バリの新年ニュピは静寂の一日
こんにちは、坂本澄子です。早いもので1月もあっという間に最終週。先日ある方とお話していたら、年齢を重ねるごとに一週間が早くなっていくという話題になりました。私自身も特にこの一年はほんと早かったなぁと驚いています(^o^;
以前、「バリの1月1日はわりと普通の日です」とご紹介しましたが、本当の新年はニュピと言って今年は3月31日になります。月の満ち欠けをもとにしたサコ暦で1年に1度巡ってくるため、その年によって時期が違うのです。毎年だいたい2月〜5月の間にやってきます。ちなみに、バリには西暦とサコ暦とウク暦(1年を210日とする暦で主に祭礼を司る)の3つの暦が同居してる感じです。写真はバリ伝統画家アリミニさんのご自宅ですが、ここに掛かってるのはウク暦のカレンダー。
ニュピは静寂の日。地元の人たちはもちろんのこと、外国人観光客も一切外出ができないので、通りは人っ子一人いない状態になります。学校も会社もお店もお休み、あらゆる交通機関が止まり、人々は静かに瞑想し世界の平和を神様に祈って一日を過ごすそうです。あかりをつけることもできないため、夜になると真っ暗。その分、星がとても綺麗。満点の星空が仰げるかも知れませんね。
ニュピの前日に行われるのがオゴ・ホゴによる浄化の儀式。オゴ・ホゴというのは写真の通り、張り子の鬼のようなもので、鍋を打ち鳴らして家から追い出された悪霊が、通りを練り歩くオゴ・ホゴに乗り移るとされています。最後にこのオゴ・ホゴは悪霊たちと一緒に燃やされて鬼退治。それでもまだ地上には悪霊たちが残っているので、見つからないように、ニュピ当日は家にこもって静かに過ごすという訳です。これは善と悪は永遠に戦い続けるというバリ独特の考え方から来ているんですよ。
ところで、このオゴ・ホゴ。今年はインドネシア大統領選挙を控えているため中止なんだそうです。暴動を避けるためとのことですが、ちょっと残念ですね。
さて、好評開催中のガルー作品展『静謐のとき』、いよいよ31日(金)が最終日。和空間と静寂の作品のコラボ、どうぞお見逃しなく!
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