バリアートショールーム オーナーブログ
2013.5.14

バリ旅日記③ バリ島で温泉発見

こんにちは、坂本澄子です。バリ3日目は火葬式で大混雑のウブドを抜け出し車を走らせること40分、ウィラナタさん(シュピース・スタイル画家、ガルーさん実弟)を訪ねました。制作中の作品を見せてもらいながら、お話を聞く中で、やっぱり芸術家なんだ…と思ったことがあり、ちょっと嬉しくなりました。その話はまた別の機会に。

ブログ21ジャティルイ棚田2お昼頃おいとまして、さらに足を伸ばしてジャティルイに向かいました。ここには昨年世界遺産に認定された美しい棚田があります。バリ島で二番目に高いバトゥカル山(標高2276m)の麓に位置するジャティルイは、雲が山にぶつかって雨を降らせるため稲作に欠かせない水が豊富で、また火山灰から染み出るミネラルが土地を豊かにしています。棚田を見渡すレストランのテラスで昼食、お客はほとんど外国人観光客です。バイキングで900円、昨日のパダン料理に比べると観光地プライスです。運転手のプトゥさんの姿が見えないと思ったら、彼らには主人を待つ間無料で食事が振る舞われる場所があるのだとか。下から上がってくる霧で霞んでいましたが、今見てきたばかりのウィラナタさんの作品のように幻想的な雰囲気を醸し出しており、その意味ではラッキーでした。

ブログ21バリの温泉火山と言えば温泉。バリ島にもあるらしいと聞くといても立ってもいられなくなり、急遽温泉探検に。次第に道が悪くなり、舗装されていないところを通り、最後は車を停めて徒歩で谷を降りた所にようやく見つけました。写真のように水着を来て入るパブリックエリアと日本の家族風呂みたいなプライベートスペースがあります。250円の入場料を払って、プライベートスペースでお湯加減を見せてもらうと随分ぬるいお風呂です。それを聞いた係の人が、こっちのお風呂はvery hotだと手招きするので行ってみると、そこが源泉で岩間からお湯が涌き出していました。それでも、日本の感覚からするとそれほど熱くはない、きっと38℃くらいでしょう。でも考えてみると、熱帯のバリでわざわざ汗だくになる必要はないですよね。ブログ21バリの温泉2これが適温なんだと納得し、今来た道を上がって外に出ると、そこには地元の人向けの無料の温泉施設がありました。施設と言っても小さなお風呂をちょっと囲んである程度の場所ですけど。車まで戻る途中、ひと風呂浴びに来た少年たちに会いました。写真撮らせてと言うと、とっても愛嬌のある笑顔を振りまいてくれました。観光の島バリ、外国人に対するこの距離感がなんとも心地よいのです。またバリが好きになってしまいました。

2013.5.13

バリ旅日記② エアコンがないバリの民家

椰子の木の向こうの田園を夕陽が沈んでいく

こんにちは、坂本澄子です。バリ2日目、今日は画家さんを訪問しました。先程宿に戻り、テラスで夕陽を眺めながらビンタンビールで喉を潤しています。

今日一日で、打合せが必要な画家さんをほとんど回りました。ウブド近郊に画家のアトリエが集まっているのと、ノーアポで行ってもだいたい会えるので助かります。近況をお聞きしたり、制作中の作品を見せてもらったり、そうそう、4月の展示会の様子もお伝えしました。その時の写真やバリアートショールームのホームページを見てもらう度に、iPadのプレゼン威力を感じました。7月の展示会のイメージはしっかり伝わったと思います。

そうこうしている間に、珍しく一雨きました。30分ほどで上がり、後はぐっと涼しくなったので、まさに恵みの雨です。おかげで汗がすっと引きました。ここウブドでは一般の民家にはエアコンはほとんどありません。しかも、「コーヒーはいかが」と言って出されるのは常にホットコーヒー。アイスコーヒーを飲む習慣はないのです。窓や扉を全開にし自然と一体になった住居で生活しているため、壁にかかった作品を動かそうものなら、ヤモリの影がさささっと視界の端を横切って行きます。体長20センチ以上もある大トカゲ(ヤモリのように壁の高い場所にはり付いています)に出会うこともしばしば。最初の頃はその度にキャーキャーと騒いでいたのですが、バリの人は「ヤモリは家を守ってくれるのだ」とケロリ、今では私もあまり気にならなくなりました。

