【お客様投稿】20年前の大晦日に出会った絵
こんにちは、坂本澄子です。
寒くなりましたね。毎朝目覚ましが鳴ると、「えー、もう朝」。まだ外は暗く、なかなかお布団から出られません^^; ようやく決心して、「えいやー」と起きています。でも、一旦外へ出ると、冷たい空気が逆にシャキとした気分にしてくれて、「今日も頑張ろ」というやる気が湧いてくるんです。そんなピリっとした空気をこの作品からも感じました。
埼玉県のO様からのお便りです。
「ブログの『あなたがお持ちのバリ絵画を投稿していただけませんか?』という記事を拝見し、こちらの絵を投稿します。
ー ありがとうございます!
「20年前の1994年大晦日、バトゥアンの画家グデ・マンダラ氏から直接購入したものです。
魔王ラワナの家来マリチャが化けた黄金の鹿をクリシュナが射る、ラーマーヤナの一場面を描いたもの。
熱帯の陽射しと裏腹なジャングルの奥の暗闇で、神々と悪魔が人知れず戦っているような雰囲気の絵が、バトゥアンの村祭りへ行く途中で経験した、懐中電灯がないと足元も見えない暗闇を歩く心細さと、その時に見た満点の星空を思い出させます」
ー いい絵ですね。
バトゥアン・スタイルの特徴で、一見平面的に描かれているように見えますが、その向こうにあるものを見る人に想像させるような不思議な余韻がありますよね。ジャングルの向こうに続く深い闇。そこでうごめく様々な生き物の気配。私はそんなものを感じました。皆様はいかがですか?
バトゥアン村はオランダ統治下にあっても比較的西洋の影響を受けなかった地域で、今でもこのような純粋な伝統絵画を描くすぐれた画家が多く活動しているところです。
グデ・マンダラ氏は中でも著名な画家で、高名な画家だった父(Dewa Nyoman TJITA)、祖父(Dewa Putu KEBES)から絵の才能を受け継ぎ、その活動はバリ島内にとどまらず、フランス、ドイツ、アメリカへと。
神話『ラーマーヤナ』の黄金の鹿がラーマ王の妻シータを誘惑する場面は、この物語のハイライトのひとつで、絵画のモチーフとしてもよく取り上げられています。以前、ブログでもご紹介しましたので、ご興味があればご参考にこちらも読んでみてくださいね。
投稿下さったO様は鑞画のアーティスト。昨年はバティックを持つインドネシアのジャカルタでワークショップをされるなど、広く活躍されています。
20年前に初めてバリ島を訪れ、バリ絵画の奥深さに魅了されたそう。今でもバリ絵画に関する文献は希少ですが、当時、唯一あった英文の文献を和訳して日本で出版しようとされたほど、バリ絵画に一家言をお持ちなんです。
「バリアートショールーム」の絵画展にも必ず来てくださり、お話をさせていただくのが私の楽しみです。
では、続いて投稿お待ちしてま〜す!
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【お客様投稿】20年前の大晦日に出会った絵への1件のコメント
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投稿を取り上げて頂きありがとうございました。マンダラ氏の絵の魅力ゆえの事と承知していても、こうして文章になると何だか恐縮してしまいます。
バリ絵画専門、と銘打って個人でここまで活動されている方は坂本さん以外に存じ上げませんので、
バリの文化大使的な要素の可能性を考えるととても興味深く、今後の活動にも期待しております。