新作情報 〜 ソキさんのアトリエから
こんにちは、坂本澄子です。
日が短くなりました、冬の訪れももうすぐですね。ライトアップされた街路樹の紅葉の美しさに見とれる秋深まる今日この頃。ソキさんのアトリエから新作情報をお届けします。
今年の新春特別企画の『バリ島屈指の人気作家の作品に登場しませんか』をご覧になったお客様からご依頼をいただき、ソキさんに”ある制作”をお願いしています。写真でソキさんが手にしているのが制作中の作品の一部なのですが。。。それについては、また改めてご紹介させてください。
ふと横をみると、描きかけの『バリ島』がありました。以前、描いてもらったものとはかなり雰囲気が違い、真っ青な海がとても印象的です。
『バリ島』は世界中から注文のたえない、ソキさんの人気作品のひとつですが、たとえ同じ構図であっても、色使いやモチーフを変えることで、世界にひとつだけの作品を作リ出す、それがソキさんのこだわりでもあります。この作品も注文に応じて描いているものだそう。
「バリアートショールームにも在庫として持っておきたい」
ふとそんな考えが頭をよぎりました。本物の絵が持つエネルギーを感じていただくためにも、実物がそこにあることはとても大切なことです。悩みました。
それでも、それは安易にすべきではないと思ったのは、海の色ひとつとっても、お客様それぞれのイメージがあると考えたから。バリ島が好きな人であればあるほど、思い入れも強いでしょう。そう考えると、お客様ひとりひとりにとっての『バリ島』をお届けしたいと思ったのです。
ソキさんのギャラリーの中を見て回ると、飾りやすい大きさの作品がありました。いずれもサイズは35x50cm、この作品が特に気にいりました。ピンク色の大地はソキさんの作品にはめずらしい色使いです。水紋に至るまで実に細かく描かれており、近づいて見ても、離れて見ても、いい作品だと思いました。(画像をクリックすると詳細がご覧になれます)
この他に新作がもう2点、いずれも額縁チョイスでお届けします。お部屋の雰囲気やお好みに合わせて5種類の額縁からお選びください。
プンゴセカン新作情報
こんにちは、坂本澄子です。今年は秋が長くて、なんだか得した気分♪ですね。皆さまは秋の夜長をどんなふうにお過ごしでしょうか。私はケン(フレンチブルドッグ♂4歳)を連れて、いつもより長めにお散歩しています。虫の鳴く声を聴きながら歩く1時間、ちょっぴり心豊かになりますね。そんな芸術の秋にふさわしい新作10点をアップしました。
様々なスタイルが楽しめるのがバリ絵画の魅力ですが、私たち日本人の心の琴線に触れるのはまずはやはり花鳥画でしょう。そこで、プンゴセカン・スタイル(バリ花鳥画)から魅力いっぱいの作品をご紹介します。これ以外にも新しい作品がありますので、LABA, RAJIGの作品ページをチェックしてみてくださいませ!
