『ある少女の肖像』彼女はいま
こんにちは、坂本澄子です。
風が冷たいですね。ケン(フレブル3歳♂)が落ち葉を追いかけて飛び回っています。
さてさて、今日はちょっと嬉しい経験をしたお話です。
この絵を覚えておられるでしょうか。高校を卒業し、夢に向かって新たな一歩を踏み出したあのウブドの17歳、ウタリです。
彼女の凛とした美しさを絵で残したくて、アンタラさんのアトリエに連れていったのが今年5月のこと。(3分間ムービーで是非ご覧ください)そして、その時私はブログの中で、この作品の売上金の10%をお祝いとして彼女に贈りたいと書いていました。
あれから半年…。
このことはしばらく私の意識の中から遠ざかっていました。ところが、先日あるお客様がこの作品を購入して下さったのです。
「そうだ、お祝い!」
そのことを書いて、絵と一緒にお送りしたところ、お客様はブログに書いたお祝いのことはご存知なかったようで、「感動した。彼女に頑張ってと伝えて下さい」ととても喜んで下さいました。ウタリももちろんとても喜んでくれましたよ。そして、そのことはお客様、そして私をも幸せな気持ちにしてくれました。宝物を自分で隠しておきながら忘れてしまい、ある日それを偶然見つけた、そんな気分です\(^o^)/
バリでは農業か観光業に従事するのがこれまで一般的だったのですが、インドネシア全体の経済成長を受けて、男性だけでなく、女性も専門性の高い職業を志す人が増えてきているんだそうです。
彼女が通っていた共学の高校では、クラスメート25人中9人が大学や専門学校に進学。専攻は看護学校が2名、医学1名、法学1人、経済2人、経営3人といった内訳だそうです。
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近年、ウブドにも開発の波が押し寄せ、ホテルやヴィラの建設によって、美しい田園風景は失われつつあります。村と祭礼を中心とした伝統的な生活も変わってくるのかと思うと、何とも複雑な気分です。
バリもやがて日本と同じ道をたどるのではないか。そんな思いがよぎりました。
でも、古来自然と共存し豊かさを手に入れて来たバリだからこそ、経済的な繁栄と伝統を大切にすることの両方をうまくバランスしていけるような気もします。
ウタリたちの世代がどんなバリを築いていくのか、これからも絵画を通じて、関わっていけたらと思いました。
<関連ページ>
ウタリを描くアンタラさんの姿を3分間のムービーに収めました