ブログ20パダン料理3お昼はパダン料理を食べました。パダン料理とはインドネシアのスマトラ島の料理を総称して言います。魚を一匹まるごと素揚げにしたもの、鶏肉のフライ、野菜をスパイシーなスープで煮込んだものなど20種類はあるでしょうか。そこから好きなものを選んでご飯と一緒にお皿に盛ってもらいます。私は魚、鶏肉、ゆで卵、野菜の煮込みを注文。これだけ食べてもわずか200円、しかも結構満足できる内容でした。私が行ったのは庶民的なお店なので、写真のようなショーケースから料理を取ってもらいましたが、本来のスマトラ流は一品ずつ乗せられた小皿がテーブルの上にずらりと並べられ、食べた分だけお金を払うというシステムだとか。ついつい食べ過ぎちゃいそうですね。

明日は昨日お話したウブド王族の火葬式なので、中心部は人出でごった返しそうです。私は人ごみを避けて朝から郊外に出掛け、ウィラナタさん(シュピース・スタイル画家、ガルーさんの実弟)を訪ねます。

2013.5.12

バリ旅日記① 所変われば品変わる

テラスに座ると、小川のせせらぎ、鳥や虫の鳴き声など、色々な音が聞こえてきます

テラスに座ると、小川のせせらぎ、鳥や虫の鳴き声など、色々な音が聞こえてきます

こんにちは、坂本澄子です。

昨夜遅く、無事ウブドに着きました。実は、乾季のバリは初めての私。満天の星空に迎えられ、今こうして宿のテラスで田園を渡る爽やかな風に吹かれていると、ますますバリが好きになってしまいます。画家さんとの打合せは明日からなので、今朝は少しゆっくりして、先程買い出しに行ってきたところです。額縁の試作品も見せてもらいましたが、あと少し手を入れるとぐっとよくなりそうです。それはまた改めてお知らせしますね。

さて、今日は珍しいものに出会いました。ウブド王族の葬儀です。火葬式は明後日とのことで、王宮前の広場では、ワデ(亡骸を墓地に運ぶための搭状の御輿)とランブー(亡骸を火葬するための牛を象った棺)が造営されているところでした。

これがランブー。 背中の部分が開き、遺体を入れて火葬する。

これがランブー。背中の部分が開き、遺体を入れて火葬する。

バデとランブー、そしてそれを運ぶ村人たちの姿は絵画のモチーフによく取り上げられますが、本物を見るのはこれが初めてで、思った以上に迫力ある姿にビックリ。これが墓地に運ばれていく様子はさぞかし壮観だろうと想いを巡らせたのでありました。ちなみに搭状のワデは層の数が3から11の奇数と決まっており、地位によって層の数、つまり高さが変わるそうです。塔の真ん中あたりに遺体が置かれるため、それを上げ下げするために、鉄パイプを組み上げた、バンジージャンプ台かと思うような階段が使われます。ワデもランブーも金箔をふんだんに使った装飾が施され、これが一瞬で燃やされ灰になってしまうのは残念なほどです。

一方、一般の人たちの葬儀はと言いますと、これがまた一風変わっていました。朝から宿の奥さんが何やら忙しいそう。聞けば親戚の葬儀の準備とか。私「今日ですか?」奥さん「いえ、来月です」私「???」聞き違いかと思いましたが、村人が亡くなると、一旦土葬した後、後日良いお日柄を選び、合同で火葬するのだそうです。今回もなんと31人の合同葬儀。費用もかかることなのですぐには火葬せず、後日合同でこれまた盛大に執り行うのがバリ流なのだとか。後日というのが何年も先になることも。所変われば品変わると言いますが、まさに!の体験でした。

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