絵画オークションでの流通事情
こんにちは、坂本澄子です。
素敵な絵に巡り会ったとき、「これ、ほしい」と盛り上がる気持ちと同時に、「この絵はどのくらいの市場価値を持つのだろう」という冷静な判断をされることと思います。特にその絵が高い絵であればある程、そうですよね。
そこで今日は、2000年にジャカルタで設立、現在はインドネシア、シンガポール、香港の3カ所で、アジアの絵画市場に向けてオークションを運営しているLALASATI Auctioneersでの落札価格を調べてみました。過去のカタログと落札価格はウェブサイトで公開されていますので、ご興味があればご覧になってみてください。
LALASATIが主催する絵画オークションはバリ島では年2〜3回行われています。毎回100点前後の作品が出品され、1時間に40〜50点というスピードで進み、最終的に8〜9割が取引成立します。
2014年は7月と11月の回にそれぞれ1点ずつ、Wiranataの昔の作品が出品されていました。
制作年度 作品サイズ 落札価格(買い手はこれに加えて手数料を支払います)
2006 100x100cm IDR40,000,000 (約40万円)
2002 80x200cm IDR60,000,000 (約60万円)
(出典:LALASATI Auctioneersのウェブサイト)
Galuhは作品数自体がそれほど多くないので、オークションに出品される件数も限られており(2013年9月に1点出品)、とても貴重です。また、両作家ともにリトグラフやジグレなどの版画を作っていないため、作品を購入し大切に所蔵しているファンが多い様子も感じられました。
以前は買い手の半数は外国人でしたが、近年はインドネシアの経済成長を反映し、地元インドネシアの人々の熱気ある姿が多くを締めるようになりました。落札された作品は自身で楽しむほか、二次流通を通して次の顧客の手へと渡っていきます。
「バリアートショールーム」ではオークションでの購入や出品は行っておりませんが、これらの情報は客観的な市場評価として参考にしていただけると思います。
そんな両画家の新作をご紹介する「幻想心象風景画作品展」、いよいよ2日後の開催と迫ってまいりました。作品の魅力を存分に味わっていただけるよう、今回は展示作品数も8点と絞っています。見方によって様々な表情を見せてくれますので、ぜひゆっくりご覧になってください。
東京メトロ有楽町線「銀座1丁目」駅、10番出口から徒歩1分。昭和7年築の趣のあるギャラリービル(奥野ビル)が見えてきます。手動式の扉を開けて、エレベーターで5階へお上がりください。 地図
あ、降りられるときに、黄色い蛇腹の内トビラを忘れずに閉めてくださいね〜。(トビラが開いたままだと、1階から呼んでも降りてこないんです…汗)