幻想的な光の創り出す世界
こんにちは、坂本澄子です。日曜日から東北地方を旅しています。西の生まれの私、実は東京に来るまで地図で青森の下は何県?!みたいなオハズカシイ状態だったのですが、一度旅してからは温泉がいっぱい、風光明媚な緑と水の風景、様々な郷土料理と、すっかり東北地方の魅力にはまってしまいました。
今回訪れたのは岩手県。世界遺産の中尊寺、毛越寺など、奥州藤原氏が三代に渡り栄華を誇った歴史をたどり、世界有数の透明度と水深(98m)を持つ地底湖で知られる龍泉洞で自然の神秘に触れ…と、ひとつひとつご紹介していたらきりがないくらい。
そんな中、印象的だったのがつなぎ温泉で行った「ホタル鑑賞会」。ホタルと言えば、遠い記憶にある、おばあちゃんちの田舎で見た畦道を舞う幻想的な姿、そんななつかしさにつられて参加してみました。場所は御所湖というダムで塞き止められてできた人造湖の近くにある菖蒲園。いました!その数、百匹近く。光を放ちながら飛ぶのはわずか一週間。この間にパートナーを見つけ、水際の苔などに産卵しその一生を終えます。この光るという行為は多くのエネルギーを消費するので、夜通しずっと光っているのではなく、一晩に約3回、だいたい光る時間が決まっているそうです。ちなみにホタルは身体の後ろの下の部分が発光し、アピールするかのように高く飛ぶのはオス。この光景を写真でお見せしたかったのですが、淡いホタルの光は、1分間シャッターを開けっ放しにしないと撮れないそうで、残念ながら私のデジカメではムリでした。
ところで、日本ではホタルは光るものですが、世界に2000種類いると言われるホタル、海外ではむしろ光らないものが多いそう。つまり、見た目は小さめのゴキブリ。あ〜、日本に生まれてよかった。ちなみに、バリ島のウブドで見たホタルも光っていました。そのあたりの田んぼに一匹、また一匹という感じで普通に見られます。しかし、ウブドも開発が進んでいますから、そのうちどこでもというわけにはいかなくなるかも知れないですね。
星空が垂れるようなホタルの乱舞やドラゴンブルーに染まる龍泉洞の光の織りなす光景を見ていると、心豊かなイマジネーションの世界に思いを馳せることができます。見たままを写真に残すことは容易ではありませんが、絵にはその時の思いを込めて残すことができます。子供の頃の情景を幻想的な光と影のコントラストで表現したウィラナタの作品にもまさにそれを感じます。
一枚の絵を前に感じるままを語り合う、そんな交流もできるイベントを企画しました。もちろん、ひとりでゆっくり鑑賞するもよし。一枚の絵がどれだけ多くのものを与えてくれるかを是非見に来てくださいね。7月29日(火)16:00〜20:00@Art Space RONDO銀座。詳しくはこちらを。
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