バリアートショールーム オーナーブログ
2013.3.27

【4月19-21日】原画でしかわからないバリ絵画展の見どころ

4月19日〜21日、東京のパレットギャラリー麻布十番にて、バリ絵画展「青い海を描かない作家たち」を開催します。近年、画像処理技術は格段に進歩していますが、それでも現物を見て初めて伝わることは意外に多く、私が原画にこだわる理由もここにあります。今日は、そんな表現者たちの制作意図と工夫をご紹介します。東京近郊にお住まいの方が中心になってしまいますこと、お許しくださいね。

 GALUH「黄昏の静謐」

GALUH「黄昏の静謐」 油絵/キャンバス 60㎝×40㎝

GALUH「黄昏の静謐」
油絵/キャンバス 60㎝×40㎝

この作品を見て、水田への映り込みの方が実際の空よりも明るいことを初めて知りました。写真ではやや沈んだ印象を持たれるかも知れませんが、原画を前にすると周囲の落ち着いた色調がゆえに、手前の鏡のような静穏さが尚の事感じられるのです。暮れなずむ空を映して朱と藍が淡く滲み合う水面と家鴨たちのシルエットの対比は心憎いほど繊細な表現力。画家自身が「最も苦心し、最も気に入っている箇所」と称した場面です。同じシュピース・スタイルの画家である実弟クパキサン氏の作品も2点展示します。早朝と黄昏時の空気感の違いも見ていただきたいポイント。なお、展示会期間中に「黄昏の静謐」を購入(インターネットでのご注文も承ります)されたお客様にはGALUHさんからのプレゼントを用意しています。

ANTARA「Sweet Daydream〜夢見る頃」 アクリル/キャンバス 60㎝×50㎝

ANTARA「Sweet Daydream
〜夢見る頃〜」
アクリル/キャンバス 60㎝×50㎝

ANTARA「Sweet Daydream〜夢見る頃」

先週仕上がったばかりの最新作。少女の淡い甘美な想いがキャンバスいっぱいに伝わり、幸せな空気に包み込まれるようです。バリの砂を絵の具に混ぜて下地を作るのがANTARA作品の特徴。きめ細かい砂の温かな質感は氏の創作テーマである”LOVE and JOY”とバリ女性の肌の色を表現するのに一役買っています。今回ANTARA氏の作品は本画2点、木炭スケッチ2点を展示します。スケッチも見どころのひとつ。州都デンパサールの美大に在学中、最優秀デッサン賞を受けたこともあるほどの腕前。その清新なタッチは人物の内面性までも描き出しています。期間中に本画作品を購入(インターネットでのご注文も承ります)されたお客様にはANTARAさんからのプレゼントをご用意。詳細は展示会初日に発表します。

LABA「若豹の憧憬」 アクリル/キャンバス 55㎝×75㎝

LABA「若豹の憧憬」
アクリル/キャンバス 55㎝×75㎝

LABA「若豹の憧憬」

深い緑の密林を背景に、つがいの文鳥を好奇心いっぱいの瞳で見つめる若い豹。LABA氏の描く動物は目に特徴があります。幾つもの色の細い線で描き込まれた瞳は瑞々しい生命力に溢れ、まるで人間のように個性を持って描かれています。画家自ら選んだバリ彫刻が施された額装も作品の一部として味わいを添えています。LABA氏の作品は今回3点を展示します。それぞれ異なるモチーフを扱いながらも作品に共通する独特の世界観“LABA’s WORLD”をお楽しみ下さい。

以下の作品写真はブログ「【号外】バリ絵画展 4月開催決定!」に掲載しています。併せてお読み下さいね。

ARIMINI「バリ島物語 」

画面いっぱいに描き込まれた各場面が全体としてひとつのテーマ(信仰と生活)を形成しています。神話の登場人物と村人の生活が描かれた作品は、ARIMINI氏の得意とするモチーフ。物語にあわせて見る人の視線が画面上を流れるように構図と色の配置に工夫がなされています。今回は作品2点を展示し、会場にはモチーフに関する理解を深めていただくための解説を用意しています。

SOKI「実りの季節」

バリの村人たちの生活が極彩色で描かれた楽しい作品。それぞれの場面の意味を理解できると、バリの文化や村人たちの生活、さらにはその背景にあるものまでも見えてきます。それも絵画の楽しみのひとつ。会場にはそんな仕掛けを用意しています。

RAI「牛飼いのレース」

バリの大地を思わせる茶を基調とした色合いの作品。よく見ると、微妙な色の違いや濃淡による描き込みによって、作品に奥行きと躍動感を与えているのがわかります。時間と手間を惜しみなく掛けて一枚の作品を仕上げる、農民画家RAIさんならではの丁寧な仕事ぶりをご覧下さい。

 【バリ絵画展のご案内】

展示会案内2枚並べ

【4月19-21日】原画でしかわからないバリ絵画展の見どころへの2件のコメント

  1. 投稿者匿名

    バリの絵画、素敵ですね。大枠でいいのですが、値段はレンジはどれくらいなのでしょうか。

    1. 投稿者坂本澄子

      お問い合わせありがとうございます。
      4月の展示会に出品する作品は5〜50万円の価格レンジを予定しています。
      中でもブログでご紹介している画家はバリの美術館で作品が所蔵されるクラスの画家ですので、サイズにもよりますが概ね20万円以上とお考えいただければと思います。
      原画でこの価格ですので、日本の画家さんの作品と比べてもお買い得と思います。
      是非実際に作品をご覧になって下さいね。

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