緑にいだかれた午後
こんにちは、坂本澄子です。
ゴールデンウィークですね。ウブドにもにわかに色白の日本人が増えたそうです。このところ円高が進んで、ちょっとラッキーですね^o^
私はというと、初めて新潟に行ってきました。ゴールデンウィークの10日間、「大地の芸術祭」の里 越後妻有2016春が開催中です。
この芸術祭は3年に一度開催されるアートトリエンナーレで直近は昨年開催されました。開催年には列ができるほどの人気作品をゆっくりと楽しめるのが魅力です。
メイン会場の越後妻有里山現代美術館(キナーレ)はモダンな建築で、一面に水を張った中庭をぐるりと取り囲むように設けられた展示室では、モダンアートが楽しめます。
電車の車両をイメージした建物、廃校になった小学校の体育館を活用した倉庫美術館など、各会場共それぞれに面白かったのですが、一番いいと思ったのは、光のアーティスト、ジェームズ・タレルの「光の館」でした。こちらは2000年の回に制作されたものですが、私にとっては、昨夏、瀬戸内海の直島の地中美術館(安藤忠雄設計)で、その不思議な光景にすっかり魅了されて以来、2度目の出会いとなりました。
この「光の館」は瞑想を行う場所として、タレル自ら設計を手掛けた和風建築です。
一番の見所は2階にある12.5畳の和室。屋根がスライドして天井にぽっかりと四角い穴が開くのを、畳の上にごろんと横になって鑑賞できます。
私が行ったときは曇り空でしたが、雲が浮かんだ青空だと、見上げているうちに、逆に空を見下ろしているような錯覚に陥り、落ちそうな気分になるのだそうです。
ところで、この「光の館」には宿泊プログラムもあるのです。
1階にはご覧のような広いお風呂があり、夜になると浴槽にぐるりと埋め込まれた光ファイバーが点灯し、水の中に光の空間ができる仕掛け。
また、先ほどの和室の天井開口部にも秘密が。時間と共に色が変化する間接照明が仕込まれているのです。すると目の錯覚で、空の色まで変わって見えるのだそうです。その他にもいたるところに光の仕掛けがあり、一晩かけてその魅力をたっぷり楽しめるというわけです。
周りはご覧の通り回廊になっており、溢れるような新緑に包まれています。白い雪をかぶった谷川連峰を遠くに眺め、光の移ろいを感じているうちに、自分自身も自然の一部に溶け込んでいきます。そんな時間は、ウブドにいるときと似ています。
次回はぜひ泊まりで来たいと思いました。