バリ旅日記⑦ 艶かしくも美しい熱帯睡蓮
こんにちは、坂本澄子です。今日のウブドは朝曇り、お昼はちょっと晴れて、午後からまた一雨来そうなお天気です。乾季に向かう今の季節、ちょっと珍しい。御陰で快適に過ごせました。
睡蓮と言うと、夏の水辺を涼しく彩る花として、どちらかと言えば清楚なイメージですよね。ところが、熱帯睡蓮は茎が高く伸び、色も紫、青、濃い赤などとてもあでやか。ふとした瞬間、妖しい艶かしさすら感じます。そんな睡蓮のある光景を直感的な色彩で描く画家がいました。バリの画家たちの中でもひときわ異彩を放っています。
画家の名はガマ(I Wayan GAMA)。お腹の辺りをひと撫でしながらニンマリの風貌を見て、失礼にも吹き出してしまいました(ゴメンナサイ)。ちなみに、Wayan(ワヤン)は一番目の子という意味。二番目がMade, 三番目がNyoman, 四番目がKetur、五番目以降はまた最初に戻ります。Iは男性、女性ならNiです。つまり、「I(Ni) _ Wayan(Made/Nyoman/Ketur) _ 固有の名前」という命名法なのです。バリにはカースト制が残っており、この命名法は人口の大半を占める第四の層でのこと、他の層はまた別の名付けのルールがあるみたいです。だから、Wayanさんが多いのですね。
話を戻します。このガマ氏、気分が乗るとインスピレーションで筆を走らせるアーティスト。直感的に背景の色を決めると、熱帯の植物や鳥をやや様式化されたスタイルで描きます。背景は写真のように黒であったり、赤、白、青、時には金を使うことも。夜ライトアップされた水槽で泳ぐ魚たちを見ていると、一日の緊張が解きほぐされていく感じがしますが、この青い睡蓮もそれと似た静かな感覚を持ちました。まるで、絵の中に小さな世界があるみたいに。
7月のバリ絵画展「緑に抱かれる午後」では、ガマ氏の作品で、夏を連想する花のエッセンスを加えてみたいと考えています。緑とどんな風に調和させていくか楽しみです。
今回仕入れた作品は5月末までに「バリアートショールーム」の作品ページに公開します。ガマ氏の作品は四点ありますので、お楽しみに。