本の原木から接木で増されたもので、全く同じ遺伝子を持っているそうです。
そのため、同じ場所に植えられた桜は一斉に花を咲かせるのだとか。
最近では早咲きの桜も増えてきて、2月からいろんな桜を楽しませてもらっています。
さて、今日はラジッグさんの新作『水辺のココカン』を、制作エピソードを交えて、じっくりとご紹介させていただきたいと思います。
きっかけは、ラジッグさんのアトリエで見たこちらの作品でした。
ココカン(シラサギ)の足元の水面を見てください。
横幅1.2mの大作の迫力もさることながら、一目見て惹かれたのは、
水の揺らぎが作り出す水紋のおもしろさです。
見ていると、なんだか吸い込まれてしまいそうです。
ココカンはバリ島ではおなじみの鳥ですが、たまたまこれまで扱ったことがなかったので、これは是非!と思ったわけです。
小さめで飾りやすいサイズにして、
ココカンはつがい、花は蓮
とラジッグさんにお願いしました。
数日後には下絵を送っていただき、制作は順調に進んでいきました。
ところが、8割完成というところで、ちょっとした問題が起こったのです。
元の作品はモノトーンに近いグレイシュな色使いで描かれており、そこから来る静謐さが魅力でもあったのですが、小さくすると少し寂しく感じられたのです。
できるだけラジッグさんの画風は尊重しつつ、もう少しだけ色味をプラスできないかと相談してみました。
すると、こちらの意をくんで下さり、蓮のピンクと水の青さを調節していただくことができました。
その結果、絵に華やかさが加わり、とても素敵な仕上がりになりました。
先日、完成品が日本に届き、現物を目にしてその思いはさらに強くなりました。
それでは、「水辺のココカン」、その詳細を拡大画像でじっくりとご覧ください。
サイズは50x40cm。
蓮のピンクと水の青さがとてもきれいです。
中心部の花は明るく、端にいくほど深みのある色合いになっています。
葉陰を背景に、ココカンの羽根の白さが際立ちます。
水のグラデーションは竹筆を使って、淡くぼかした絵の具を幾度も塗り重ねて、描き出されています。
集中力と根気を必要とする丹念な手仕事です。
水辺の草のシャープな輪郭線にも竹筆が使われています。
図案化された雲が絵の雰囲気によくあっています。
モダンなボックスフレームに額装していますので、リビングや寝室、玄関など、様々な場所に飾っていただけると思います。
ご注文はこちらからどうぞ。
ラジッグさんの作品ページも是非ご覧になってください。
季節のオススメ 花の力をいただく
こんにちは、坂本澄子です。
高知での開花宣言第一号を皮切りに、桜前線北上中。東京でも桜のつぼみがふっくら。あと数日で咲き始めそうです。皆様の街ではいかがですか?
年を重ねるごとに時の流れが早くなると感じるこの頃、今年こそはゆっくりと、春の花々を楽しみたいなと思っています。
さて、先日、ラジッグさんの花の新作をご紹介したところ、嬉しい反響をいただきました。
ラジッグさんのいつもの画風と違うので、「あれ?」っと思われた方もあったかもしれません。
実は、ラジッグさん、これまで2回、大きく画風が変わった時期があるのです。
画家の画風が変わることは珍しいことではなく、ピカソなどは、愛する女性が変わるたびに画風が変わったというエピソードもあるくらい。
5年前に初めてアトリエに伺ったときには、既に今回ご紹介したような、花びらを間近にとらえた、大きな絵を描かれていました。
自宅ギャラリーには、おなじみとなった、額からはみ出すように描かれたそれまでの作品と、花の大きな作品がちょうど半分:半分。さらにはご近所の絵描きさんたちの作品も加わり、とても賑やかでした。
日本のお客様には前者の作品のファンも多く、バリアートショールームでは、あえて前のスタイルにこだわり、写真のようなバリ島らしい熱帯花鳥画を中心に制作をお願いしてきました。
画家としての表現スタイルが変わっておられるのに、わざわざ以前の画風で制作をお願いするのはどうなのかしら…と思うところはありましたが、ラジッグさんご本人はいつも快く引き受けてくださっています。
そんな中、今の作風をご紹介したいと思ったきっかけは、あるお客様の「見ていると元気が湧いてくる絵ですね」というお言葉。形よりも、絵から伝わってくるものが大切と、今更ながらに気づきました。
ラジッグさんは花や鳥をしっかりと観察し、花びら一枚一枚の微妙な表情を丁寧に描きわけておられます。
確かな技量が、匂い立つような、みずみずしい花の生命力となり、見る人に元気を与えてくれるのだと思います。
本格的な春はもうすぐそこ。
新生活を始めるお部屋に、春の風を呼び込んでみませんか。
詳しくは、《新作情報》春です!ラジック FLOWERSをご覧ください。3点追加。
オレンジ色に暮れなずむ空
こんにちは、坂本澄子です。
今日はKepakisan(ケパキサン)さんのステキな新作をご紹介させていただきます!
