バリ絵画展 いよいよ最終日
こんにちは、坂本澄子です。猛暑の中、連日多くの方に来場いただいているバリ絵画展も、いよいよ最終日を迎えました。
地下鉄麻布十番4番出口から緩やかな坂道をのぼること5分、左手に会場の「パレットギャラリー麻布十番」が見えてきます。通りに面したショーウィンドウにはLABA作「若豹の憧憬」、開け放たれたドアの向こうでは、深い森で憩う色鮮やかな野鳥たちが迎えてくれます。EBENのこれらの作品はとても目を引くようで、お近くにお住まいの方が通りがかりに入ってこられることもしばしば。プルメリアはインテリアとしても人気のモチーフですが、今回EBEN作とTIRTA作の2点を展示しています。横長のEBEN作の方は「廊下の壁に飾ると、殺風景な空間が明るくなりそう」など、雰囲気の異なる2つの作品をそれぞれに楽しんでおられるようです。
人気はGAMA作の熱帯睡蓮。今回4点を展示していますが、赤や金の珍しい背景の作品2点のご注文をいただきました。月夜に咲くイメージの黒「夏の夜の夢」も好評です。一点物の原画ですので、同じ作品はありませんが、似た感じの作品はGAMA氏のアトリエにまだいくつかありますので、お取り寄せもできますよ。ご希望があればお気軽にお声がけ下さい。
正面に飾られたGALUH, WIRANATA姉弟の風景画は前回同様、別格の人気です。入り口から脇目も振れず一直線に二人の作品の前に立つ方も少なくありません。GALUH作品には独特の空気感がありますが、これはぼかしを使った遠近法によるもの。西洋絵画の遠近法とは異なる、バリ絵画によく見られる技法です。また、GALUH作品には構図の優れたものが多いですが、中でも「黄昏の静謐」は秀作で、右にいる女性の視線の先に家鴨使いの少年が立ち、右側から張り出した三角形の丘の形と相まって、自然に見る人の視線が少年へと流れていくように動線が作られています。事実、少年の位置と角度から見る棚田の風景は奥行きと開放感を感じさせてくれます。
右側の壁に移って、RAJIG(写真の左4作品),LABA(写真の右4作品)と続きます。RAJIG作品の特徴は、額縁の内側にまるでトリックのように描かれたもう一つのフレーム。そのフレームからはみ出すように描かれた構図は実際よりも絵を大きく見せることに成功しています。そして、鳥の描写に一役買っているのが竹筆。バリ絵画の特徴でもある竹筆は画家が自ら手作りしています。これを使って、羽毛の一本一本を丁寧に描き込み、ふわっとした毛の柔らかさを表現しているところはすごいです。是非会場で実物を見て下さいね。
LABA作品の特徴である深い緑にはとにかく癒されます。絵の具を幾重にも塗り重ねて創り出す独特のみどりです。「カエルの親方」は意外にも女性たちに大人気。「カエルが入れ墨してるみたい〜」と楽しそうな声が聞こえてきます。愛らしいリスを描いた「緑に抱かれて」は特別価格ということもあり、皆さんじっくり見ておられます。
いずれの作品も見応えがあります。価格帯も5〜6万円前後でお買い求めやすいですよ。最終日、どうかお見逃しなく!19時までやってます。場所はこちらです。