2014.8.2
アンタラ新作『海の女神に祈りを捧げる』
こんにちは、坂本澄子です。
心洗われるような作品に出会いました。Pickup artist #001でご紹介しているアンタラさんの最新作『海の女神に祈りを捧げる』です。覚えておられる方もおられるかも知れませんが、バリアートショールームの最初の絵画展のタイトルが『青い海を描かない作家たち』でした。同じバリでも、海辺のリゾートとは違う世界があることをお伝えしたかったので、敢えてこのタイトルを選んだのですが、実際、バリ島のおヘソのあたりに位置するウブドの人たちが海に出かけることは滅多にありません。1年に一度の大切な日を除いては。
バリ暦の新年ニュピは島中が祈りと静寂に包まれる日、その前には島中を浄化する一連の儀式が行われます。そのひとつがムラスティ。ウブドの寺院のご神体を村人総出で海辺まで運び海水で清める日です。そのムラスティに海辺で祈りを捧げる女性を描いたこの作品、白濁する波しぶきがどこまでも続き、久々に心洗われるような感動を覚えました。
モデルは少し若かった頃の奥様(今も十分お綺麗です^_^)、そして、海辺の村サヌールの近くのこの浜辺は、アンタラさんが最も楽しかった思い出として語ってくれた、家族旅行をしたときに見た海だそう。バリの人、特にウブドに住む人たちはバンジャールと呼ばれる共同体で生活しているため、毎週のように共同で行う農作業や祭礼があり、旅行などで村を離れること自体がとても珍しいことなのです。
ところでこの作品、今ちょっと考えていることがあり、そのために描いてもらった長さ150cmの大作3点のうちの一つなんです。右の作品『真夏の祭列』もそう。このお話についてはまたの機会にお話しますね。
今日も暑い一日になりそう。お身体に気をつけてお過ごしください!
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