<選べる額縁>
今回の新作は、額縁が選べる特典付き。手彫り彫刻入りの重厚なものからモダンでスタイリッシュなタイプまで5種類の中から、お部屋の雰囲気やお好みにあわせてチョイスしていただけます。ご注文を受けてから額装しますので、お届けまで2週間程度お時間をください。詳しくはこちらをどうぞ。
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ウィラナタ新作『満月の下で』を入荷
こんにちは、坂本澄子。
ウィラナタの新作が届きました。写真で見ていた何倍も素晴らしい作品です。
真っ先に目に飛び込んでくるのは山の向こうに昇った満月。その蒼白い光と水に映るもうひとつの月。幻想的なその光景は見る人を厳かな気持ちにします。
これは1960年代、村にまだ電気が届いていないころの情景で、石油ランプを使って灯りをともしています。とても重いので、これは頑健な成人男性の仕事だったそうです。人物の上半身が裸なのは、その頃のバリ島の風俗がそのまま表現されているため。
篝火を持って水面を照らしている少年は、田うなぎや水中の昆虫を探しています。画家が自身の少年時代を思い出しながら描いた、最も思い入れの深い部分。
これらの暖かみのある光にほっとするような気分を味わい、その光が照らすところに視線を移すと、丁寧な描き込みによって、素足に触れる草の感触までが、伝わってきます。耳を澄ますと、上の田圃から流れ落ちる水の音、虫の鳴く声などが聴こえてきそうです。
画家のつけたタイトルは”Fullmoon Galungan”。ガルンガンと言えば、バリで最も盛大なお祭りですが、ここでは家族でしめやかに祝う祭礼としての一面が描かれています。日本語タイトルは『満月の夜に』とさせていただきました。
実物でしか伝わらないこの繊細さをぜひご覧になってください。1月23(金)・24日(土)の2日間、「幻想心象風景画 作品展」でどうぞ。
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幻想心象風景画 作品展・・・有楽町線「銀座一丁目」駅から徒歩1分
2つの光が映し出す幻想世界
こんにちは、坂本澄子です。暮れも押し詰まってまいりました。昨日が仕事納めだった方も多いのではないでしょうか。
ウィラナタの新作『満月の夜に(仮題)』がついに完成しました。蒼白い満月が水面を照らし、幻想的に空間を映し出しています。そして、この絵にはもうひとつの光が。田圃の脇に置かれた祠を照らすランプと篝火の暖かみのある光です。
質感の異なる2つの光がひとつの絵の中に描かれることで、異なる時空間が共存するような不思議な感覚を覚えます。
「これは意図してそうしたのですか?」
思い切って画家本人に聞いてみました。
でも、彼は静かに微笑んだまま。まるで、どう感じるかは受け手次第と言っているようです。
月の満ち欠けと密接に暮らすバリ島では、満月は永遠の平安をもたらすと言われ、大小さまざまな祭礼が行われます。
この作品に描かれているのは、家族を中心とした比較的小さなもので、左側の祭壇に安置された聖水を使って祭事が行われます。右側の祠(ほこら)には、作物の実りを司る神様、デウィスリが祀られており、今夜は田植えが無事に行われるよう祈願する祭事が行われようとしているところ。
祭礼の準備をするおとなたちに混じって、中央で篝火をかざして田圃を覗き込んでいる少年は画家本人です。田うなぎや水中の昆虫を捕まえた少年時代のワクワクするような思い出が、祭りの前の高揚感と重なり合っています。
ウィラナタが最も影響を受けたというドイツ人画家シュピースも、ひとつの絵の中に複数の時空間を描きました。この作品にもそんなニュアンスが感じられます。
姉ガルーの新作入荷とちょうどタイミングが合いました。そこで、新作2点を含む2人の画家による幻想心象風景画の作品展を行うことにしました。
1月23日(金)、24日(土)の2日間、場所は夏にウィラナタの新作鑑賞会を行った銀座のRONDOです。
この作品、あなたの目にはどう映るか、ぜひご覧になってくださいね。
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ドイツ人画家シュピース 現代バリ芸術の父とも呼ばれ、バリ絵画に最も影響を与えた西洋人のひとり
