バリアートショールーム オーナーブログ
2013.5.4

バリ絵画を愉しむヒント② 作品に描かれるモチーフ

こんにちは、坂本澄子です。ゴールデンウィーク後半、いかがお過ごしですか?私は毎日美術館巡りをしており、昨日は上野の国立西洋美術館のラファエロ展へ行ってきました。ルネッサンスの三大巨匠と言われるラファエロ、わずか37年間の生涯のうちに様々な作品を残しています。教会の壁画や天井画など大型の注文を受けた時は、多くの弟子を抱える工房でそれぞれの力量に応じた仕事を割り振ったそうです。それによって弟子が育ち、彼の偉業が後世に伝えられることになったのですね。また、こうした教会内部を目にする機会がない当時の一般の人々のために、その素描画を元に銅版画を作らせ、広く売りさばいたとも言われています。ビジネスの才覚もあった人なのだとちょっと驚きました。

さて、バリ絵画を愉しむヒント、前回はバリの人々の思想、そこから来る文化や風習についてお話しましたが、今日はそれらが実際の作品の中でどのように描かれているかをご紹介します。作品は「バリ島物語」アリミニ作、バトゥアン・スタイル)を取り上げます。このサイト内でも原画を展示販売していますので、あわせて見て下さいね。

この作品はウィシュヌと村人たちの生活を描いたものです。ウィシュヌはヒンドゥ教の三大神の一人、インド神話「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」では化身として勇士となって活躍しており、バリの人たちに大変人気のある神様です。この作品「バリ島物語」の中でも慕われる神として中央部分に描かれ、そこから湧き出る泉が村人たちの生活を潤すという構図になっています。周辺部に描かれた村人たちの生活シーンは前回のブログでもご紹介したバリの風習が描かれています。以下にそれぞれを詳しくご説明しますね。ブログ15_作品解説

 次回も引き続き、作品の中にバリの風習・文化が描かれている例を見て行きたいと思います。作品はヤング・アーティストの草分けソキさんの「実りの季節」です。お楽しみに。

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