昨年秋、ウブドのプリ・ルキサン美術館で2ヶ月に渡って開催された、アグンファミリーの作品展。ドイツ人画家シュピースの幻想的な作風を今に受け継ぐ、画家さんたちが大集結。会場は魅力的な作品にあふれていました。
その中で、優しいオレンジの色使いが目を引いたのが、Kepakisanさんの作品でした。
「しばらくご無沙汰している間に、しっかりと腕をあげられた」
そんな印象を受けました。
早速、「この作品と同じ色合いで」とお願いして描いていただいたのがこちらの作品。
優しく一日が暮れていく時間。
牛を引いて帰途に着く農夫。
心身を鎮めてくれるムルカット(沐浴)
側では小さな男の子がおっかなびっくり手を差し出す。
静かなバリの風景。
沐浴については、あるお客様から
「バリ旅行では外せません。あの冷たいけど体が清められ新たなエネルギー行き渡る感じが大好きです!」
と教えていただいて以来、私も興味津々。今度ぜひトライしてみます。
Kepakisanさんには同じサイズでもう一点、棚田の朝の風景を描いていただきました。
近日2点同時入荷、どうぞお楽しみに!
新作情報:ウィラナタ
こんにちは、坂本澄子です。
飯田橋にある東京メトロの忘れ物センターへ行ってきました。またまた、忘れ物大王です。東京メトロでの忘れ物はすべてここに集まるとあって10人待ちでしたが、3人の係員の方がテキパキと応対されてました。見ているといろんな忘れ物があります。私の前のお兄さんなんて、三味線。
私がホームのベンチに忘れたのはスケッチブックでした。あまり白紙ページは残っていなかったし、作品の構想をまとめるための下書きが大半ですから、いつもなら諦めるところですが、最後の方に家族の似顔絵を描いていたのです。小さくても私にとっては大切なもの。驚いたのは、東京メトロ区間の往復の切符代を出してくれること。こちらの不注意でご迷惑をかけたのに。大事に預かってもらえて本当に感謝感謝です。
さて、もうすぐ夏。夏といえば夜。ということで、前回は幻想的な風景画に定評がある人気作家ウィラナタの「満月の夜に」をご紹介しました。満月の夜の祭礼という、同じテーマでありながら、雰囲気の異なる新作ができました。
この絵のおもしろさは何といっても、見上げるほどのガジュマルの大樹です。バリ島の寺院には必ず大きな木があり、精霊を宿すと言われ大切にされていますが、このガジュマルは空中に垂れ下がった気根が独特な形を作り出し、ランプの光がそれを幻想的に浮かび上がらせています。
世界中のコレクターが新作を待つ、人気作家ウィラナタ。この作品も既に売約済みですが、ご注文制作を承ります。また、「バリアートショールーム」にはウィラナタ作品の在庫が2点ありますので、繊細で幻想的なタッチをぜひ実物でお確かめになってください。
お問い合わせはこちらからどうぞ。
<関連ページ>
ご注文制作の流れ・・・注文制作は高いと思っておられませんか?!
ウィラナタ特集ページ・・・完売作家ウィラナタの作品の魅力が満載!
ウィラナタ新作情報
こんにちは、坂本澄子です。
3月ですね。いよいよ春ですね〜。私はこれまで花粉症ではなかったのですが、このところ鼻がムズムズ、くしゃみが止まらない〜。これはもしかして、ついに発症?!
一方、私のまわりには若い頃はほんとひどかったけど、年を追うごとに症状が軽くなっていると言う人がちらほら。そのひとりは「アレルギーは免疫の過剰反応なので、年齢とともに免疫力が落ちてくると症状も和らぐのだ」と言っていますが、もしそうだとすると、今頃発症する私って…。これは喜んでいいのかしら?!
