バリアートショールーム オーナーブログ
2015.3.28

ヤングアーティスト派の巨匠

こんにちは、坂本澄子です。

暖かくなってきましたね。若葉の緑も次第に濃くなり、ケンの散歩道で見かける名も知らぬ可憐な花々が、黄色、ピンク、紫と目を楽しませてくれています。気分も上々です^o^

絵にも、こんなふうに見る人の気持ちを高揚させてくれる作品がありますよね。バリ島ではオランダ人画家アリー・スミットに師事した若い画家たちが、まさにそうでした。1956年にウブドのペネスタナン村に腰を落ち着けたスミットは、自分を慕ってやってくる地元の若い画家たちに、色鮮やかな絵の具を与えて、自由に描かせました。彼の色使いに魅せられた画家たちは、バリの伝統絵画に特徴的な細密さに、極彩色を取り入れるようになったのです。かつてのヤングアーティストたちは、今では巨匠と呼ばれるように。今日はそんな画家の作品をご紹介します。

LONDO – 1948年バリ島ペネスタナン村生まれ。アリー・スミットの最も初期の弟子のひとりです。家鴨使いとして家計を助けていた少年時代、アリー・スミットと出会い、彼の主宰する”Young Artist Organization”に加わったことから、大きく人生が変わったのです。では、さっそくその作品をご覧ください。

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『村の生活 〜 稲刈り風景』 LONDO  アクリル画 40cmx60cm  106,000円

ヤングアーティスト派の作品は左右対称で並行的な構図が一般的ですが、LONDOの作品は少し高い位置から俯瞰したものが多く、のびやかな広がりを感じます。そして、細部に目を向けると、色使いに画家のセンスが。例えば、田圃で虫をついばんでいる家鴨たちには茶色の中にピンクをアクセントに使ったり、田圃の水に深い群青を混ぜたりと、ドキッとする配色が見られるんですよ。

ブログ205_ロンド作品LONDOの作品はバリ島のアルマ美術館に所蔵されており、展示室で見ることができます。私も実際に見てきましたが、氏の作品の特徴である効かせ色が使われており、明るい気持ちになりました。(注:効かせ色とはファッション雑誌でよく使われる言葉で、アクセントカラーとか、回りと調和しつつ、ちょっと洒落た色使いをいいます。読者の方からご質問をいただきましたので、注釈を追加します)

氏の作品はLALASATIなど絵画オークションでも、安定した価格で取引されています。

『村の生活 〜 稲刈りの風景』、ぜひ現物をご覧いただき、元気の素をチャージしてくださいね。5月18日(月)〜23日(土)の「春のバリ絵画展」@東京・京橋にて展示販売します。

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『春のバリ絵画展』

『村の生活 〜 稲刈り風景』LONDO ・・・作品詳細、ご注文はこちらから

ヤングアーティスト・スタイル ・・・’70年代に一世風靡したポップな作風

アリー・スミット・・・バリ絵画に最も影響を与えた画家

アルマ美術館公式ホームページ

 

 

 

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