バリアートショールーム オーナーブログ
2015.7.4

直島、アートに包まれて眠る場所

こんにちは、坂本澄子です。

早いもので今年も折り返し点を過ぎ、季節はいよいよ夏本番へと向かいます。私は来週早めの夏休みをいただき、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」へ旅する計画をたてています。

直島 。。。「行ってよかった」という友人たちの言葉を聴くたびに心を動かされていました。雑誌に取り上げられると「おっ」と本屋さんで立ち読みをしたものです。そんな好奇心がもっと能動的な「行きたい!」に変わったのは、直島を瀬戸内海の過疎の小島からアートの島へと変貌させた、ベネッセの福武總一郎さんが自らお書きになった文章を読んだ時からでした。

福武書店の先代社長が急逝、会社を継ぐため、急遽東京から岡山の本社に戻ることになった總一郎氏は、当初東京と岡山の情報量の違いに戸惑いを感じてしまったそうです。ところが、数ヶ月が経ち、瀬戸内の島々を回遊するうちに、東京にいないことの幸せを心の底から感じるようになられたんですね。

その思いはこんな言葉で綴られていました。

「東京にあるのは刺激、興奮、緊張、競争、情報、娯楽であり、『人間』というキーワードはありません」

「アートが主張するのではなく、アートが自然や歴史の持っている良さを引き出す、そしてそれらの相互作用で人間を動かす。即ち、感動やある種の感情を引き出す。これは単なる鑑賞ではなく、観ている人の生き方を変えてしまう可能性すらある、それが現代美術の持つ素晴らしさです」

かくして、直島に建築家の安藤忠雄さんの設計によるミュージアムが作られました。建物がすべて地中に埋まっている、世界的にも珍しい建築技法の「地中美術館」(写真:ベネッセアートサイトより)です。また、島内のあちこちに彫刻作品が置かれています。そのひとつはきっと皆様も一度は写真などで目にされたことがあるでしょう。草間彌生さんの巨大かぼちゃです。

ブログ216_地中美術館

その他にも、島内の古民家を改修してアーティストが家の空間そのものを作品かした「家プロジェクト」、実際に入浴ができる美術銭湯「I ♡湯」などなど。

私が何より興味をもったのはこのプロジェクトによって地元のおじいちゃん、おばあちゃんがとてもお元気なられたこと。人生の甘いも苦いも知り尽くしたいわば人生の達人であるお年寄りがよい心の状態で過ごせる場所、それを創り出すきっかけとなったのがアートであるとすれば、これはすごいことですよね〜。

スケールも扱う分野も違いますが、私もバリ絵画を通じてアートが人にもたらすプラスの力を考え続けてきただけに、これは実際に観て、感じて、知りたいと思ったわけです。

次回のブログでは、そんな視点で見た直島をお伝えしたいと思います。

<お知らせ>

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 バリ島に幻想的な熱帯風景画をもたらしたドイツ人画家シュピースの半生に迫ります

 

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