日本のお盆とバリ島のガルンガンの共通点
こんにちは、坂本澄子です。
今週はお盆休みで帰省をされる方も多いでしょうね。
私の郷里、広島では、お盆になるとお墓に灯籠を立てる習慣があるんです。竹を縦に6つに割って朝顔型に広げ、そこに赤・青・黄などの鮮やかな色紙を貼って作られたもので、お墓参りに訪れた人がそれぞれお墓の周りに立てていくため、写真の通りとても賑やかに。初盆のときだけ、白い灯籠をたてます。この風習、江戸時代から始まったものらしく、由来については諸説ありますが、先祖の霊をお迎えする目印の役割を果たしているのかも知れません。
バリ島のガルンガンも、先祖の霊が家族の元に帰ってくるとされ、家の前にペンジョール(竹飾り)を掲げます。これもご先祖様が迷わないようにとの目印。
善が悪に打ち勝ったことを記念するガルンガン。お祭りのごちそうを作り、親戚やご近所で互いの家を訪問し合い、盛大にお祝いをします。
日本もお盆には家族・親戚が集まったものですが、みんなの顔が揃う機会も減ってきました。日本のよき風習ですから、ご両親や親戚にご無沙汰気味の方、お電話だけでもしみてはいかがでしょうか。お話しているうちに、自分の原点に帰った気がするかもしれませんよ。
さて、昨日「ふるさと納税」を考案されたベンチャーキャピタリストの村口和孝さん(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ投資事業組合代表)とお会いする機会がありました。村口さんと言えば、DeNAなど名だたるベンチャー企業を上場させたことでも有名なキャピタリスト。ビジネス全開のオーラを想像していたのですが、アナログな面をたくさんお持ちの素敵な方でした。
徳島県の風光明媚な漁業の町のご出身。これといった産業もなく、若者たちは高校卒業と同時に都会へ。村口さんも御多分に洩れず高校卒業後、東京の大学に進学されました。人口ピラミッドは18歳を境にガクンと激減。高齢化で税収は細り、ますますさびれる悪循環。典型的な過疎の町の様相を呈していたそう。
「田舎のお父さん、お母さんたちは自分たちの消費を抑えてせっせと仕送りするわけですよ。でもね、そのお金が落ちる先は都会。就職した子供が働いて納めた税金も都会へ吸い取られていくばかり。結局、一生懸命に息子・娘を育て、すぐれた人材を世に輩出したにもかかわらず、その先行投資は結果は地方へはさっぱり返ってこないわけです」
そこで思いついたのが、地方出身者が税金の一部を出身地へ納め、そのお金を地方で創造的に使えるようにする「ふるさと納税」。日経の夕刊コラムにそんな提案を投稿したのが2006年のことだったそうです。
先行投資と回収といったキャピタリストらしい一面を見る一方で、「ふるさと」という和ことばにこめられた思いも感じました、家族や先祖を大切にし、美しい自然を尊ぶのは日本人の美徳ですよね。
村口さんにも忘れられないふるさとの情景があるそう。
「中学生の時に、水泳の練習からへとへとになって帰り、二階の勉強部屋から外を見たときに、ほとんど真っ暗な中、虫だけが鳴いていて。でも、じっとみているとうっすらとそこにモノとか植物の気配が感じられるんです。それを写生で描きたくなって、でも、うまく描けなくて。。あの絵にならない、圧倒的な存在感と空気感が凄く魅力的で、よく屋根に上がって、星空や周囲の山をずっと見ていたりしましたっけ」
誰の心の中にもこんな原風景がありますよね。それを何かの折にふと思い出し、つらい時にも頑張る力をもらえたりします。初めてバリ島を訪れたとき、懐かしい幼なじみに出会ったような気持ちになったのも、子供の頃の情景をバリ島の田園風景に重ね合わせたからかも知れません。そんなバリと日本の共通点をお話しすると、村口さん一言。
「日本人のルーツはバリにあるかもよ 笑」
村口説に一票投じたいと思います^o^
<お知らせ>
8/23(Sun) 第3回バリアートサロン「見れば見るほどおもしろいバリ島の風俗画」
バリ島の風習に触れながら、人々の生活を描いた風俗画の魅力をお伝えします。