完成!ガルー新作『朝のセレモニー』
こんにちは、坂本澄子です。
今日はバリ島最大の祭礼のひとつ、ガルンガン。善が悪に打ち勝ったことを祝い、先祖の霊が降臨するお祭りで、一斉に各家の前にベンジョールと呼ばれる竹飾りが立てられます。それはもう壮観ですよ。
バリのお母さんたちは豚を屠り、お祭りのご馳走を作ったり、お供え物の準備をしたりと、ここのところずっと大忙しだったことでしょう。
さて、今日は幻想的な心象風景画で世界を魅了する女流作家、ガルーの新作のご紹介です。
そう言って、そっと見せてもらったのが11月の半ば。その時はまだ6〜7割程度の完成度といったところでしたが、目の前に高い椰子の木がそびえ立つ、ちょっと変わった構図を見ただけで、
横幅3mの大作を始め、
ウブドも近年開発の波が押し寄せ、のどかな田園風景や伝統的なライフスタイルは次第に変わりつつあります。そんな様子に目の当たりにし、この美しい風景がいつまでも続いてほしいと、切なる願いを込めて描かれた作品です。
では、全貌をご覧ください。
コントラストのある描き方をしているため、少し離れた場所から見ると奥行きのある風景画として楽しめます。そして、近づいてみると、物語の場面のような繊細な描写にぐいぐいと引き込まれていくんです。グリコじゃないけど、まさに二度おいしい作品。
この作品、ぜひ実物をご覧いただきたいのですが、次回絵画展は春になるため、ご希望の方には個別に内覧会をご案内します。こちらのフォームからお申し込み下さい。
それにしても、ガルーさんってステキですよね。女性の私から見てもうっとりしちゃいます〜。
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満月の夜の思い出を描く
こんにちは、坂本澄子です。
前回のブログで、満月の夜の思い出をお話しましたが、子供の頃の美しい思い出を持つ人がここにもいました。バリ島の画家ウィラナタです。
初めての方に少しご紹介します。ウィラナタは「現代バリ芸術の父」と言われるドイツ人画家シュピースに強く影響を受け、熱帯の幻想的な風景を描き続ける画家。自身の少年時代の思い出を光で表現した独特な心象風景画で定評があります。(特集ページはこちら)
バリ島を代表する美術館、プリ・ルキサン美術館、ネカ美術館(写真は『村の風景』)などがその作品を所蔵・展示しており、世界中から訪れる人々を魅了しています。実は私もそんなひとり。初めてネカ美術館を訪れた時に気になった絵が、実はウィラナタの作品だったのです。それがわかったのは随分後になってからなのですけどね。
以前、アトリエを訪れたとき、彼の奥さんとお母さんが満月の祭礼の準備をしていました。アトリエの中にある小さな祭壇にチャナンを供え、聖水で場を清めていく様子は、バリでは珍しい光景ではありませんが、
「満月は永遠の平安をもらたすんだ」
ポツリと言ったその一言が、私の心の中にいつまでも消えない余韻を残し、彼に満月をテーマに制作を依頼することとなったのです。それがわずか数週間前のこと。
「次々とイメージが湧いて来るんだ。描いていて楽しくて仕方ない」
そんな言葉が添えられて、写真が送られてきました。
(え、もうこんなにできてる?!)
売れっ子作家の彼に依頼して、こんなに早く進んだことは正直初めて。それくらい、この絵にぐぐぐーっと傾倒しているのでしょう。
満月が棚田の水面に写り、明るく照らし出された空間がありました。田圃の脇の小さな祠の回りでは家族が祭礼の準備をしています。そして、ほぼ中央には小さな松明を手に畦道を照らす少年が。きっと画家自身に違いありません。
(彼らしい…)
そう思って何だか嬉しくなりました。今回もいい絵になりそうです。
さて、満月と言えば、嬉しいお知らせが。
私の大好きな写真家、澤野新一朗さんから、来年ついにバリに行くとの連絡がありました。以前このブログでもご紹介させていただきましたが、澤野さんは南アフリカの大地を20年以上に渡り撮り続けている、自然と人の調和をテーマとした写真家。NHKのドキュメンタリーにも取り上げられるなど多忙な毎日。バリ島で満月の夜を撮りたいと、もう随分前から言っておられましたが、ようやくスケジュール調整がつきそうとのこと。
