神々の花園 〜 澤野新一朗写真展に行ってきました
こんにちは、坂本澄子です。
一面の茶褐色の荒涼とした原野がわずか数週間だけ地平線の果てまで咲き広がる色とりどりの花園に変わる。23年前に初めてその光景を目にして以来の感動を、写真家・澤野新一朗さんは次のように表現しておられます。
「成長を急ぐため、背丈は低く、貧弱に見えますが、一輪一輪の花を見るとキッと引き締まっています。じっと蓄えたエネルギーをこの時とばかりに解き放つ姿に、大自然の真っ只中で生活する凛とした逞しさを、私はいつも感じます」
年による水系の違いや、発芽のタイミングを地中で何年も待っている植物もあり、花園は毎年同じ場所に現れるとは限ぎりません。澤野さんは毎年花園の出現する場所を経験を頼りに探して回り、写真を撮り続けています。この花園、存在自体が一般にはほとんど知られておらず、自然の神秘を伝えたいと澤野さんは毎年1グループだけキャラバンを組み、自ら見つけてきた花園に案内をしています。その功績が認められ、今年南アフリカ共和国から観光大使に任命されました。
その澤野さんの写真展「純白の箱と大自然のパレット」@森をひらくこと、T.O.D.A.(栃木県那須)に行ってきました。オーナーの戸田さんが所有する那須の30ヘクタールの森の中に1年前に建てられた真っ白い小さな建物。これが今回の舞台です。
澤野さんと初めてお会いしたのはちょうど一年前。麻布十番のパレットギャラリーで行ったバリ絵画展に奥様と観にきて下さったのがご縁で、写真展に伺うのはこれで3回目となりました。
作品を見ていつも感じることは大自然、人智を遙かに超えた大いなる存在への畏敬の念です。私がバリを訪れるたびに抱くこの気持ちを、澤野さんは写真という媒体を通じて伝えておられると感じています。バリの田園風景や満月の夜の神秘、澤野さんならどんなふうに表現されるのでしょうね。「いずれ行ってみたい」と言われる日が早く実現することを願っています。
今回の写真展はギャラリーの真っ白な壁に1.0×1.5mサイズの大きな写真が両サイドに5点ずつ、正面には3.0×5.6mの壁いっぱいに広がる一面の花園が展示され、まるで実際の風景を目の前にしているような迫力です。ギャラリートークで澤野さんご自身から一点ずつ解説を伺うと、美しい花々の咲き乱れる大地の地中では、神秘的とも言える生命の営みが脈々と繰り広げられていることがわかります。
作品を鑑賞した後は澤野さんの写真ワークショップに参加し、T.O.D.A.の白い建物や森に咲く花々を題材に写真の撮り方を教わりました。普段使っているスマホやデジカメでも、3つの基本ポイントを押さえるだけで、ぐっと上達した気分に^o^
←iPhoneでこんな大接写が
この写真展、5月25日まで開催中です。5月3日は13時からギャラリートーク、14時から写真ワークショップ(10名・事前予約制)がありますよ。5月の新緑を楽しみがてら那須に足を伸ばしてみてはいかがでしょう? 開催案内はこちらを