画家紹介①「静謐さ溢れる幻想風景画 ガルー」
こんにちは、坂本澄子です。 今回から6回シリーズで「バリアートショールーム」で作品を扱う画家たちを紹介していきます。第一回目はインドネシアを代表する女性画家ガルーさんです。 同じ女性だからという訳ではないのですが、正直なところガルーさんにはかなり入れ込んでおり、熱烈応援中です。初めてお会いしたのは、ジメジメと蒸し暑い雨期のこと。エアコンのないクルマで汗だくになって到着した私を迎えてくれたガルーさんは、そこだけ涼やかな風が吹いている、そんな印象でした。
父親は高名な画家、 5人兄弟のうち4人までが画家というアーティスト一家。現代バリ絵画の父と言われるドイツ人画家ヴァルター・シュピースの影響を強く受け、その技法を深く研究しました。今や、シュピース・スタイル(熱帯風景画)では一二を争う売れっ子画家と言っても過言ではないでしょう。国内外からひっきりなしに注文が入り、先日アトリエを訪ねた時も着手待ちの大きなキャンバスが並んでいました。バリの画家名鑑に名を連ね、ウブドのプリ・ルキサン美術館でもその作品を見ることができます。 多忙な毎日ですが、作品に対するインスピレーションを絶やさないためにも、散策を欠かさないそう。早朝、夜が明けきらぬうちに自らクルマを運転し、お気に入りの場所へ。そして、水田に映り込む空の色が刻一刻と変化していくのをじっと観察する、そんなインプットが心の内部に蓄えられていき、キャンバスの上に再構成されるのです。何よりもイマジネーションを大切にしているガルーさんならではのやり方だと感じました。 インタビュー中、一緒にいるとてもきれいな女性が気になったので、「一番下の妹さんですか?」と訊ねると、意外にも「娘よ」とのお返事。聡明で美しく、画家として成功、同じく画家のご主人に美人の娘さん。天は二物も三物も与えるのだと思った瞬間でした:)
【お詫び】ガルーさんは4人兄弟と記載しておりましたが、その後の取材で5人兄弟であることがわかりました。末の妹さんは舞踏家とのことで、本文を訂正致しました。(2013/06/21)