自然と人の調和はまさにバリの人々の生き方にも通じるものがあり、澤野さんには絵画展にもよく来ていただき、「いつかコラボしたいですね」とも。この絵が完成したら、そちらも実現できるといいなあ…と夢を膨らませているところです。
今日から25日まで、澤野新一朗写真展『THE COLOR OF NATURE』が千代田区六番町の飯田弥生美術館ギャラリーで開催されます。アフリカの大地の雄大さと澤野さんの気さくな人柄にきっと癒されますよ。
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国境を超えて意気に感じ合った時間
こんにちは、坂本澄子です。秋晴れのいいお天気です。
今日から23日まで、東京・豊洲にある住宅展示場(スマートハウジング豊洲まちなみ公園)で、『気軽に飾れるバリアート』展を行っています。住宅を購入される際に、絵が一枚ほしいなと思っておられるお客様に、バリ絵画の入門編としてご紹介しています。お求めやすい価格帯の花鳥画を中心に展示販売(対面での販売対応は13〜15日。私も会場におります)しておりますので、よろしかったら是非覗いてみてください。最新のモデルハウス15棟もお待ちしてま〜す^o^/
さて、今日は画家のアンタラ(Antara)さんのお話です。
秋のバリ絵画展『豊穣の大地』のイメージ画像になっているあの作品の作者です。
秋の絵画展で彼の風景人物画をご覧いただきたいと、少し前から制作をお願いしていました。2点ほど写真が送られてきたのが7月初旬のこと。どちらもアンタラさんらしい、真摯な祈りが込められた素晴らしい出来映えでした。特に奥様をモデルに描いたという『海の女神に祈る』は、白い波しぶきを見ていると、耳元にその音が聴こえてくるほど。でも、以前彼のアトリエで見た黄金の大地を描いた絵が忘れられず、日程的にかなりタイトと思いつつも、「豊穣の女神を描いていただけませんか」とお願いしてしまいました。
アンタラさん、すごく頑張ってくれましたよ。バリの画家さんの間ではメールでのコミュニケーションはまだ一般的ではありませんが、大変こまめに連絡をもらいました。時には夜中の2時頃に送られてくることも。時差が1時間あるにしても、こんな時間にまだアトリエにいるのかと思うと、じーんと来ました。そしてついに完成。ところが…。
絵が大き過ぎて(100cmx150cm)、国際郵便では送れないと言われたのです(汗)。エアカーゴのドアツードア・サービスで見積もるととんでもない金額に(顔面蒼白)。画家がここまで頑張ってくれたのだから、何としても間に合わせたい。しかし、油彩だとヒビが入ってしまうので、丸めて送ることはできません。その時、
「ベースはアクリルで描いてるから丸めても大丈夫」
それはまるで天からの声のように聴こえました。アクリル絵の具でベースを描いた後、油絵の具で細部を仕上げる”ミクストメディア”の技法で制作してくれていたのです。湿度の高いバリではこの方が早く絵の具が乾くので、待ち時間が減り、短期間でも完成度の高い作品が描けるのだそうです。
こうして無事に発送され、毎日、追跡サイトを見てはハラハラと待つこと一週間、日本に昨日届き、現在額装中です。日本とはキャンバスのサイズ規格が異なるため、木枠から作成してキャンバスを張り直す必要が生じ、ごめんなさい、初日にはどうしても間に合いませんでした。20、21日の週末2日間、展示します。
国境を超えて、言葉も価値観も違う人と仕事をする。皆様のお仕事でもきっとそんな機会が増えていらっしゃるのではないでしょうか。日本人同士でも「伝わらな〜い」と思うことが多いのに、グローバルで仕事をするのはさぞかしご苦労が多いことでしょう。私の場合も、アンタラさんはインドネシア、シンガポールなどで売れっ子作家、描けば売れるという状態ですから、冷静に考えると、ここまで付き合ってくれる必要はなかったでしょう。でも、これ程頑張ってくれたのは、バリ絵画を日本に紹介したいという私の思いを意気に感じてくれたからだと思うんです。どんな仕事であっても、結局は人と人との信頼だと思った出来事でした。
この作品、秋のバリ絵画展『豊穣の大地』に見に来てくださいね。あ、豊洲の方にも是非お越し下さい^o^ どちらもお待ちしています!
