バリの神様② 豊穣の女神デウィ・スリ
こんにちは、坂本澄子です。
今日は「バリの神様」の第二弾、バリ島で最も身近な神様といってもいいんじゃないでしょうか、多くの実りを与えてくれる「豊穣の女神」デウィ・スリのお話です。
バリ島ウブドのプリ・ルキサン美術館の中庭にある蓮池で、写真のような、右手に聖水の入った壷を持った姿をご覧になった方も多いことでしょう。バリの田園地帯を歩いていると、今でも水田のあちらこちらにデウィ・スリを祀った祠を見かけます。
あれは3年くらい前だったでしょうか。ガルーさんの『早暁の静謐』に出てくるような朝の幻想的な風景が見たくて、夜明け前から出かけたことがありました。アグン山が見える田園地帯に着く頃、ようやく空が白み始め、刻一刻と変わっていく雄大な景色にとても厳かな気持ちになったのを、今でも覚えています。どこにでも神様は宿ると信じるバリの人たちの世界観って、こういうことなのかなあ、なんてふと考えてしまいました。
しばらくすると一人の若い農夫がやってきて、緑の田圃の中を歩いていきました。その瞬間、真っ白な白鷺が一斉に飛び立ったかと思うと、その人は祠の前で祈りを捧げていました。
夜明けと共に起き、祈りで始まる一日。至る所に神様の存在を認め、感謝の気持ちを忘れない。そんな素朴なバリの暮し、いつまでも変わらないていてほしいと思います。
さて、そんなデウィ・スリを美しい女神の姿で描いた作品がこちらです。昨年秋の『豊穣の大地』展で展示させていただきました。黄金色に実った稲の刈り取りを村人たち総出で行う傍らで、デウィ・スリに豊作を感謝する供物を捧げている女性がわかりますか? この作品はご注文制作にて承ります。サイズについてもご希望ございましたらご相談ください。
『豊穣の女神』ANTARA ミクストメディア 100cmx150cm 800,000円
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