バリアートショールーム オーナーブログ
2013.6.8

バリ島美術館巡り② ネカ美術館

こんにちは、坂本澄子です。梅雨の中休み、というより、「もしかしてまだ入ってなかった?」と思うくらい、過ごしやすいお天気が続いてますね。気象庁による梅雨入り発表(宣言ではない)は“◯◯が何日続いたら”といった明確な基準がある訳ではなく、現在までの天気経過と今後一週間先までの見通しに基づくあくまで予報、つまり、後から修正もありなのだそうです。

ネカ美術館見取り図さて、今日は美術館巡り第二弾、ネカ美術館のご紹介です。観光でバリ島に来て、どこか一つだけ美術館に行きたいという方がおられたら、私は迷わずネカ美術館をお勧めします。16世紀の影絵芝居をルーツとして誕生。神話の世界を描きながら発展し、1920年代には西洋技法と融合。その後いくつかのスタイルに分かれて進化したバリ絵画の歴史を、体系だって学べる展示構成になっているからです。西洋絵画の影響については、色彩においてアリー・スミット、解剖学に基づく人物描写でルドルフ・ボネ、そして遠近法を用いた風景描写でヴァルター・シュピース。彼ら西洋人画家の作品も多数展示されているため、どのように影響を受けたのかがよくわかります。

アリー・スミットのパビリオン

アリー・スミットのパビリオン

特に, アリー・スミットの作品コレクションが充実しています。独立したパビリオンに飾られた明るい色彩の風景画の数々に、きっと気持ちも明るくなるはず。 ちなみに、先日ご紹介したバリの遠近法、バリ絵画の描き方はネカ美術館の文献を参考にさせてもらいました。単に作品を展示するだけでなく、バリ絵画をきちんと伝え、守り育てていこうという気概のようなものを感じます。

もう一つ見逃せないのは、展示室の窓、天井、扉などの建具類に見られる、バリ人の美意識の高さです。窓の美しい文様を通して見る中庭の風景はそれだけでひとつの作品と言ってもいいほど。 所蔵作品としては、戦後〜現代作家によるもののウェイトが高いので、もし時間が許せば、プリ・ルキサン美術館にもはしごして(タクシーで10分)、カマサン・スタイル、バトゥアン・スタイルなどのバリ伝統絵画の作品を見て前半を補足すれば、あなたはもうかなりのバリ絵画通です。

展示室の美しい建具類

展示室の美しい建具類(左から窓、アリー・スミット・パビリオンの天井と扉)

ところで、ネカ美術館を出ると、目の前にBBQ屋さんがあります。ここから蒲焼き風のいいにおいが漂ってきて、ついふらふらと吸い寄せられてしまいます。でもここは観光客プライスなので、ぐっとこらえて、もう10分ほど坂道を下った左側にあるお店がおすすめです。ビンタンビールを飲んでBBQを色々頼んでも1人5〜600円もあればお腹いっぱいになります。是非お試しを。

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