目に見えない大切なこと
こんにちは、坂本澄子です。
この壁の向こうに、見えないけど、地平線まで続く蒼い海を感じませんか?
バリ島最南端。断崖絶壁に建ち、インド洋に沈む夕陽の美しさで有名なウツワツ寺院です。でも、そのことを知らなくても、波の音が聴こえてくる気がするのは、この写真が「見る人の想像力を喚起する」からなのでしょうね。
絵にもこれと同じだと思うことが時々あります。淡く霞むような描き方が、そこに暖かい空気を感じさせ、さらにその向こうに続く景色を想像させる。例えば、ガルー(GALUH)さんの『早暁の静謐』のように。
それとある意味、対極にあると思っていたのがソキ(SOKI)さんの絵でした。
鮮やかな極彩色で、実に細かく描き込んであります。想像して愉しむというより、そのものを見て楽しむ作品だと思っていました。
でも、ソキさん自身からこの作品の説明を聞いたとき、見方が変わったのです。
『バリ島2 〜誕生・生活・死〜』は、人生の様々な局面における祭礼と神々との関わりを描いてほしいと依頼された作品。
「正直、最初は戸惑いました。神様を描いたことがなかったので」とソキさん。
確かに、いつもは神様の姿は描かれていません。でも、ソキさんはご自分の絵を通じて、神様によって守られ、秩序だてられたバリ島の世界観という「目には見えないもの」を表現し続けているのではないかと、思い至ったのです。
80cm×100cmのキャンバスに約20の場面、100人以上の人がぎっしりと描き込まれていますが、ひとりとして意味なく描かれている人はありません。誰もが、それぞれの場面で重要な役割を担っています。
昔読んだ本の「大切なものは、目に見えない」という一文を思い出しました。サン=テグジュペリの『星の王子さま』です。
私たちって、つい目に見えるものばかりを追ってしまいますよね〜。
ソキさん自身にこの作品について語ってもらいました。3分のムービー、ぜひご覧になってみてください!
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