夏恒例! 阿佐ヶ谷バリ舞踊祭
こんにちは、坂本澄子です。
今年もやってきました、阿佐ヶ谷バリ舞踊祭。昨年もこのブログでご紹介したので、覚えてくださっている方もおられるかも知れませんが、阿佐ヶ谷の七夕祭りにあわせて、神社の能楽堂を舞台に行われる2日間の舞踊祭です。毎年100名を超える国内有数のバリ舞踊家やガムラン奏者が一同に会し、バリの伝統舞踊から現代の創作舞踊まで様々な種類の演目を楽しめます。今年で14回目。
大きな樹々に囲まれた広い境内には時折心地よい風が吹き、昼間のうだるような暑さがすっと引いていきます。境内にチャナンを供えて回る踊り手の皆さんの姿。バリ舞踊が天界と人間界をつなぐ神聖なものであることを思い出させてくれます。毎年、この場所を提供してくださっている阿佐ヶ谷神明宮の神主さんも相通じるものを感じられたと伺いました。
初日は9つのプログラムが披露され、いつもながらバリ舞踊の幅広さと奥深さに魅了されました。中でも特に素晴らしかったのが、第2部の『クビャール”光”〜日輪の女神、天の岩戸幻想〜タルナ・ジャヤ』です。阿佐ヶ谷神明宮への奉納舞踊として演じられたもので、ここに祀られている天照大神の『岩度隠れ』伝説を取り入れた創作舞踊と伝統舞踊を組み合わせた珍しい演目。
私たちにも馴染みのあるストーリー展開の中、ガムラン隊の素晴らしい演奏、14名の踊り手それぞれの役に応じた迫力のある踊り、そして、工夫を凝らした衣装…と、見所満載。ラストに天照大神が舞うバリ伝統舞踊『タルナ・ジャヤ(若き勝利者の舞)』は圧巻でした。私は舞踊はまったくのド素人ですが、その見事さにただただ引き込まれます。会場も静まり返り、その一挙手一投足を追っていました。
そこで、写真とともにその内容をご紹介したいと思います。動きについていけず、ピントが合っていないものもありますが、雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。
天照大神(アマテラスオオミカミ)は 、古事記によると、弟神、須佐之男命(スサノオノミコト)の暴挙に困って天の岩戸にお隠れになり、世界は闇に沈みました。
写真は、須佐之男命の乱暴ぶりをあらわす激しい舞。手前はそれに合わせて楽器をうちならすガムラン隊。
ちなみに、須佐之男命は八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したことでも有名ですね。
(左写真)松の前で向こうを向いて座っているのが、岩戸にお隠れになった天照大神。その手前で舞っているのが、「困った、どうしよう」と知恵をしぼる八百万の神々の姿です。
そこに現れたのが天宇受売命(アメノウズメ)。岩戸の前で楽しそうな舞を披露し、その姿を見た神々は大笑い。天照大神は「外は真っ暗闇のはずなのに一体どうしたのだろう」と訝しく思い、岩戸をほんの少しだけ開けます。
そこをすかさず、怪力の天手力男神(タメノダジカラオ)がグイと引っ張り出し、再び光と喜びに満ちた世界が戻ってきました。
ラストの「タルナ・ジャヤ」は、「成功を勝ち取り、大人の世界に足を踏み入れた」若者の自信に満ちた気持ちを表現した踊り。もとは2人で踊るものだったそうですが、ダイナミックな動きが多くふたりの動きを合わせるのが難しいこともあり、最近では単独で踊ることが多いそう。
踊り手の力量が要求される踊りだと思いますが、本当に素晴らしかったです!
この阿佐ヶ谷バリ舞踊祭は入場無料。出演者はもちろん、運営を行うスタッフの方々も含めてすべてボランティアによって成り立っています。踊りを習うためバリの先生のもとに通い、衣装を揃えられるだけでも経済的には相当な負担のはずですが、バリに惹かれた人にお会いするたび、その分野は何であれ「この魅力を伝えたい」という強いエネルギーのようなものを感じます。
今日も8月2日(日)17時開演。昨日とは違うプログラムが楽しめます。インドネシア料理やビール、雑貨を販売する屋台もありますので、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
<関連サイト>
夏恒例! 阿佐ヶ谷バリ舞踊祭への1件のコメント
※は必須
初めまして。FBで上のページを運営しています。
事前情報だけでなく、もっと中身についての事後情報も充実させていきたいと思っております。
阿佐ヶ谷バリ舞踊祭について、このリンク又はブログ内容を転載させて頂いてもよろしいでしょうか?
よろしくお願い致します。