バリアートショールーム オーナーブログ
2014.8.6

神社でバリ祭の意外な組合せ

こんにちは、坂本澄子です。いや、暑いですね〜。東京36℃、もう溶けそうです。日陰を選んでジグザグ歩き、御陰で約束に遅れそうになり、走ると汗がドーッ(^o^;

ブログ157_バリ舞踊祭そんな猛暑の中、さらに熱かったのが阿佐ヶ谷バリ舞踊祭(8月2日、3日)。実は、阿佐ヶ谷でバリのお祭りがあることはこれまでも聞いていましたが、「神社でバリのお祭り…?!」という気持ちが拭えず、参加したのは今回が初めてなんです。で、実際に行ってみて、中身の素晴らしさはもちろんのこと、「なぜ神社?」という疑問もスッキリしました。

阿佐ヶ谷神明宮の境内にはお能も行われるという立派な舞台が設えられ、その前は手入れの行き届いた広い芝生。ゴミ一つない気持ちのよい場所がこのバリ舞踊祭の会場。バリ島でも、奉納舞踊は降臨した神々をもてなすために神社の境内で舞われます。その共通点と、しっくりと調和した神社×バリ、に納得しました。

入場無料、出演者の皆さんはボランティア。広い境内がほぼいっぱいの盛況ぶりです。屋台でビンタンビールにエビせん、テンペ(大豆を発酵させたものを油で揚げた料理、というよりおつまみに近い。納豆とチーズを足して2で割ったようなお味で、結構後をひく)、サテを仕入れ、芝生に座って準備OK。

 ブログ158_老人舞踊は生ガムランとの共演で、花びらを撒くウエルカムの舞に始まり、かわいい傘を持って舞う踊り、迫力いっぱいの闘鶏の舞「サブン・ガン・アヤム」、老人っぽい動作がなんともコミカルな「トペン・トゥア」(写真)と続きます。皆さん、毎年バリまで出かけては研鑽を重ねる踊り手さんばかりですが、10年以上やってもまだほんの入口と思うほど奥が深いのだそう。2日(土)の舞踊の〆は30分にも及ぶ「クビャール・レゴン」。最初は静かな動作で始まり、次第にその激しさを増していく迫力に見入ってしまいました。

ブログ158_ワヤンそして、土曜日のプログラム最後のワヤン(影絵芝居)。私の座っていた場所はちょうどスクリーンを横から見る位置にあたり、舞台裏の様子もしっかり見ることができました。スクリーンのすぐ裏側には大きな油壺がぶら下げられ、そこに差し込んだ木の棒に火をつけて、スクリーンを照らします。

ブログ158_影絵とシルエット板で隔てられているとは言え、語り部の顔のすぐ前で火が赤々と燃えているのは、何とも熱そう。両脇から2人がかりで火に油を注いでは大きな炎を保つ中、語り部は謡のような独特の調子をつけながら古代語と日本語を交互に使い、両手は人形を操り、さらに足は打楽器で効果音をきざみ…、「一体ひとりで何役こなしているのだろう」と思ったとき、このあかりが神社の社を照らし、幻想的な風景を創り出しているのに気づきました。芝生で見ていると涼しい風が。

その夜、バリ祭で可憐な舞を披露された舞踏家のNさんから、こんなメッセージが届きました。

「バリの踊りや絵画がもっと多くの方に知って頂けて、その素晴らしさ感じて頂けると良いですね! そう信じてこれからも精進しようと思います!」

そう思わせる何かがあるんですよね。ボランティアで出演された皆様(ちなみにワヤンの語り部さんは午後の新幹線に飛び乗って浜松から参加されたそう)、会場の観客との調和と一体感。また、来年も会いたい、そう思いました。素敵な時間をありがとうございました。

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