観光客とバリの人々との出会いを描く
こんにちは、坂本澄子です。
前回のブログで、ユニークなおサルさんの絵で有名なASTAさんをご紹介しましたが、実は他にも気になっている画家さんがいるんです。
I Ketut Sadiaさん。ジャーナリズムや観光客とバリの人々の出会いを題材に取り上げて注目を集めている画家です。
ウブドから車で30分、バトゥアン村に彼のアトリエを訪ねてみました。ここはオランダ植民地時代も外国人が少なかった地域で、そのため西洋絵画の影響を受けず、バリ伝統絵画の特徴が現在も色濃く残っています。暗めの色彩を用いて神話などの場面をぎっしり描き込むのがこのスタイルの特徴の中、Sadiaさんのポップで明るい作風は異彩を放っていました。
実は、Sadiaさんを紹介してくれたのは、同じく画家の兄のBendiさんなのです。アジア芸術への玄関口としての役割を担う福岡県立美術館。ここで企画展を行ったこともあるというBendiさんの作品をプリ・ルキサン美術館で見てご自宅を訪ねたのです。アトリエにはたくさんの作品があり、どれもすばらしいかったのですが、お部屋に飾ることを考えたときに、バトゥアン・スタイルに特徴的な暗めの色遣いがちょっと気になりました。するとBendiさん、「弟の作品なら気に入るんじゃないかな」となった訳です。
アトリエに伺った時、Sadiaさんは写真のように大きな作品を制作中。中国の方からの依頼とのことで、中国風の建物とバリの人々が描かれていました。そういえば、ここ数年中国からの旅行者が急増しており、バリと中国を融合させた作品の注文が多いとか。日本+バリをテーマに描いてもらうとどんな作品になるのでしょうね。いつかお願いしてみたいと思っています。
ところで、バトゥアン村はウブドとは趣が異なり、時の積み重ねを感じるしっとりした住宅街です。どことなく生まれ故郷の街並みに似ているような気もしますね^_^
「バリアートショールーム1周年記念 展示即売会」では、バリ絵画の様々なスタイルの作品約40点がご覧いただけます。バトゥアン・スタイルはARIMINI氏の作品を展示します。ぜひ遊びに来て下さいね。3月29日(土), 30日(日)@表参道でお待ちしています!