バリアートショールーム オーナーブログ
2013.5.15

バリ旅日記④ 芸術村ウブドの生活事情

こんにちは、坂本澄子です。バリに来て早くも4日経ちました。朝食の時、宿の一番下の坊やがうちにいたので、あれ学校は?今日はバリの州知事選挙。学校が投票場になるためお休みなのだそう。今回は候補者二人の一騎打ちで、投票率は高そうです。

私はウブドに来る度に、日本の民宿みたいなところを常宿にしています。一般の人たちの生活、これがなかなかユニーク。今日はそれをご紹介します。

今朝の宿のご飯。ご主人は画家兼ヴィラの管理人兼ガイド。

今朝の朝ご飯はナシチャンプル
鶏肉の素揚げに厚揚げ風のおかず+野菜炒め。

まずは食生活。こちらの人はほとんど外食をしません。せいぜい屋台で買って家で食べる中食です。朝お母さんが一日分のおかずを作り、それを一日掛けておなかが空いた時に食べます。食材の買い物は毎朝市場へ。私も朝は宿のお母さんが作ってくれる家庭料理を食べています。ご飯と2〜3種類のおかずが一つの皿に乗せられ、それらを混ぜていただくのが基本形。ご飯はおかゆ風に調理することも。肉はほとんどが鶏肉。ヒンドゥ教徒のため牛肉は食べません。豚の丸焼きや家鴨は祭事のごちそうとして振る舞われます。お酒は税率がとても高く、ココナツを原料とする地酒もありますが、現地の人がお酒を飲んでいる姿はあまり見かけません。

次に交通事情。庶民の足はバイクです。法律はありますが取締りが少ないためか、ヘルメットなしの多人乗りが横行、前後に一人ずつ子供を乗せた三人乗り、さらには今まで見た最高の五人乗りまで、ほぼ無法地帯。信号のない細い道路に車とバイク、しかも交差点には放し飼いの犬がチョロチョロし、一本奥に入ると今度はニワトリの放し飼い…とヒヤヒヤの連続ですが、こちらの人は至ってのんびりで、事故もそれほど起こりません。でも、観光で行かれる方は運転しない方が無難だと思います。ちなみに、子供の学校の送り迎えはお父さんの仕事。低学年は7時に登校、9時には帰宅します。あら、もう帰ってきたの?という感じです。

最後に仕事ですが、バリは島全体が観光で成り立っており、農業の村ウブドも近年ホテルやヴィラの建設ラッシュで、外国人向けの宿泊施設、レストラン、ショップで働く人が増えてきました。また、公共の交通機関がないため、自家用車やバイクを持ち込んでガイド兼運転手として働く人たちの客引き、路上の物売りなど、色んな人でごった返しています。絵を描いては土産物として売っている職人(一定のパターンで塗り絵的に絵を描く人を画家とは区別しています)もたくさんいます。しかし、まだまだ共同体意識が強いムラ社会。祭事があれば仕事を休み寺院に集い、共同作業に勤しむというように、一年が寺院祭礼を中心に回っています。

制作中のガルーさん。この後ろには幅2m以上もある大型キャンバスが制作を待っていた。

制作中のガルーさん。この後ろには幅2m以上もある大型キャンバスが制作を待っていた。

インドネシアは他の東南アジア諸国に比べて、経済面で出遅れ感がありました。しかし、アジアショックで数年前まで国民の大半が食べるのがやっとの生活を送っていた頃に比べると経済は急速に加速している印象を受けます。今回、おつきあいしている画家さんを訪問して感じたことは、ジャカルタからの大型作品の注文が増えていること。経済的に余力のある人が増え、芸術を楽しむと共に絵画は投資の対象にもなっています。いずれもプロの画家として真剣に制作に取り組んでおられ、作品の販売に関わる者として大変嬉しく思いました。7月の絵画展の構想もほぼ固まってきましたので、明日から画家の近況を交えながら、少しずつご紹介していきますね。

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