和服姿で展示会へ〜第103回二科展
こんにちは、坂本澄子です。
朝晩、涼しくなってまいりました。
猛暑からようやく解放され、ほっと一息。いかがお過ごしでしょうか。
今日は私事ですが、
いつか和服姿で、展示会でお客様をお迎えしたい
長年思い描いていた夢が、ついに叶いました。
以前、このブログでご紹介した岐阜県のお客様、児島様は着付けの先生。
ご相談したら、二つ返事で東京まで着てくださり、
とても素敵に着つけをしてくださいました。
ご一緒に、第103回二科展の会場(六本木・国立新美術館)へ行き、記念撮影。
スラリとした和服美人が児島満里子先生です。
実は、展示作『水の惑星〜未来へ向かうサカナたち』は、今年春に児島様のご自宅に納品させていただいた、『月明かりの夜』の、ある意味、進化形なのです。
『月明かりの夜』では、古代より月を愛でる人々の想いを、月に恋して夜空へ舞い上がる、蓮の花に託して描きました。
今度の作品では、蓮をモチーフに残しつつ、未来に豊かさを追い求める、私たち人間の姿を、木星に向かう魚にたとえています。
そんなこともあって、この絵を児島様に会場で見ていただくことができ、私にとっては二重の喜びとなりました。
「この絵で一番苦労されたところは?」
児島様は、私が以前月の光に苦労して、何度も描き直したことを思い出されたのか、そう尋ねられました。
「蓮とビルの群れの向こうに広がる、深遠な宇宙を表現したかったのです」
手前の蓮や東京タワーで見る人の視線が止まることなく、最後は彼方へと続く宇宙へと抜けていってほしくて、何度も描き直しました。
ところで、以前浴衣を着たときには、帰宅して着替えたら、ほっとしたのですが(汗)、
着付けがお上手だと、着ていて楽というだけでなく、こうも自分の気持ちが前向きに変わるものかと正直驚きました。
いつまでも着ていたくなるような感じを、愉しませていただきました。
昭和初期のアンティーク着物。
繊細な絹のすべすべした手触りに、ふと、この着物を着ていた女性は、どんな人だったのだろうという想いが湧きました。
色々と想像を巡らせるうちに、次の絵の構想が生まれてきました。