川のある風景
こんにちは、坂本澄子です。
先日、久しぶりに郷里の広島に帰ってきました。ドアツードアで5時間、飛行機派と新幹線派に分かれる微妙な距離ですが、私はいつも新幹線です。本数が多いので、ちょうど来た電車に飛び乗れますし、東京始発でまず座れます。4時間、結構有効に時間を使えますよ。
ごくごく普通の地方都市ですが、帰省するたびにいいなあと思うのは、川のある風景。広島はデルタ地形のため、市内を6本の川(東から、猿猴川、京橋川、元安川、太田川(本川)、天満川、太田川放水路)が流れています。一番有名なのは本川が太田川と元安川に分かれる場所にかかる相生橋でしょう。これなら「あ!」と思われる方も多いはず。
そこに水があるだけで心和むのは、私たちが青いほしに住んでいるからでしょうか。
ウブドにもいくつも川が流れています。定宿のあるプネスタナン村から南に下り、モンキーフォレスト方面へ歩いていたときに通った橋がこちら。ガードレールが低くて、おまけに横をバイクがビュンビュンと通り過ぎるスリリングな橋。下を眺めただけで、クラクラするほどの高さです。高所恐怖症の私が、エビのように腰が引けた体勢でシャッターを切った写真です^o^; はるか下を流れる川や深い渓谷の緑が視界に広がった瞬間、ふっと心地よい風が通り過ぎていきました。
バリの画家さんにその話をすると、子供の頃に川で遊んで楽しかった話を聞かせてもらえました。ウィラナタさんも少年時代をウブドで過ごし、川で魚を釣ったり、泳いだりしたことが何よりの思い出。棚田と並んで、絵の題材に取り上げられることが多いのも、きっとそんな大切な思い出からインスピレーションを得ているのでしょうね。
2つの川が合流する場所はチャンプアンと呼ばれ、精霊が宿る聖なる場所。ウィラナタさんの作品『pura campuhan (2008年製作)』(写真)も、心洗われるような清らかな情景。水を汲んだり、沐浴する村人たちが神々しいばかりの光の中に描かれています。
そして、こちらはウィラナタさんの実弟ケパキサンさんの作品、森の奥を流れる川を描いた朝の風景です。乾季のウブドの朝はひんやりとした空気に包まれています。川のせせらぎや鳥や動物たちの声がこだまし、五感が気持ちのよい気に満たされていく作品です。
『こだまする谷川の風景』 Kepakisan
アクリル画 作品サイズ:25cmx21cm
左写真はウブド王宮へと続く東西に走る道、Jl. Raya Ubudです。ご存知の方も多いと思いますが、植物が垂れ下がるように茂ったこの場所も絵になる風景ですよね。実際、ここを描いた風景画は何点もみました。
左の壁の向こう側にも川が流れており、近くにはホテルチャンプアン&スパがあります。敷地内にはいくつものヴィラが渓谷に沿うように建てられており、ウィラナタさんが魅せられたヴァルター・シュピースがその昔住んでいた家があった場所でもあります。ドイツ人画家も異国の地に魅了され、幻想的なバリの風景画を描いたのでしょうね。
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