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“Featured Artist” アンタラ特集 2分の動画で画家の素顔を紹介しています。
秋のバリ絵画展『豊穣の大地』 9月18日(木)〜21日(日)@東京・麻布十番
『気軽に飾れるバリアート』展 9月13日(土)〜23日(祝) @東京・豊洲
『2つのバリ島』作家自身が語るこの絵の見どころ
こんにちは、坂本澄子です。
前回のブログで、「tomuさんのロンボク島旅日記」をご紹介しました。そのtomuさんが「バリアートショールーム」に注文制作を依頼して下さったのが『2つのバリ島』です。写真をご覧の通り、対をなす作品で、左が昨年11月に制作された『バリ島』。島をかたどった上にバリの文化・風習がぎっしりと詰まったエネルギー溢れる作品、バリ好きにはもうたまりませ〜ん。そして、右が「神々の島」としてのバリを描いてほしいとご要望いただいて7月に完成した新作です。
実は、画家のソキさんもそのような絵は描いたことがなかったそうで、最初はやや戸惑い気味。しかし、ご注文主の意図を知ると「やってみましょう」と意欲を見せて下さいました。祈って構図のイメージが与えられてからはスムーズに進んだというこの作品、作家自身にその見どころを語ってもらいました。
バリ島には実に多くの祭礼があり、古来人々は人生の様々な局面で八百万(やおろず)の神々に守られていると信じています。そんな人生のハイライトが、聖峰アグン山を背景にヤングアーティスト派に特徴的なシンメトリーな構図で描かれています。それぞれの祭礼にはちゃんと意味があるんだよと熱く語っていただきました!
人の一生と神々の関わり
この様子は『バリ島の一流アーティストたち』の動画シリーズ第3弾として、近々公開予定ですのでお楽しみに〜。
さて、もう一方の『バリ島』はソキさんの人気の定番作品です。そこで、バリアートショールームからのご提案、ここに思い出の場所を入れて、あなただけの『バリ島』を制作してみませんか。1カ所カスタマイズする形で同じ金額でお受けします。
私ならウブド郊外にある古代遺跡ゴア・ガジャを描いてもらいたいなぁと、先日写真を送って、その部分のサンプルを描いてもらいました。こんな感じで絵の中に入れることができます。ちょっと『ウォーリーを探せ』な気分^o^
ちなみに右が私、左の男性はガイドのイッポンさんです(^o^;
これらの作品はtomuさんのご厚意で、9月18日(木)〜21日(日)に行われる秋のバリ絵画展『豊穣の大地』に特別展示されます。ご希望がございましたらご注文制作もお受けしますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
<関連ページ> これらの2作品が制作される様子をご紹介しています。
アンタラ新作『海の女神に祈りを捧げる』
こんにちは、坂本澄子です。
心洗われるような作品に出会いました。Pickup artist #001でご紹介しているアンタラさんの最新作『海の女神に祈りを捧げる』です。覚えておられる方もおられるかも知れませんが、バリアートショールームの最初の絵画展のタイトルが『青い海を描かない作家たち』でした。同じバリでも、海辺のリゾートとは違う世界があることをお伝えしたかったので、敢えてこのタイトルを選んだのですが、実際、バリ島のおヘソのあたりに位置するウブドの人たちが海に出かけることは滅多にありません。1年に一度の大切な日を除いては。
バリ暦の新年ニュピは島中が祈りと静寂に包まれる日、その前には島中を浄化する一連の儀式が行われます。そのひとつがムラスティ。ウブドの寺院のご神体を村人総出で海辺まで運び海水で清める日です。そのムラスティに海辺で祈りを捧げる女性を描いたこの作品、白濁する波しぶきがどこまでも続き、久々に心洗われるような感動を覚えました。
モデルは少し若かった頃の奥様(今も十分お綺麗です^_^)、そして、海辺の村サヌールの近くのこの浜辺は、アンタラさんが最も楽しかった思い出として語ってくれた、家族旅行をしたときに見た海だそう。バリの人、特にウブドに住む人たちはバンジャールと呼ばれる共同体で生活しているため、毎週のように共同で行う農作業や祭礼があり、旅行などで村を離れること自体がとても珍しいことなのです。
ところでこの作品、今ちょっと考えていることがあり、そのために描いてもらった長さ150cmの大作3点のうちの一つなんです。右の作品『真夏の祭列』もそう。このお話についてはまたの機会にお話しますね。
今日も暑い一日になりそう。お身体に気をつけてお過ごしください!
