ただいま制作中! ウィラナタ70cmx100cmの大作
こんにちは、坂本澄子です。
「バリアートショールーム」1周年記念展示会にご来場ありがとうございました。人気の花鳥画を中心に一部の作品につきましては感謝セールを継続しています。対象作品はこちらをご覧下さいね。
東京では桜がちょうど見頃を迎えています。ケンのお散歩は毎朝学校の回りを一周するので、薄紅色の花景色にやさしい気持ちになります。
バリ島では一昨日(3月31日)はニュピ(バリ暦での新年)でした。ニュピについては以前ブログでもご紹介しましたが、島全体を清める儀式が数日前から始まり、当日は誰もが家で静かに祈る静寂の一日となります。ウブドはこの夜空が澄み渡り、星がとても綺麗だったそうです。
それぞれの国にそれぞれの美しさがありますね。
さて、今日はドイツ人画家シュピースの影響を強く受け、幻想的な熱帯風景画で世界中に熱烈なコレクターを持つWiranata(ウィラナタ)さんの近況のご紹介です!
インドほど厳密ではありませんが、ヒンドゥ教徒が90%以上を占めるバリ島にもカースト制度が残っています。Wiranata、お姉さんのGaluh(ガルー)、弟さんのKepakisan(ケパキサン)たちAgung Familyはカーストの最上位レイヤー(王族,僧侶)に属し、中でもWiranataさんはファミリーの長男として一族の祭事に関する責任をずっしりと負っています。
バリ島では通常男性は結婚しても生家に留まります。そのため、敷地の中にそれぞれの家族が住む棟が立ち並び、東側に人間に関する儀礼を執り行う棟(Bale Dangin)が、そしてアグン山側の角には祭礼を行う家寺(Sanggah)が建っているのが、バリ民家の一般的な構造です。Wiranataさん一家も弟のKepakisanさん一家と同じ敷地内に住み、アトリエも共用です。
Wiranataさんのお宅ではこの家寺の100年ぶりの改修工事が行われました。一族全員が集まるのも100年ぶりとのことで、総出(きっとすごい人数)で儀式、奉納を執り行なったそう。写真を見ても気合いのほどが伝わってきますね。
そんな中、昨年10月にお願いした70cmx100cmの新作は、ジャカルタ、シンガポールのギャラリーからも注文が相次ぐところようやく着手してもらい、構図が出来上がったところです。
先日の展示会でも、「朝のひんやりとした空気が伝わってきますね」と言われた方がおられましたが、本当にそうなんです。姉のGaluhさんが水田の水面に写る空を描くことでやわらかな光を表現しているのに対して、Wiranataさんの作品は光と影のコントラストから来る強さを感じます。
この新作、これからどんなふうに仕上がっていくのか楽しみですね。
Wiranataさん、Galuhさんの作品は首都ジャカルタでもここ数年価格が上昇傾向にあり、新作はもちろん、絵画オークションなどの二次流通でも安定した価格で取引されています。インドネシアの経済成長を反映してか、物価が5分の1以下の現地にあっても高価な作品がどんどん売れています。
「バリアートショールーム」ではこれからも現地並みの価格で作品をご提供していきます。
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