変わらないと言えば、ウィラナタ(Gusti Agung Wiranata) 。笑うと今でも少年の顔になる、45歳にはとても見えません。今日はそんなウィラナタの新作をご紹介します。
山の上にあるお寺での祭祀を描いた作品。
向こうに見える美しい山はきっとアグン山。標高3000mを超えるバリ島で最も高い山で、その麓にバリ・ヒンドゥ教の総本山プサキ寺院があります。多くの参拝者で賑わう場所ですが、おすすめは早朝。ここが聖なる場所だということを改めて感じさせてくれる、厳かで静謐な空気に包まれています。
この絵に描かれているのは実在する寺院というよりは、神々の世界と人間の営みの世界とを、遠景と近景に対比し描き出したように感じられます。暖かみのある木洩れ陽は、ここ最近のウィラナタの新たな試み。霧にかすんだ下界が遠景と近景を繋ぐミスティな世界を作り出しています。
2、3週間前に完成し、絵の具を乾かしているところという、できたての新作ですが、なぜかサイン下の制作年は2015。ううむ、こちらもミステリアスです。
ウィラナタは国内外のギャラリー、コレクターから注文の絶えない人気作家のため、サイト掲載作品以外は注文制作でご要望にお応えしています(40x60cm 420,000円〜)。作品に関するお問い合わせはこちらへどうぞ。
また、3月12日(土)の「第7回バリアートサロン」ではガルー、ウィラナタ姉弟の作品を展示し、その幻想的な作品の魅力をご紹介します。詳しくはこちらをご覧ください。
新作情報:ウブドがウブドだった頃
こんにちは、坂本澄子です。
今日は、お世話になった元上司の古希のお祝いに、友人宅(多摩川を望む高台のテラスがとっても素敵なんです)でBBQパーティです。食材は持ち寄り、私は母に頼んで、広島から殻付きの牡蠣をたくさん送ってもらいました。あの頃、一緒に仕事をした仲間たちとあの頃の気持ちに戻れそうです。
さてさて、近年バリ島も開発の波が凄まじく、ウブドの風景も様変わりしていますね。メイン・ストリート沿いにはブティックやレストラン、カフェが軒を連ね、田園地帯には次々とヴィラが。無粋なのは、夜も煌々と明かりのついたコンビニのやたら多いこと。
以前、ウブドを訪れた人が、あの懐かしい風景を求めて再訪すると、少しがっかりさせられるかも知れません。日本が失ってしまったもの。ウブドに来ればまだあると思っていたものが、同じように失われつつある現実を目の当たりにします。
ジャワ島などインドネシアの他の島々と比べて、いろいろな意味でとても豊かなバリ。経済的に豊かになることは決して悪いことではないけれど、バリの人たち自身はどう思っているのだろう。そんなことを考えていたら、久しぶりにウィラナタから連絡があり、新作を見せてもらいました。
4000kmを超えて私の思いがテレパシーで通じたのか(笑)、タイトルはなんと『Spirit of Bali – days gone by 』。さしずめ『バリがバリだった頃』でしょうか。1990年代、まだウブドらしさが残っていた頃の生活を思い出しながら描いたというのが作家の弁。
「ん?何だかいつもと少し違う」すぐにそう感じました。明るい黄緑のせいでしょうか?
「光の感じと構図を変えてみたんだ」
なるほどと思いました。柔らかな木漏れ日が草の斜面を転がりながら描き出す模様。ピンと張り詰めるような神々しさが特徴のウィラナタ作品ですが、この絵にはむしろ温かさを感じます。
過ぎ去った時を思い出すとき、きっと彼の心の中を穏やかな風が吹き抜けていったのでしょう。いかにバリを愛し、失われつつある風景をここに留めようとしているか。言葉少ない彼に代わって、この作品が雄弁に物語っているように感じました。
この作品のお問い合わせはこちらからどうぞ。
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大切な思い出と花束をアートで残す
こんにちは、坂本澄子です。
門出を祝福してもらうとき、結婚をお祝いしてもらうとき、誕生日を祝ってもらうとき…、人生のいろんな場面でお花をいただくことがあります。贈ってくださった方のあたたかい気持ちが込められた瑞々しい花たち。特別な人からいただいた花束だとなおさら、その美しさが永遠に続いてくれたらと思いますよね。
私は展示会などでお客様からお花をいただくと、一番綺麗なときに絵に描いて残しています。今回はそれをバリ島のプロの画家さんにお願いしてみました。ソキさんの『バリ島』をイメージした、色とりどりのお花がぎっしりとつまった大きな花束がモデルです。
制作はバリのアーティスト、ティルタさん。プルメリアや蓮など南国の花はお手のものですが、洋花がどんなふうに仕上がるか、楽しみにしていました。そして、出来上がったのがこちらの作品です。
殺風景な白い壁がぱっと花が咲いたように明るくなりました。花びら一枚一枚まで細密に描かれ、オリエンタルな魅力に溢れる作品です。このサイズ(18cmx25cm)なら、ちょっとした場所に飾れ、目に入るたびに、エールを送ってもらっている気分になれますね。
また、例えばこんな場面で、奥様にサプライズ・プレゼントはいかが?
ある日曜日、「サークル活動の発表会があるから」と奥様がお出かけ。旦那様はお忙しいし、実はあまり興味がないので、わざわざ見に行くほどではないけれど、奥様が楽しそうなのは歓迎。「あぁ、行っといで」と 心よく送り出す。そして、「お花をいただいたちゃった」と、大喜びで帰宅した奥様を見て、「それはそれはよかったね
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「バリアートショールーム」では、大切な思い出と花束を、絵にしてお届けします。写真をお送りいただくだけで、約1ヶ月後には「世界にひとつだけの絵」が完成です。
- サイズ:18x25cm
- 技 法:アクリル/紙
- 価 格:12,000円(作品のみ)
額縁、マットはお好きなものを実費(3,000円〜)にてお選びいただき、額装してお届けします。別サイズ、キャンバスでの制作も承りますので、お問い合わせ、ご注文はこちらからお気軽にどうぞ。
ウェディング・ブーケを「永遠に枯れない花束」として新居に飾るのも素敵ですね。(写真はイメージです)