バリ旅日記① 所変われば品変わる
こんにちは、坂本澄子です。
昨夜遅く、無事ウブドに着きました。実は、乾季のバリは初めての私。満天の星空に迎えられ、今こうして宿のテラスで田園を渡る爽やかな風に吹かれていると、ますますバリが好きになってしまいます。画家さんとの打合せは明日からなので、今朝は少しゆっくりして、先程買い出しに行ってきたところです。額縁の試作品も見せてもらいましたが、あと少し手を入れるとぐっとよくなりそうです。それはまた改めてお知らせしますね。
さて、今日は珍しいものに出会いました。ウブド王族の葬儀です。火葬式は明後日とのことで、王宮前の広場では、ワデ(亡骸を墓地に運ぶための搭状の御輿)とランブー(亡骸を火葬するための牛を象った棺)が造営されているところでした。
バデとランブー、そしてそれを運ぶ村人たちの姿は絵画のモチーフによく取り上げられますが、本物を見るのはこれが初めてで、思った以上に迫力ある姿にビックリ。これが墓地に運ばれていく様子はさぞかし壮観だろうと想いを巡らせたのでありました。ちなみに搭状のワデは層の数が3から11の奇数と決まっており、地位によって層の数、つまり高さが変わるそうです。塔の真ん中あたりに遺体が置かれるため、それを上げ下げするために、鉄パイプを組み上げた、バンジージャンプ台かと思うような階段が使われます。ワデもランブーも金箔をふんだんに使った装飾が施され、これが一瞬で燃やされ灰になってしまうのは残念なほどです。
一方、一般の人たちの葬儀はと言いますと、これがまた一風変わっていました。朝から宿の奥さんが何やら忙しいそう。聞けば親戚の葬儀の準備とか。私「今日ですか?」奥さん「いえ、来月です」私「???」聞き違いかと思いましたが、村人が亡くなると、一旦土葬した後、後日良いお日柄を選び、合同で火葬するのだそうです。今回もなんと31人の合同葬儀。費用もかかることなのですぐには火葬せず、後日合同でこれまた盛大に執り行うのがバリ流なのだとか。後日というのが何年も先になることも。所変われば品変わると言いますが、まさに!の体験でした。