バリアートショールーム オーナーブログ
2013.9.28

私の感じたバリを伝えたくて

バリ絵画展会場写真こんにちは、坂本澄子です。秋のバリ絵画展がスタートし、毎日を渋谷のアート発信地で過ごしています。会場のWall GalleryはBunkamuraの1Fにあり、奥のお手洗いに行く動線上に位置するため、毎日多くの方が前を通られます。基本的にアート好きな方が多いと思いますが、それでも歩きながらチラチラ見て下さる方は半数程度。じっくり足を止めて観て下さる方となると更に数はぐっと減ります。日本でバリ絵画に対する認知度はまだまだ低いという現実を改めて感じました。それでも、私の説明に一生懸命耳を傾けて下さる方も多く、「バリ絵画は初めて見たけど、なかなかおもしろいね」なんて言っていただけると、もう「やったー」という感じです。

そんな風にこの数日を過ごしながら思うことは、「なぜ私はこんなにバリが好きなんだろう」ということ。原点に返ったわけです。それは、初めてウブドに滞在した時、その豊かな自然や人々の素朴な人柄に触れて、「あれ、もしかして私、当たり前のことがちゃんとできなくなってたかも」と思ったことに始まりました。朝、明るく挨拶をするとか、人に優しくするとか、逆に何かしてもらった時には心から「ありがとう」と感謝するとか、そういった小さなことです。それから、時には空を見上げて雲の形が面白いとちょっと感動したりとか。

ブログ67_目の前の風景ウブドのゆっくり流れる時間の中で、目の前に続く田園風景とその上を流れていく雲をぼんやりと眺めていました(写真)。泊まっていた宿(日本の民宿みたいなところ)の家族はしょっちゅう村のお寺に集まって何かやっていましたが、ヒンドゥ教という宗教ではなく、自分たちに恵みをくれる(そこではまだ農業が産業の中心)大地や太陽、水といったものに感謝し、そこに宿る神々にごく自然な行為として祈っている感じでした。そして、自分もこの大自然の一部なのだと気づいた時、ふうっと肩から力が抜けていくのを感じました。日本に戻ってからも、この感じを思い出させてくれたのが絵だったのです。それから時を経て、私は今バリ絵画を扱う仕事をしています。不思議な縁です。

絵画展では、バリ絵画を紹介することを通じて、「この気持ち」も伝えたいと思っています。試行錯誤で、毎日色々工夫していますよ。説明の仕方を変えたり、バリで私が毎日見ていた風景の写真を作品の下にそぉっと貼ったりと…(笑)ウブドに行ったことのある人だと、「ですよねー」と理解してもらえることも多いのですが、そうではない人に一言で伝えるにはどうしたらいいんだろうと。これがなかなか難しい。

バリ絵画展@渋谷Bunkamuraもいよいよ後半戦。ぜひ、この機会にお越し下さい。そして、私がバリの文化や歴史をお話している時も、その奥にある本当に伝えたいことはこういうことなのだとわかっていただければ幸いです。開催要領はこちらです。

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