バリアートショールーム オーナーブログ
2015.3.7

バリの神様④ 神話に登場する化身たち〜古典絵画の魅力

こんにちは、坂本澄子です。

前回は「バリの神様」シリーズ第3弾として、世界の秩序を司る神ウィシュヌをご紹介し、10以上の化身があることをお話しましたが、いったいどんな化身なのでしょうね。今日はバリ絵画を通じて神話の世界にお連れしたいと思います。

ブログ202_ラーマヤナー「ウィシュヌの化身なら、きっとハンサムな王子では?」

はい、「ラーマヤナー」の主人公のラーマ王子はまさにそんな感じに描かれています。写真は、ラーマ王子(左)に、シータ妃がさらわれたことを猿王ハヌマン(右)が報告している場面ですが、異母弟のラクシュマナと並んで立った姿は、貴公子然としていますね。

 

「ラーマヤナー」はヒンドゥ教の神話のひとつ。物語のあらすじについては、以前ご紹介していますので、こちらも併せてお読みになってみてください。ところでこの物語の一番の見せ場は、シータ妃を取り戻すために、魔王ラワナ(日本の昔話でいうところの鬼)とその一味を相手に、猿王ハヌマン率いるサル軍団が大乱闘を繰り広げる場面です。その様子を描いた作品がこちら。(画面をクリックすると詳細がご覧になれます)

ブログ202_ラーマヤナー2

『ラーマヤナー〜魔王と戦うサル軍団』 ムリアティ作 アクリル画 60x80cm  59,000円(税込)

敵味方入り乱れながらの大乱闘、サル軍団が魔王の手下をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…?、迫力ある戦いの場面がキャンバスいっぱいに展開されています。

「ラーマヤナー」では貴公子として描かれているウィシュヌですが、別の化身であるクリシュナは全く印象が異なります。こちらの作品を見てください。注:左に小さく描かれた涼しげな顔の方ではありませんよ。クリシュナは中央です。

ブログ202_クリシュナ

 『マハーバーラタ〜クリシュナ』 ムリアティ作 アクリル画 68x78cm 90,000円(税込)

何本もの手にそれぞれ違った武器を持ち、額にある第三の目は火を放つとも。その雄姿は猛々しく、またどこかユーモラスでもあります。ちなみに、千手観音像はクリシュナをモデルにしているとの説も。

これらの作品はカマサン・スタイルと呼ばれ、影絵に端を発する最も古典的な技法で描かれています。墨で陰影をつけた下絵に赤、青、茶、黄の4色で彩色、人物描写が平面的、顔は斜め45度に描かれるのが特徴です。

作家は14世紀から続く古典絵画を継承するカマサン村出身の女流画家ムリアティ。古典絵画ならではのプリミティブな味わいに加え、女性ならではの色使いが洗練された魅力を添えていますね。

 5月18日(月)〜23日(土)のバリ絵画作品展では、バリ絵画の主要スタイルを網羅する50点を展示します。今回はアートルキサンさんの協賛で行い、今日ご紹介した作品を始め、ウェブサイト掲載の古典絵画の実物を見て購入できるチャンスですよ。どうぞお楽しみに。

<関連ページ>

カマサン・スタイル

バリ絵画の専門店「アートルキサン」公式ホームページ

 

 

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