銀座のレトロな空間が織りなす『一枚の絵』
こんにちは、坂本澄子です。
ウィラナタさんの新作がついに完成しました。7月29日(火)、特別鑑賞会『一枚の絵』を銀座のArt Space RONDOにて開催します。
Art Space RONDOは、昭和7年に建てられた元高級アパートを改造したビルの5階にあります。知る人ぞ知るこの奥野ビル、扉が手動式のエレベータや階段の佇まいは、まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような錯覚さえ覚えます。
RONDOのオーナーの丸山則夫さんは若手アーティストを発掘し、インスタレーションなどで工夫を凝らした展示を行う傍ら、自らも季節の瞬間を切り取ったかのような素晴らしい写真を撮るアーティストでもあるのです。ちょうど今週土曜日まで開催中のご自身の作品展『季節の瞬間3 春』のご紹介方々、そのすてきなお人柄と今回のジョイント企画についてお話したいと思います。
展示中の作品は、丸山さんが毎朝3時に起きて、空が白み始めてから完全に夜が明けるまでの約2時間、ご自宅近隣(多摩市)を歩きながら、光の変化を捉えたもの。もともと愛犬の散歩のために早起きを始めたのが、天国へ旅立った今も写真を撮ることでその習慣は続いているのだそうです。毎朝Facebookにアップされる写真を楽しみにしている人たちのためにますますやめられなくなったとちょっぴり嬉しそう。実は私もそんなファンのひとりです。幻想的な空の色、光の移ろい、花や樹々、そして時折出会う動物たちを独自の視点で写し取った作品の凛とした静かな表情は、ウィラナタさんの作品にも通じるものがあります。
さて、冒頭の『一枚の絵』ですが、このRONDOの異空間をたった一枚の絵だけのために使うという何とも贅沢な展示。そして、その時間と空間を共有した人たちでその作品から感じることを自由に語り合う、丸山さんプロデュースのイベントです。前回は日本人作家による一枚の抽象画で行ったそうですが、部屋の照明を落として作品を浮び上がらせることにより、全員の意識が絵に集中し、様々な方向へと会話が広がりました。今回も、初めて会った同士が一枚の絵を触媒にイマジネーションを広げ共有する、そんな上質な時間になればいいなと思っています。
ウィラナタさんの新作、すごくいいです。9ヶ月待った甲斐がありました。きっとおひとりおひとりが絵の風景の中に入り込んで、早朝の清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んでいただけると思います。70cmx100cmの大作が語りかけるものを五感で感じてくださいね。
この『一枚の絵』は7月29日(火)16:00から開催、お仕事帰りにお立ち寄りいただけるナイトギャラリーにします。出入り自由ですのでお気軽にお越しください。詳しくは近日インフォメーションにてご案内します。
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丸山則夫 Facebook page 『季節の瞬間』 すてきな写真が毎朝こちらにアップされてます