『水辺のココカン』制作エピソード
こんにちは、坂本澄子です。
桜の季節がやってきました。
日本中にある何百万本というソメイヨシノは、ただ一本の原木から接木で増されたもので、全く同じ遺伝子を持っているそうです。
そのため、同じ場所に植えられた桜は一斉に花を咲かせるのだとか。
最近では早咲きの桜も増えてきて、2月からいろんな桜を楽しませてもらっています。
さて、今日はラジッグさんの新作『水辺のココカン』を、制作エピソードを交えて、じっくりとご紹介させていただきたいと思います。
きっかけは、ラジッグさんのアトリエで見たこちらの作品でした。
ココカン(シラサギ)の足元の水面を見てください。
横幅1.2mの大作の迫力もさることながら、一目見て惹かれたのは、
水の揺らぎが作り出す水紋のおもしろさです。
見ていると、なんだか吸い込まれてしまいそうです。
ココカンはバリ島ではおなじみの鳥ですが、たまたまこれまで扱ったことがなかったので、これは是非!と思ったわけです。
小さめで飾りやすいサイズにして、
ココカンはつがい、花は蓮
とラジッグさんにお願いしました。
数日後には下絵を送っていただき、制作は順調に進んでいきました。
ところが、8割完成というところで、ちょっとした問題が起こったのです。
元の作品はモノトーンに近いグレイシュな色使いで描かれており、そこから来る静謐さが魅力でもあったのですが、小さくすると少し寂しく感じられたのです。
できるだけラジッグさんの画風は尊重しつつ、もう少しだけ色味をプラスできないかと相談してみました。
すると、こちらの意をくんで下さり、蓮のピンクと水の青さを調節していただくことができました。
その結果、絵に華やかさが加わり、とても素敵な仕上がりになりました。
先日、完成品が日本に届き、現物を目にしてその思いはさらに強くなりました。
それでは、「水辺のココカン」、その詳細を拡大画像でじっくりとご覧ください。
サイズは50x40cm。
蓮のピンクと水の青さがとてもきれいです。
中心部の花は明るく、端にいくほど深みのある色合いになっています。
葉陰を背景に、ココカンの羽根の白さが際立ちます。
水のグラデーションは竹筆を使って、淡くぼかした絵の具を幾度も塗り重ねて、描き出されています。
集中力と根気を必要とする丹念な手仕事です。
水辺の草のシャープな輪郭線にも竹筆が使われています。
図案化された雲が絵の雰囲気によくあっています。
モダンなボックスフレームに額装していますので、リビングや寝室、玄関など、様々な場所に飾っていただけると思います。
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ラジッグさんの作品ページも是非ご覧になってください。