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作家×注文者が創り上げた「一枚の絵」(後編)
こんにちは、坂本澄子です。今日はソキさんとお客様が創り上げた一枚の絵、その制作秘話の後編をお届けします。
ご注文者(ペンネーム:tomu様)は50代の男性会社員。初めてバリに出会ったのは5年前、会社を辞めてバリ島に渡った元同僚のN様から「一度遊びに来てください!」と誘われたのがきっかけだったそうです。その時、tomu様が感じたバリはまさに「神々が棲む島」、そして少し前の日本に似た懐かしさを感じる場所でした。それから数年が経ち、N様はバリ人の男性と結婚、そして今年3月には元気な男の子が生まれました。
「今回の絵を注文したのは、それがきっかけだったのです」と、話して下さったtomu様、以下そのお便りをご紹介します
彼の名前はダイキくん。。。誕生日が私とほぼ一緒で、日本とインドネシアの国籍を持ち色白で手足の長いイケメンくんです。
彼、ダイキくんはこの先元気でバリ島に暮らし、人々の愛情をたくさん受けて大きく成長をして、やがて恋をして結婚。。ひょっとしたらママと同じ日本人をパートナーに選ぶかもしれない。そして子供が生まれ、家族でバリ島の伝統を守り幸せな生活を続けるのだろう!!
そんな人生の節目、節目にバリ島で行われる神聖な儀式には必ず神様がそばにいるはず!バリの人たちはそう感じているはず!ならば、ソキさんの描く神様と人々の暮らしをダイキくんと一緒に見たい!!、そう思ったのです。
このことを坂本様に最初にご連絡したのも秘密のお願いでした。私の心の中で描いているイメージが上手く伝わるか?不安でしたが、ソキさんの描いた下絵を見て、「凄い!!私達日本人が心で感じる目には見えないもの。。それは、バリに住む人々も同じなんだ」と確信しました。
益々、バリ島に憧れる毎日です。
何だかじーんと来ました。前回のブログを読んでくださったN様からは、ソキさんの後日談、「神様にお祈りを捧げました。すると間もなく、頭の中に構図のイメージを授けられ、タイトルが決まったのです」について、次のような感想をいただきました。
バリ人らしいですねー!
これは大げさな表現とかではなく、事実なんだと思います。
バリ人的な言い方をすると、「神様が降りてきた」でしょうか。
私もどっぷりバリ人生活をして分かってきたことですが、日本人の神社で手をパンパン叩いて願い事をするのとは違い(笑)、神様というか、目に見えないものと密接に関わっているんだなーと実感しています。
多分日本もそうだったはずなんですが、みんな忙しくて、目に見える物しか見なくなってしまったのでしょうね。
目に見える物しか見なくなってしまった…、そうですね、本当に。私がバリを好きになり、この「バリアートショールーム」を始めたきっかけも同じでした。様々な情報が慌ただしく流れていく毎日、だけど、ここに来れば、ずっと変わらない大切な何かがちゃんとある、そう感じていただける場所になればと、未熟な歩みではありますが、日々頑張っています。そんな私の思いを感じて下さってか、tomu様から一番最初にご相談いただけたことを本当に嬉しく、光栄に思っています。
そんなソキさんの最新作『LAHIR, HIDUP, MEMINGGAL 〜 誕生、生活、死〜』、どうぞご一緒にご鑑賞ください。
<関連ページ>
ソキ画家&作品紹介 バリ島の美術館に選ばれた作家、バリを代表するアーティストです
ソキ渾身の最新作 『LAHIR, HIDUP, MEMINGGAL 〜 誕生、生活、死〜』