バリアートショールーム オーナーブログ
2013.9.14

秋のバリ絵画展まで後10日

こんにちは、坂本澄子です。え?また登場?!という声が聞こえてきそうですが、すみません、バリの作家の作品がいつもどんな風にして日本に届いているのか、ファンの皆さまにも是非知っていただきたいと思い、再びパソコンに向かいました。

東京税関今週、バリから荷物が届き、成田に通関手続きに行ってきました。普通の人はあんまり行かないと思いますが、第二旅客ターミナルから徒歩10分、ゲートの向こうのセキュリティエリアに貨物区があります。航空便で届いた荷物はそこに一旦保管され、添付された梱包明細書類を受け取って、税関で税金を収めた後、やっと出庫ができる状態になります。 税金の計算はパソコンを使ってやるのですが、どこまで審査するかは税関の係員によってまちまち。今回は現物検査は免れましたが、中国に画家のタマゴ(美大の学生)が集まっている地域があり、百何十年前の作品を模写したものを日本に持ち込んでは高く売っていた悪徳業者がいたそうで、「バリの絵は大丈夫ですか?」といきなりの職務質問。もちろん大丈夫!お勤めご苦労さまです。

翌日、有明ショールームは大忙し。厳重に梱包された荷物をほどき、作品を一点ずつ確認していきます。今回新たに仕入れたのは、秋の絵画展用にお願いしていた11点。いつもは仕入れの際、バリに出向くことにしているのですが、今回は絵画展のテーマ『秋の夜長を愉しむ〜すてきなひとりぼっち〜』にあわせて新たに描き起こしてもらった作品ばかりだったため、こちらからテーマとサイズをお伝えした後は、画家さんのインスピレーションにお任せしました。途中のフォローは現地パートナーがしっかりやってくれましたが、こちらの意図がきちんと伝わったか、出来上がった作品を見るまで、正直かなり不安でした。ありがたいことに、それは杞憂でしたけどね。

アンタラ三部作写実人物画のアンタラさんには、5月にアトリエを訪ねた際に、女性が年を追うごとに外面、内面共に成長する姿を連作で表現してほしいとお願いしていました。7歳、15歳、17歳、21歳の4点が出来上がり、そのうち17歳、21歳を購入したのが、「祈りの朝」と「凛」です。出来映えはすばらしいです。以前からあった「夢見る頃(13歳)」と3作並べると、ほらこの通り。本物の金箔を使って描かれたブレスレットとイアリングがとてもゴージャスです。

ブログ62_ライ作品それから、クリキ村の細密画家ライさんの作品、これもまたスゴイの一言。1枚仕上げるのにおそらく1ヶ月はかかったでしょう。25cmx35cmの小さな作品ですが、ケチャダンスを踊る少年たちの真剣そのものの表情が、ひとりひとり違った風に描かれています。緻密な筆遣いに画家の息吹が込められているのを感じました。

お部屋に飾る際のアドバイスをいただくため、今回はプロのカメラマンとスタイリストさんに写真撮影をお願いしました。絵とちょっとした小物を使うだけで、いつもは殺風景な有明ショールームが大変身。ちょうど夏の暑さが戻った日で、みんな汗だくにな

撮影風景

手前がスタイリストの菅原さん、その向こうがカメラマンの大野さん。働く女性ってかっこいい!

りながら、絵を掛けたり、周囲を整えたり、光の加減を調節したりと大忙しでした。全員が女性だったのですが、いや、すごいです。妥協せずとことんいい写真を撮っていただきました。私もおふたりのアシスタントとして働きました。絵を掛けていると、横からすっと手が伸びてきて支えて下さったりと、久し振りにチームで仕事をする楽しさを味わうことができ、嬉しくなっちゃいました。

リビング、寝室、ダイニング、書斎、玄関など、絵を掛けたい代表的な場所について、プロのスタイリストさんからとっておきの演出方法を教わりました。これらは写真解説付きで11月に「バリ絵画のあるお部屋」特集としてサイト掲載する予定ですが、10月6日(日)の絵画展にお越しいただいたお客様には特別に見せちゃいますよ。

これからの秋の夜長、家族や友人と過ごすのはもちろんですが、時には「すてきなひとりぼっち」はいかがですか。そんな時間を愉しんでいただける作品を集めました。 是非覗いてみてくださいね。開催案内はこちらです。ご希望の方には案内状をお送りします。リンク先特集ページのフォームから申し込んで下さい。

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2013.9.14

バリアートのある暮らし⑤ある家族の肖像

こんにちは、坂本澄子です。今週はバリから新作が届き、成田に通関手続きに行ったり、届いた作品を写真撮影したりと、10日後に迫った秋の絵画展の準備に忙しくなってきました:)

今日はある家族をご紹介します。お父さんにお母さん、5歳と1歳の男の子の4人家族です。7月の絵画展にお父さんが来られ、悩んで悩んで、そして、エベンさんの野鳥画に決められました。その時、奥様とメールでやりとりされている姿がとっても微笑ましく、私も暖かい気持ちになりました。そこにはこんな素敵な物語がありました。

「この絵は家族をイメージして買ったんだよ」ー 30代男性・会社員M様

そもそもどうして絵を?

中央の赤い鮮やかな鳥が奥様、右の小さな2羽が子供たち(M様談)

M様によると、中央の赤い鮮やかな鳥が奥様、右の小さな2羽が子供たち、そして左端の黄色い鳥がご自身だとか。

 年齢を経てくると志向が変わってきまして、学生時代や社会人でも若いころは、洋服とか友人との遊びとか、そういったものにお金を使っていたのですが、結婚して家族中心の志向になると、買うものが変わってきているんですね。昔は一生マンションなんて買うつもりなかったのですが、子供が生まれるタイミングで買ったりですとか。

そんな中、自分が一番、家族といて心地が良い家という場所を、更に快適になるよう、絵を飾ってみたいなあと思ったんです正直、一生、自分が絵を買うようなことがあるとは、思ってもみなかったのですが、不思議です。

プルメリアと野鳥、どちらにするかでかなり悩まれていましたね。

 改めて今回の絵にして良かったと思うのですが、4人家族で4羽の鳥で、子供が小さい頃の一つの記念になったと思います。そして、「この絵は家族をイメージして買ったんだよ」と子供たちに、今だけでなく、将来にわたって話ができる、そうしたいと思うのは、この作品が私に与えてくれる一番大きいことじゃないかと思います。子供が大きくなると、「それは何度も聞いた。もういいよ」とか言われると思いますが(笑)

実際に書斎に飾ってみて、いかがですか?

 この絵を見ていると、幸せな気持ちになります。家族が絵の周りに集まったり特に、下の子は小さいので動物が大好きで、よく絵を指差しながら「オーッ!」とか言ってます。

それから、ここで仕事をすることが多いのですが、少し疲れたときに、絵をみていると、気持ちが落ちつきます。休憩の時に、よくボーっとみています。

 

もともと仲のよいご家族ですが、その絆をさらに強めるために、この絵が一役買っているとお聞きして、私も本当に嬉しいです。

<参考サイト>

秋の絵画展特集

お客様から送っていただいたお部屋の写真(8/10ブログより)

エベン作品 ちなみに、M様が悩まれたもうひとつの絵「プルメリア」もエベンさんの作品です。

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